西の町
「もうすぐだね」
ハイドの魔法を使って私とリリスは角を、ハルは羽を隠して検問を待つ。
「なんだか落ち着きません」
ハルがそわそわしている。
「本当に消えてる。みんなからもちゃんと見えないんだね」」
「実際はそう見せかけておるだけじゃがな」
「そうなんだ」
連れてきて正解だったかも、すんなり通れそうだ。
「そういえばなぜもっと近い…言うなら王都へ転移したときの町から行かなかったのですか?」
アーサーが尋ねてきた。
「情報が欲しかったからね。それにそっちから行くと転移の許可が出るかわからないし時間かかってややこしいんだよ」
「なんじゃと!?もっと早く着く方法があったのか!余はなぜ…」
「利便性より確実性取ってるだけだよ」
「くぅ…」
そんなこことを話していたら私たちの番になった。
「次の方」
「すみません、天衝山近くの町への転移を使いたくて入りたいんですけど」
「転移ですか?申請さえすればすぐにできると思いますよ」
「ほんとですか!?」
これは思ったよりすぐに行けるかも、それに気づかれてない。
「はい、一応荷物の方だけ確認はさせてもらいます」
「どうぞ」
荷物を預け、軽く開けられる。
「…問題ありません、では魔族3名と人間1名で登録しますので」
「…え?まぞ…え?」
どういうこと!?角見えてる!?見えてないよね?
「あれ?違いました?魔王ですよね、王から話は来ていますので」
「な、なぜばれたのじゃ!完ぺきじゃったはず!」
「顔写真出回ってますよ」
そう言って1枚の写真を出してくる。
「私の顔!?それとアーサーちゃんとハルさんまで!」
隠蔽魔法とか関係なかったよ!
「それと私は見破る魔法が使えますので。大きな角がぼんやりと見えます」
「やめろ!見るでない」
リリスは頭に手を当てて後ろを向く。
なぜ顔を赤らめる…。
「あぁ、じゃあもう意味なかったわけか」
「意味ないわけありません!これはすごい…むぐ…!」
「ごめんアーサーちゃん、長くなりそうだからあとでね」
そう言ってアーサーの口をふさぐ。
「あの、何でもいいので入れるなら入りませんか?」
「あ、ハルさん、ごめん。ほら行くよ、みんな」
「はい…」「うむ」
割と騒いでいたので注目を浴びてる。
すみません。
「さて、無事入れたね」
「腹が減ったのう…」「情報が欲しいです」「武器屋があれば!」
各々がしゃべっているので何もわからない。
「はいはい、まずは宿だよ、ちゃんと休まない…と…」
そう言おうとして足が止まる。
「どうしたんですか?魔王様」
アーサーが心配そうに尋ねてくる。
「あの…あれ…」
「あれ?」
指をさした先、そこには、前に倒した猪と同じ機械を右目につけて歩いている四本足の犬がいた。
「魔王様、下がって!」
「なんじゃ、またか!」
そう言って各々が構える。
「ワン!ワン!」
そう吠えるがしばらく待っても襲ってはこない。
「え?」
よく見るとリードでつながっている。
「おお!?どうしたんだ!今日はよく吠えるな」
その先には男がいた。
ぱっと見てもただのペットに見える。
「えと、あの、すみません」
「どうしました?」
声をかけるが特に変な様子はない。
「あの…その犬の右目のって何ですか?」
「右目の…ああ!これはね、昔うちの犬が怪我をしてね、これを付ければどんなケガも不治の病だって治るっていう代物なんだよ」
「不治の病も?」
「ええ、西の方から流れてくるものみたいでね、みんな使っているよ。確か場所は、何とか山の鳥が住んでいるみたいな感じだったかな?」
顔を見合わせる。
「天衝山?」
「それだ!まぁ安全なものだから大丈夫だよ。うちの犬が悪かったね、それじゃあ」
そう言ってどこかへ行く。
よく周りを見ると確かにちらほらと機械を付けている動物が見える。
「どういうこと?」




