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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
不死鳥
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情報収集

「えーっと、つまりこれは…どういうことだろう?襲ってきた猪は確かに死んでいて、そんなものが日常的に使われている?っていうかあれは何なの?」

アーサーが考え込む。

「いえ、もし日常的に使っていて死んでも動くなら騒ぎになっているはず。それにあの犬は生きていました」

「まだ気づいてない線は?」

「であればもっと規模は小さいはずです。ここからかなり遠い西から来たなら、時間経過はかなり経っているはず」

じゃあ何だろう?たまたまあの機械がおかしかっただけかな?

「なにをごちゃごちゃ言っておる、そんなもの行って見ればわかることであろう」

「あのねぇ…はぁ、まぁでも一理あるか。ごめんアーサーちゃん、転移で向こうに行ってからでいいかな?」

「…わかりました。この町では根本的なことはわからなさそうですからね」

そうして持ち越しとなった。

「では飯に」「もう少し情報を…」「ついでに武器屋へ行っても?」

「だから、まず宿を取ってからね」

さっきやったでしょそのくだり…。

そうしてその日は宿を取り、各自お小遣いを渡して自由時間とした。

ちなみにお金は王都でニチレンさんにもらったものをだ。

返そうと思って普通に忘れていた。

魔王城にあった価値のありそうなものを質屋で換金して増やせば元の金額とかにならないかな。

というかいつか返す日が来るのだろうか…。


翌日、天衝山近くの町へと転移の申請をしに行く。

「はい、問題ないです。では転移の間へと」

「すんなりいったね」

「少し怖いくらいですね」

アーサーも心配そうだ。

はてさてどうなることやら。

「転移!」

そうして目の前の景色が変わっていく。


「着いたね」

視界が開けると、そこは町、少し焦げたような匂いがする。

町の向こう側には真っ黒な山も見える。

あれが天衝山だろうか?

「魔王様」

ハルが前に出て警戒をあらわにする。

「どうしたの?…あぁ、やっぱりいるね」

右目に機械を付けた動物がちらほらと見えた。

「?思ったより数は少ないですね」

アーサーが考え出す。

「何か理由があるのかな?」

警戒はするがやはり襲ってくるような気配はない。

「…大丈夫そうだね。ここにいても始まらない、とりあえず情報収集をしよう」

「わかりました」

さて、どこで聞こう。

考えているとアーサーがどこかを見ている。

「どうしたのアーサーちゃん」

「いえ、あの…あれ…」

指をさす方向を見てみるとギラギラと光っている看板を構えている店が見えた。

「観光案内所かつお土産屋かつ情報屋かつレンタル屋かつ転移役所…」

情報過多すぎる…。

「ぬしよ…怪しすぎるぞ」

「いやまぁそうなんだけど…」

近づいて観察してみる。

転移所って多分国の許可が必要だし町に1つしかないからなぁ。

でもこれどう見ても詐欺っぽいし。

「…正規店ですね」

「え、わかるのアーサーちゃん?」

「はい、転移役所の下にマークがあります。このマーク、特殊な加工が必要でコピーができないよう契約がしてあるんですけどここではその正規のマークが使われています」

よく見ると確かに『転』の文字に〇みたいなマークが彫ってある

「コピーするとどうなるの?」

「燃えてなくなります」

え、怖…。


正直怪しさ満点だが転移所は帰るときに絶対寄らなければならないので入ってみることにした。

「はいいらっしゃい!観光案内?もしくはお土産かな?」

普通の男の人が出てきたよ。テンション高いけど内装もきれいだし怖がる必要はあんまりなかったかな?

「あぁ、いえ、情報が欲しくて」

「お、そうですか、何が知りたいんで?」

「えーっと…」

どこから聞こうかな?

「ここに住んでる動物なんですけど右目に機械を付けてるのを目にしたんです。あれは何でしょうか?」

質問を考えているとアーサーが聞いてくれた。

私は一歩後ろへ下がる。

「あぁ、あれか。ただの延命装置って話だよ。不死の病も治る代物だけどね、安楽死するまで苦しまなくてすむからつけているものらしい」

「…そうなんですね。ちなみにこれはどこから?」

「えーっと…確か天衝山のふもとからたまに発見されるんだよ。ほら、一番目立つ真っ黒な山だよ」

考え込むように男の店主は答える。

そんな落ちているものを使っているのか、大丈夫なのかな。

「ただ、正確なことは誰もわからなくてね、便利だから使っているだけみたいだ」

「なるほど、ありがとうございます。それと、不死鳥についても聞きたいんですけど…」

「あぁ、不死鳥…。天衝山の頂上に住んでるよ」

意味ありげに言う。

「山道は大変だけど会いたいなら行ってみればいい」

そんな地域密着型みたいな…。

「会えるんですか?というより何かあるんですか?何か意味ありげでしたけど」

「ちゃんと会えるよ、ただ…。ちなみに登る予定はあるのかい?」

「そのために来ましたので!」

「だったら直接行って自分で見た方がいい。情報はない方が面白いからな」

なんだろう、すごく気になるな。

「危険はないんですよね?」

アーサーが恐る恐る聞く。

「もちろんだよ、ここの住人はみんな登って会ったことがある」

そこに関しては自身があるようだ。

「良かったです、ありがとうございます」

そうしてアーサーは一歩下がる。

終始アーサーちゃんに質問任せっぱなしだったね。

「ありがとう、店主さん。アーサーちゃんも聞きたいこと全部聞いてくれて助かったよ」

「いいってことよ」

「これが私の仕事ですから」


「じゃあそろそろ…」

そうしてハルとリリスを探して店内を見渡すと、

「ぬしよ!これはうまいぞ!」

「魔王様、これを見てください!」

リリスは試食コーナーを食べつくし、ハルはお土産の木刀を掲げていた。

「ええ!?何やって…すみません、お金払います」

「いいんですよ、お客さん。こんな辺境の地、人なんか全然来ないから楽しかったよ」

「すみません、帰りも転移するためによりますね」

「はいよ、道中お気をつけて!」

いい人だったな。

そうしてそのまま私たちは山登りをすることになった。

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