間章「――システムエラー」
私、アーサー、四天王全員、ケンタウロスの長ケイロンというメンバーが地下の牢獄にいる。
私たちは今、封印したケンタウロスの1頭を出そうとしている。
突然光って手におえないほど強くなり凶暴化するような事象。
どう考えてもおかしい、普通では考えられない。
何か理由があるはずだ。
だから一度安全な状態で開放をしてみるという結論に達するまで時間はかからなかった。
「準備はいい?」
「再封印準備よし、結界よし。はい、それでは行きますね」
全員に緊張が走る。
「開放」
アーサーがそう唱えると魔法石が光り、その光が再封印用の魔法陣の上に移動する。
「構えろ!」
ズメイが叫ぶと他のメンバーも警戒する。
しばらくすると魔法陣の上に一頭のケンタウロスの姿が現れた。
その姿は白目をむいていて口は半開き、1ミリの動きがない奇妙な光景だった。
静寂。
誰もが息をのんだ瞬間、それは起こった。
急にケンタウロスの顔がカクカクと上下左右に動いた。
どう見ても生き物じゃない、何かに動かされているような…。
「エ、エ、エ、エラー、プ、プロ…プロ……ムを…ます」
機械のような声を出し、何かを言っている。
「これは…」
「重大な…ラーを……終…ます」
「なんだ!?どうしたんだ!?」
ケイロンが恐る恐る歩み寄っていく。
「待て!近づくな!」
しかしケイロンは警告を無視する。
「止めないでくれ!私の同士なんだ!」
手を伸ばしていく。
「お前…一体…!」
そしてケイロンがケンタウロスに触れる寸前、急にビクンと跳ねて、体全体から煙が出てくる。
それを見た瞬間、ケイロンは恐ろしくなり手を引っ込め、触るのを躊躇した。
全員が動揺していた。
誰も動かず何が起こるのかを待っていた。
1秒が10分に感じるような時間が経過し、その目はゆっくりと開かれた。
「あれ?ケイロンさん?」
辺りを見回す。
「え…魔王様!?四天王の皆さんまで!」
先ほどのこと、それどころか狂暴化のことまでも何も覚えていないようだ。
「お前…元に…?」
「元?」
全員顔を見合わせる。
「一体何があったんですか?」
私たちは…世界の根幹に触れていた。




