リリス登場
「あの旗…城を取り返したら魔王様もやりましょう」
「嫌」
目がキラキラしているハルの提案を断る。
「最高の絵師を探し…」
「絶対嫌」
しかも文字じゃなくて私の絵を描こうとしてる。
しょんぼりとするハル。
こんなので落ち込まないでほしい。
「あの子供のような旗は私が責任をもって書き直すとして、今は魔王城に入りましょう!」
「そうだねアーサーちゃん、行こ…ん?」
あれ、なんか今書き直すって…?
「早く行きますよ!」
「あ、うん」
まぁ後でいいや。
「誰もいない、それに…」
魔王城が思ったよりきれいだ。
暴れたというから大がかりな修繕が必要かと思ってたんだけど。
そんなことを考えているとバサバサと何かが目の前を通っていくのが見えた。
「魔王様!」
ハルが前に出る。
「ありがとう、大丈夫だから。…コウモリ?」
そう言ってよく見渡すとあちこちにコウモリがいるのが見えた。
「この数…どういうことだろう?」
「そういえばやつが現れてからコウモリをよく見ます」
お供のゾンビが答えた。
「…もしかして眷属かな?」
「もしそうであれば私たちはすでに襲われているはずです」
ハルが警戒しながら答えた。
何か嫌な予感がするね。
そうして進んでいく。
「みんなはどこにいるんだろう?」
「そうですね…地下が怪しいかと。あそこであれば広いですし拘束場所として申し分ないと思います」
スケルトンが考えながら答える。
「アーサーちゃん、お願いできる?」
「はい、見てきます!」
「何かあったら念話を飛ばして。敵に会ったら一目散に逃げること、いいね?」
「ふふっ、わかってますよ」
そうして二手に分かれて探索をし始めた。
「まぁ探索といってもこの魔力の感じ…」
「はい、玉座の間ですね」
ニチレンさんに探知の魔法を教えてもらい、魔力が駄々洩れの場合であれば私たちは探知ができるようになっていた。
この魔法かなり便利だね。
二人で進んでいき、玉座の間に到着する。
そしてドアの前に左右で待機した。
「うん、そうだね。多分この先にいる。準備はいい?」
ハルがこくりとうなずく。
「じゃあ行くよ、3、2、1…」
バン!とドアを思いっきり開けて入る。
「ここは私たちの城だよ!みんなを解放…」
「あー、そこそこ、もうちょい右…」
コウモリたちが角が生えてる金髪長髪幼女の背中を飛び跳ねてマッサージしていた。
「だからもうちょい…ん?うぬお!?なんじゃぬしらは!?どこから入ってきおった!」
全部こっちのセリフなんだよそれ…。
「私たちは…」
「あー、待て待て。やり直させろ!もっとかっこいい対面がいい!」
何言ってるんだろう…。
「はよ出ていけ、すぐ準備する。いいというまで入るんじゃないぞ!」
ハルと顔を合わせ、一度退出する。
「(机を片付けろ!あ、待て、お前はそっちだ!そこは余の場所だ!)」
そんな声がしばらくの間聞こえる。
「…よし、いいぞ!」
許可が出たようなのでドアをガチャリと開けた。
玉座の前で右手を差し出しながらポーズを決めて立っている幼女が見えた。
「よく来たな勇者よ!余の名前はリリス!そう簡単に余を倒せると思うなよ!」
なんだこの魔族…。




