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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
魔王リリス
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最終試練と帰還

「ヴオォォォォォ!!!」

「ひいぃぃぃぃ!!」

「ぬおぉぉぉぉ!!」

ゴーレムが腕を振り回しながら追いかけてくるのを私たちは脱兎のごとく逃げている。

「海王さん!あれ何とかならないの!?」

「無茶を言うな!先ほどの全力アイスエリアで魔力をほとんど失っている!」

50メートルを一瞬で凍らせるのは奥義並みでほぼ全部の魔力を使い切るほどだったらしい。

なんてことだ。

「魔王!あれを破壊できる威力の魔法はないのか!?」

「どっちにしろ魔力が足りないよ!」

私も第1の試練でそれなりに魔力を消費してしまった。

攻撃はできるけどあれを破壊は無理だろう。

そして正直に言うと戦いにおいて魔法が使えない私は何の役にも立たない。

ドォン!とすぐ後ろをゴーレムの手がかすめた。

「ひぇ!殺意しか感じないよ!どうしてこうなるのぉ!?」

「私の先祖に言ってくれ!」

魔功砲なら何とかなるだろうけど周囲の魔力を溜める時間もないし私の体が壊れる未来しか見えない。

こんなのどうしろっていうんだ。


そうして逃げているが、私たちは部屋の角に追い詰められた。

「もう逃げ場ないよ!?」

「ここまでか…」

ゴーレムが右腕をあげ、振り下ろそうとする。

「あ、あ、アイスエリア!!」

残った魔力で腕を止め、一か八か凍らせる。

「魔王!少ししかないが私の魔力も!」

バキッ!バキッ!と腕の動きが鈍くなるが止まらない。

そしてゴーレムは左腕も上げた。

「左手ぇ!?もうこれ以上は無理!」

振り下ろそうとしたその時、


「鉄拳・制裁!!」


ドゴォォン!!とゴーレムの腹が急に破裂しだし、崩れていく。

「え!?なに!?なに!?」

混乱して凝視していると、ゴーレムの後方から誰か人影が見える。

「あんたまた迷惑かけおって…」

ゆっくりと歩いてくるその姿は海王の奥さん、シレーヌであった。

「シレーヌ!?どどど、どうしてここに!」

海王が目が飛び出すほど驚いている。

「ここの鍵間違えてもっていっとったやろ、やから届けに来たんやけど…」

と、その時ゴゴゴ…とゴーレムは完全に破壊されておらず上半身だけでシレーヌに襲い掛かろうとしている。

「シレーヌさん!危ない!」

しかしものともせず

「掌撃!!」

アッパーカットで完全に破壊を成し遂げた。

「えぇ!?」

目の前の光景がよくわからない。

素手で10メートル級のゴーレムを…。

『最終試練達成、おめでとうございます』

そんなアナウンスとともに笑顔でこう答えた。

「間に合ってよかったわ!」

この人が魔族最強なんじゃないだろうか…。



「いや!何はともあれよかったよかった!」

そう言う海王さんの顔はシレーヌさんのビンタでとんでもないことになっている。

これどこが口だ…?

「ごめんなぁ、このバカが」

「いや、でも助かりました。シレーヌさんあんなに強いんだ」

どうしたら素手で倒せるんだろうか…。

「評価してくれるのはうれしいけど、うちのは弱いポイントを撃ってるだけやしな。そこさえ見極めればエルクルちゃんにもできるよ」

だとしてもそれを見極めるのも懐に潜る度胸も私にはないよ…。


「とにかく!王者の玉を取ろうではないか!」

どっちが前かわからないほど顔が腫れた海王さんが意気揚々と玉を取りに行った。

「ふぅ…これで…」

王者の玉を取った瞬間、

『第2試練にて不正発覚、火山の噴火を開始します』

「…え?」

急に地面がゴゴゴゴ!と揺れだす。

「なんやこれ!?」

噴火って言った!?これ、ちょっとどころかかなり…。

「私のアイスエリアで時間を無理やり延長したからではないか!?」

そうか、あれで3秒伸ばしたから不正って…。

地面から煙がシュー!と吹き出し始めた。

「逃げるでえぇぇ!!!」

「また走るのぉ!?」

「うおおぉぉぉ!!」

来た道を駆け抜けて戻っていく。

気温もどんどん暑くなり始めている。

第2の試練の部屋も通れる隙間はギリギリあるが炎やマグマが噴き出している。

これ火山の炎使ってたのか。

そして試練の間から抜け出した時、

ドオォォォォ!!と後ろの方で噴火が始まった。

「す、水温が!!」

思いっきり走っているが水温が上がっていく方が早い。

これ私耐えられないかも!

そうしているとグイっと前に引っ張られる感覚がした。

「うわ!なに!?」

見ると私と海王は巨大なイカに巻き付けられてものすごいスピードで進んでいた。

「超特急や!しっかりつかまるんやで!」

「シレーヌさん!」

シレーヌさん巨大イカフォームだ。

「熱!」

どんどんと進んでいくが水温はまだ上がっている。

「すぐのところだ!急いでくれ!」

「わかってる!」

一直線に火山から離れている。

「もうすぐ…。よし!転移するぞ!戻れ!」

海王の声でシレーヌが元の姿に戻る。


「転移!!」

巨大な魔法陣が私たちの下に現れた。


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「1001…1002…」

「魔王氏、遅いでござるなぁ…」

ズメイが筋トレ、ロンギがソファでくつろいでいると

ドンガラガッシャーン!と仕事部屋からとんでもない音が聞こえてきた。

「何事だ!?」

「どうしたんでござるか!?」

バンと扉を開ける。


そこには頭が下でお尻が上になって丸まっている私、フィギュア棚に頭を突っ込んでいる海王、壁に背を向け座り込んでいるシレーヌがいた。

「た、ただいま…」

ある意味これは芸術的だね。

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