会議2 王者の玉
「次は…腕輪かな。あれを何とかしないといざというときに絶対に負ける」
「腕輪?どういうことだ?」
海王とロンギがまた首をかしげている。
「あ、そうか。いなかったから知らないんだね。実はあの子、覇王の腕輪を持っていたんだ」
覇王の腕輪。
私が魔王として転生したときにも腕についていたもので、みんなに迷惑をかけた代物だ。
「覇王の腕輪!?魔族であれば強制服従となるあれか?」
「うん、それをあの子は持っていた。四天王全員で向かおうとしてそれを使ったの」
「うむ、手も足も出ないとはこのことだ!」
ズメイさんが笑いながら答えた。
今の状況にこの不屈さはとてもありがたい。
「魔王氏!使われても拙者は突撃しますぞ!早く行きましょうぞ!」
ロンギさんが意気揚々と手を挙げている。
「無駄死にだからほんとやめて」
ほっといたらほんとにやるだろうからだれかストッパーいないかな…。
勇敢と無謀は違うことを学んでほしい。
「しかし、魔王も持っていたのではないか?あれを持っていれば対抗することもできるだろう?」
海王が聞く。
「あ、ごめん。私のは粉々に壊しちゃった」
「どうして壊してしまったでござるかあぁぁぁ!?」
ロンギさんがうるさい。
「私には必要ないものだから」
転生して1週間くらいで自分で壊したけど後悔はない。
ああするのが一番よかったんだ。
「それより対抗策だよ。魔王である私と人間であるアーサーちゃんは効果がなかったからそこを突破口に腕輪自体を壊せればいいんだけど」
「…少し待て」
そう言って海王さんは部屋から出て行った。
急にどうしたんだろう?
5分後、海王は丸くて青い小さな球を持って部屋まで戻ってきた。
「海王さん、それは?」
「これは王者の玉。魔王への対抗手段として代々受け継がれてきたものだ」
ん?それだと私も討伐対象に含まれるアイテムになるんじゃ…。
「言い伝えだと縛られていた魔族を開放するものといわれている」
あ、よかった。私討伐されなさそう。
「つまりこれさえあれば覇王の腕輪に対抗ができると?」
明るく言った私に対して海王は難しい顔をしている。
「言い伝え通りならおそらく…。だが問題がある」
「問題?」
「これは1つでは機能しない。7つ、各地に散らばった王者の玉が必要だと言われている」
ド〇ゴンボールかな?
でも理解した。
「つまりあと6つ必要なんだね。そしてあと3日じゃ…」
「そうだ。1つはすぐ取りに行ける場所にあるがあと5つは…」
集めるのは到底無理ということか。
「しかし、そういう手段もあるということを知ってほしかった」
ありがたい、知っておくのは重要だ。
海王さんが協力してくれて本当に良かった。
「ちなみにほかの6つってどこにあるかわかったりするの?」
「ここに王者の索石というものがある。その玉を探す石だ」
ドラ〇ンレーダーもでてきちゃったよ。
「起動してみるか?ほかの現在地もわかるはずだ」
「お願い」
海王が索石に魔力を込めると石が光った。
「光ったぞ!」
「なんでござるか?」
筋トレしていたズメイさんとシャドウボクシングをしていたロンギさんもそれにつられて集まってきた。
この兄弟、似てるのか似てないのか…。
そうしていると王者の玉も青く光り始める。
「幻想的な光だね」
「そうであろう」
そうして索石を凝視する。
「ん?なんだ?壊れているのか?」
どの場所にあるかを見ているその顔は難しい顔をしていた。
「どうしたの?」
心配になり私も手元をのぞき込む。
そこには小さな点が5つ、中央の1か所に固まっているのが見えた。
どういうことだろう、同じ場所に5つ王者の玉があるって誤認識してる感じかな?
魔力をさらに入れたり振ったりしている海王。
そうしていると、
「何でござるか!?」
ロンギさんが慌てだした。
見るとロンギさんの全身が光っていた。
え、なにこれ?
「ロンギ、懐の中にあるものが光っているのではないか?」
ズメイがロンギの胸辺りを見ながら言う。
ロンギは慌てて胸のポケットから黄色、緑、紫、橙色の4つの光っている玉を取り出した
「これは拙者が各地で集めているきれいな石で…」
「王者の玉じゃないかあぁぁ!!!」
海王さんが叫びだし、私はあんぐりと口を開ける。
何だったんだ。
いや、何で持っているんだ…。




