大人と友達
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失礼ながら皆さん友達はいるだろうか。
私のことは……まぁとりあえず一旦、聞かないでおいてもらいたい。
今から二年ほど前であろうか。
中学時代からの大親友は、ことあるごとに私に話を聞いて欲しいと連絡をくれていたのだが……恋人が出来、結婚が決まった途端に私への連絡がパタリと止んだ。
きっと話を聞いてくれる伴侶が出来て、私への用が無くなったのであろう……是非、末永く幸せになって欲しい。
しかし、私にはもう一人、オンラインゲームがきっかけで出来た友達がいるのだ!
この友達、とっても優しくてとってもいい人なのである。
ということは……察しのいい人なら勘付いているかもしれないが、私以外にも仲の良い人がそれはそれはいーっぱいいる。
私には今となってはたった一人の友達だが、相手にとって私はたくさんのうちの一人という訳で。
……昔見たアニメ『ギャグマンガ日和』の主題歌の歌詞、「わたしとあなたは友達じゃないけど わたしの友達とあなたは友達」。
この歌詞が、ふと思い出される度に心の柔い部分に刺さるのである。
ところで、大きくなってからの友達作りとはどうしてこんなに難しいのであろうか。
なんとかちゃんあーそーぼ、いーいーよ……では済まない。
関係性は複雑怪奇だし、大人になってからの遊びって何だか難しいし……
どうでもいい話だが、先日一つ下のいとこに「普段どんなことして遊ぶの?」って聞いたら、「海辺をドライブとか」って言われて私の思考は一瞬宇宙へ飛んだ。
ゲームとかじゃないんだ……一緒に絵描いて遊ぶとか、好きな漫画の話するとかじゃ無いんだ……嗚呼、なんて大人なんだ。
ほろよい一缶でベロベロに酔って頭痛で寝る私には、大人の世界は難し過ぎる。
そうして、やっぱり一人が気楽でいいよね! と今日も強がって見せて……分厚い冬用布団にくるまる。
……布団だって温かいものの、やっぱり人の温もりが、人の存在が恋しい。
心の声をどちゃどちゃ漏らすと……本当は私と同じで小説書いてたり、創作してたり、趣味や感性が似てたりするような友達が欲しい!
なんかよくXとかで見かける、通話しながら創作活動してたりするのとかめちゃんこ羨ましい! 私、電話苦手なくせに!
関係ないけど、私の姉ちゃんがネットで知り合った友達複数人と定期的にTRPGとかしてるんだが、あれは一体どうやったらそんな関係になれるんだ! 教えてくれ!
……そんな風に思ってしまう自分が、またちょっと憎らしい。
一匹狼で大丈夫な、かっこいい人になりたかったのに……現実って非情である。
大人になるって難しい。
人間関係って、友達って難しいけど……きっとだからこそ求めて、だからこそ大事にするんだろう。