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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
不死鳥
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出発と物資調達

数日後、アーサーの体調が戻り、不死鳥のところへ行くメンバーの会議をすることになった。

例のごとく私、アーサー、四天王のメンバーである。

「というわけで今回の会議、魔王様の発言権は一番下になりました」

「え、あの、アーサーちゃん、それ初耳なんだけど…」

アーサーの言う言葉に驚きを隠せない。

トップの発言権一番下って意見できないのと同じなのでは…。

「今回はしょうがないです。甘んじて受け入れてください」

ミドリがため息をつきながら言う。

ぐぬぬ…。

「とはいえほぼメンバーは決まっています。魔王様、私、ハル様。王都に行ったメンバーと同じです」

「あれ?ミドリさんは行かないの?不死鳥のことアーサーちゃんと二人で調べてたっていう話だったのに」

「行きたいのはやまやまですが、自分には魔法石を調べなければなりません。3人が帰ってくるまでに何かしら成果をあげておきますよ」

仕方なそうに言うミドリ。

あぁ、私の腕のために調べるのが停滞していたのか、悪いことしたね。

「我も行きたかったのだがハルの部隊を見ると約束してしまったからな」

そういえばズメイさんのこと師匠師匠言ってたもんね。

でもそれハルさんの地位がどんどん下がっていくだけなのでは…。

「助かるズメイ。今回はどうやって振り切ろうか頭を悩ませていたから…」

「安心しろ!我が誰にも負けない部隊を作り出してやる!」

「ほどほどにしてやってくれ…」

ものすごく不安そうにしているハル。

なんとなくその気持ちわかるのがつらい。

「それでリッチーさんは…」

「はい、いつものように城の業務を行っておきます。お気になさらず」

毎回助かるよ。


その後アーサーが会議を取り仕切り、細々としたことを決めていった。

「これで全部ですね。では明後日出発となります。今日明日しっかりと休養を取って準備に取り掛かってください」

「「はい」」

これじゃどっちがトップかわからないね…。


2日後、門の前にて

「アーサーちゃん、準備はできた?」

「はい、いつでも行けます」

地図を見て転移先を調べている。

「えーっと…最初は魔境の西の端には行かないんだよね?」

「はい、物資や食料が心もとないのでまずは別で保存食などを保管している場所へ転移します」

なるほど、魔王城が壊された弊害が来てるのか。


「ハルさん!我々ハーピィ部隊、強くなって待っています!」

少し離れた場所でハルとズメイ、ハーピィ部隊がやり取りしている。

ハーピィ部隊を見ると頭の上がモヒカンみたいになっていた。

いやなんだあれは…。

「お前たち…その頭のはなんだ?」

「竜のトサカです!ズメイ師匠にならって竜に近づこうとしています!」

どう見ても鶏では…?

あとズメイさんはトサカついてないからね。

「いいやつらではないか!」

ズメイの言葉にハルはため息をついている。

大変だね。


そうしてやり取りが終わった後、転移陣を起動させ始めた。

「リッチーさん、ミドリさん、みんな。今回もお願いね」

「もちろんです」

「任せてください」

アーサーとハルが転移陣の上に乗る。

「よし、じゃあ、転移!」

そうして転移陣が光り、景色が変わっていく。

「うん、成功だね」

気が付くとその場所は大きな洞窟の中。

各場所に人が10人は入れる大きさのコンテナが10個置かれているようだった。

あの中に物資やら食料やらが入っているのだろう。

「どれがどれだか…とりあえず手分けして開けていこうか」

「わかりました」

そうして3人がばらけた。


とりあえず一番近くにあったコンテナの扉を開けてみようと試みる。

「これ片腕じゃしんどいね…」

レバーを下に下げると開くようだが片腕では力が入りにくい。

「く…この…うわ!」

体重をかけてグッと下げると勢いよくガシャン!と下がり体も持っていかれる。

「いったた…ん?え…なにこれ…」

そこには保管されていた食料が食い散らかされて放置されている光景が見えた。

「大変です!魔王様!ハル様!コンテナの中が荒らされています!」

「こちらも食料がありません!」

他のコンテナも同様のようだ、二人の慌てた声が聞こえて駆け寄ってくる。

「こっちもだよ!どういうことだろう…」

「誰かが勝手に入ったということでしょうか…?」

ハルの言葉にアーサーは考え込む。

「見つかりにくいようカモフラージュしていますし、魔王城の保管庫という立て看板もあります。それに週に1回は確認しているはずなのですが…」

つまりここ最近の出来事ということか。

「とりあえずみんなで一つずつ見ていこう」


そうして3人で6個のコンテナを見て回る。

やはりすべてのコンテナの中は荒らされているようだった。

そして最後の1個

「これで最後…」

ガサッ…。

「待って、誰かいる…」

耳を澄ますとやはりガサガサと物音が聞こえる。

しかし何をやっているかわからない。

「(私が突入します、二人は後ろで)」

ハルの提案に無言で頷き、いつでも魔法を打てるように魔力を籠める。

「3,2,1…」

バンと扉を開ける。

「動くな!」

そこには、

「うおあぁ!?な、なんじゃぬしらは!ここは余が見つけた楽園の地じゃぞ!」

そう、そこには前回魔王城で騒動を起こした張本人、脱獄した自称魔王、

パンくずをボロボロこぼしながら慌てるリリスの姿があった。

「リリス!?なんでここに!」

「ぬ、ぬしは…!しまった!謀ったなぁ!」

いや謀ったもなにも何もしてないのよ。

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