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黒歴史ver1

作者: 黒歴史

初投稿ですので細かい点は目をつぶって楽しんでいただけたら幸いです。

いつも通りの日々だった。

いつもと同じ朝、いつもと同じ布団、布団から出て「とりあえず顔を洗おう」と呟いて僕は洗面所に行く。

これもいつもと同じルーティンというやつだ。

蛇口というほど不格好ではないそのハンドルをひねって水を流す。

そして僕はきずいた。

鏡に映っている今まさに顔を洗おうとしている人間の顔を知らないのだ。

何をお前は言っているのだと思うかもしれないが、しかし一番驚いているのは紛れもなく僕なのだ。

よく考えてみれば鏡に映っている顔どころか僕はこの家を知らない。

いやそれどころではなく、自分の名前すら僕はわからないのだ。

もしかすると、いやほぼほぼまぎれなく記憶喪失というものだろう。

人間というやつは案外簡単に記憶をなくすのかもしれない。

いやしかし、ならばなぜ僕はこの家の間取りを覚えているのだろうか。

考えれば考えるほど泥沼にはまっていく気がして仕方がない。

まさかこれが今はやりの異世界転生などではさすがにないと思う(というか思いたい)が兎にも角にも僕自身の記憶がないというのはほとんど確定しているようなものだろう。

ならばすることは単純である

僕自身の身分を確認することだ。

何も、難しい話ではない。この現代社会で身分証明書などを持っていないほうがまれなのだから。

そうであれば話は簡単である。

僕自身の鞄なりなんなりをあさればいいだけである。

少なくとも僕自身の名前と残金ぐらいは把握しておきたい。

探し始めたらというか探す間もなく鞄の見つけた。

枕代わりになっていた。

どうやら僕は相当杜撰な人間なのだろう。

とにかく鞄を見つけたのは変わりない。

早速鞄を開けて中身を外に出す。

これまた簡単に財布を見つけた。

中には免許証と消費者金融のカード、そして

現金が約5、6千円入っていた。

どうやら僕という人間はそうとう金にダメな人間らしい。

そして本命の免許証である。

普通二輪の免許証だった。

僕の年齢は19歳、そして名前は...

大体わかったがここから先何をしたらいいかわからない。

当たり前のように布団の横に置かれている携帯をとる。

どうやら今の時刻は9時26分そして月曜らしい。

さすがにロックがかかっていてそのパスワードはわかるわけないので後回しである。

しかし何もできないと思ったが幸運なことにラジオが置いてあった。

つけてみるとちょうどニュースがやっていた。

そしてそこで流れていたのは昨日の夜東京市内のコンビニに強盗が押入り現金五千円を奪って逃走したと少し無機質な声がそう読み上げていたげている。

正直な話馬鹿だと思ったが今はそれどころでなく自分のことが最優先である。

しかしながら本当に次は何をしたらいいかわからない。

もう一度鞄の中身を確認しようと思いついさっき床にぶちまけたそれを確認する。

ちょうどその時ラジオが凶器について言及していた。

どうやらその犯人は包丁を使ったようだ

...

そうまさしく僕が今手に持っているような包丁を。

僕はすべてを察した。

何もおかしな話ではない過度なストレスで記憶が飛んだとかそんなオチだろう

携帯を持つ

そもそも電話をするだけならロックを解除する必要はない

しかしパスワードはもうはっきりと思い出せる

震える手でロックを解除し電話帳を開くそして震える手で...

案外すぐすぐ近くでサイレンが鳴りインターホンが鳴る

記憶はもう完全に復活している。

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