ペット愛おしい
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うさぎがっ! かわいいっ!!!!
世界一かわいい。飼い始めてからすっかり狂ってしまった。
あまりに親馬鹿なので家族にも呆れられている。
ちなみにクサガメも四匹飼っている。亀もかわいい、世界一かわいい。
今は冬眠中だが、外の温度が下がりきらないので苦労しているようだ。
世界よ、亀のために寒くなってくれないか。
さぁ、そんな私だが昔はそんなに動物好きでは無かった。
テレビなんかを見ていると、犬に顔をべろんべろんに舐められている人等が出てきて……ぶっちゃけ何がいいんだと思ってた。
だって涎だ。涎を擦りつけられているのだ。
でも、舐められている本人たちは満面の笑みなのだ。当時の私には理解出来なかった。
今ならわかる。舐められるのめちゃくちゃ嬉しい。
もーやめてよーなんか言いながらもめちゃくちゃ嬉しい。
言葉を持たない動物の、最大限の愛の表現が舐める、なのである。
大好きだよーと言ってくれているのだ、こんなに幸せなことは無い。
あと涎だがあれは涎では無い。ただの涎じゃない、めちゃくちゃ愛おしい存在の涎だ。
家のうさぎが鼻なんか舐めてくれようものならもう狂喜乱舞である。
「鼻舐めてくれるのー⁉ ありがとー! 私も大好きだよー!」
……こう返すしかない、選択肢なんて一択だ。
ちなみにあまり綺麗な話では無いが、うさぎは食糞という習性を持っている。
食べる糞と食べない糞の二種類があって、食べる糞を食べてちゃんと体に取り込むことで必要な栄養を得ているのだ。
糞を食べているところを見て、「食べてるの? えらいねー! かわいいねー!」と褒められるのはうさぎくらいだと思う。
……ということはつまり、糞食べてから顔を舐めてくれることもあるのだ。
常人では耐えられないのではないのだろうか。
ちなみに私は大丈夫である、なぜなら大好きだからそれくらい耐えられる。
鬼滅の刃の炭治郎は長男だったから我慢できたが、私は逆に長男だったら我慢できなかったかもしれない。
うさぎを飼い始めてから、犬もネコも鳥も馬もその他諸々全部可愛く見えるようになった。
うさぎのおかげだ、何でこんなに愛おしいのだろう。
ふわふわだから? 目が大きいから? 耳が普通のうさぎより短いから?
違う、きっと全力で愛をぶつけてきてくれるからだ。
言葉はわからないが、めちゃくちゃ私のことを好いてくれていることはわかるのだ。
触っても逃げないのだ、撫でて欲しいと頭を下げて来るのだ。
そんなのこっちだって全力で愛をぶつけ返すしか無いじゃないか。
そんな日記を書いていることを知ってか知らずか、うさぎはとなりでポリポリとペレットを食べている。
うさぎ、キミのおかげで生きる屍だった私は少し人間らしくなれた。
世界一愛してる。だからもっと草も食ってくれないか。
ケージは噛まないでくれないか。あと朝、騒音で起こすのもやめてくれないか。
……やっぱり健康でいてくれたらいいよ、世界一愛してる。