王者の腕輪
「どう?直りそうかな?」
私は海王に割れた王者の玉を渡して見せた。
ズメイは私の隣に、ロンギはフィギュアを並べ、シレーヌは掃除をしている。
「なるほど…」
海王は割れた王者の玉を机の上に置いた。
そして椅子にもたれかかって考え込む。
「海王さん?」
ゆっくりと息を吐き、口を開く海王。
「…割れたことに関してはしょうがない、修復も可能だ」
「ほんと!?だったら…」
「しかし時間がかかる。少なくとも残り1日半という期限では無理だ」
「…そっか。それはしょうがないね」
まぁそうだよね、直るという事実だけで私は充分だ。
そうしてこのアイテムなしの作戦に考えを切り替えようとする。
「話はまだ終わっていない。回数制限はあるが、割れていても動く可能性は高い」
「本当か!?」
私ではなくズメイの方が海王にずいっと詰め寄った。
「ほ、本当だ。割れてはいるがまだ魔力が籠っている。数回程度なら起動するだろう」
「割れた分も我が穴埋めをするので問題ない!期待していてくれ!」
ズメイさんが前向きに戻った。この切り替えは見習いたいね。
「それで、7つ揃ったけどどうやって使うの?」
全部持って魔力込めるとかだったら普通に落としてなくしそう。
ビー玉より少し大きいくらいの大きさだし。
「少し待て」
そう言って立ち上がり、棚から装飾がいっぱいついている豪華そうな箱を取り出して持ってきた。
「これに王者の玉をはめろ」
上蓋をガポッと外して開ける。
「これは…腕輪?」
7つ何かがはまりそうな金色で大きめの腕輪が出てきた。
「王者の腕輪という。覇王の腕輪と対になるものだ」
「王者の腕輪…」
取り出して見てみるとずっしりとした重量感がある。
「腕輪自体はなんでもいいらしいのだがな。王者の玉をはめて腕輪に魔力を籠めれば発動する。持っていくがいい」
「ありがとう、海王さん」
パチパチと一つずつはめていく。
「割れているものは…接着剤でもつけておけ」
そんなんでいいの!?
「これは難しいでござるな」
気が付いたら割れている王者の玉をロンギさんがパズルし始めた。
自由か!
「次は作戦…おっと」
「むっ」
ふらついたところをズメイさんが支えた。
「王都から帰ってきて動きっぱなしだろう、時間まで休め」
「海王さん、でも」
「迷惑だと言っている。それに幸いまだ1日半ある。どうせ突入はギリギリのタイミングだ。休息に使うのが一番だろう」
確かに王都でも王都から帰ってからもずっと動いてる気がする。
魔功砲のダメージもまだ治ってないし。
「わかった、じゃあ時間まで休ませてもらうね」
「エルクルちゃん、こっち」
シレーヌに連れられて私は部屋を退出し、休むことにした。
「よし!」
王者の腕輪をはめると自動的に腕にフィットするよう調整がされた。
王者の玉が7つキラリと光る。
目の前は魔王城。
倒すべき宿敵がいて私が帰る場所だ。
右にはズメイ、ロンギ、左には海王。
後ろにはハルさんの部隊であるハーピィたちがいる。
「準備はいい?」
それぞれがうなずき、笑う。
「私たちの城を取り返しに行くよ!」




