恋とはかくも儚いものなり
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今日は私に同性の恋人がいたときの話をしよう。
ただ……多分みんながあまり気になるような部分では無いと思う。
甘酸っぱくてほろ苦いような、幸せな話をするつもりは一切無い。
私の元恋人は……それはそれはヤキモチやきだった。
それに加えて、相手の性別関係なく恋愛感情が持てるタイプだった。
さぁもうわかるだろう。
私の人間関係全てに超弩級のヤキモチをやいた。
男だろうが女だろうがそのどちらでも無かろうが関係ない、人間というだけでアウトである。
すると少しずつ、友達が居なくなっていく。
仕舞いにはアイドルとかを「かわいいね」「かっこいいね」と言ったらアウトであった。
そのような状況だが、相手にはもちろん友達がいっぱい居た。
私にも好き放題、同性異性関係なく友達の話をして来たし、好きなアイドルなんかも居た。
ただ私はそういうのは気にしなかったので何も言わなかった……多分そういう態度がさらに相手のヤキモチを加速させた。
今思うと……きっと私は元恋人と同じ気持ちを持っていなかったのだと思う。
告白してもらって付き合ってはいたものの、触りたいとか、独占したいとか、そういう感情はほとんど無かった。
もちろん、大切だとは思っていた。ただ、それ以上では無かったのだ。
相手も何となく気付いていただろう、だからこそもっと目を向けて欲しかったのだと思う。
申し訳ないことをしてしまったと反省している。
相手はどんどん私の人間関係を縛るようになっていった。
私はどんどん疲弊していった。
長い期間付き合っていたので、気付いたときにはもう私の友達……いや、家族以外で話せる相手は元恋人だけになってた。
そして忘れもしない、元恋人と遊園地に遊びに行ったとき。
イルミネーションが綺麗な夜のパーク内。
薄暗闇なら周りから気付かれないだろうと、相手が手を繋いで来てくれた。
……本当なら喜ばなきゃいけないところなのに、私は、それがすっごく嫌だと感じてしまったのだ。
そして数日後に別れてもらった。
もちろん、楽しかった思い出もいっぱいある。
しかし、特別になるというのは、特別にしてもらうということはなんて難しいのだろう。
愛だの恋だのは本当に麻薬のようだ。
世の中の歌の大半がそのことを歌っているのにも納得だ、それほど人を狂わせる。
私と元恋人は、元々とっても仲の良い親友だった。
毎日話しても飽きなくて、楽しくて、年老いても一緒に居られると思ってた。
でも、恋になってしまって……壊れて、今では連絡も取れなくなってしまった。儚いものだ。
なんだかしんみりとしてしまった。
皆さん、もし大事な相手がいるのならヤキモチはほどほどにしてあげた方がいい。
それと同時に……ほどほどにヤキモチをやいてあげた方がいい。
それが多分、特別な関係でいるために必要なことなんだと思う。