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次の街へ出発でしたーホットレモネード、アクアパッツァ、パエリア、サラダ

 突然、次の街へ行けることになった。他の街の権力者から要望があったらしい。


“流行り病が流行っているから、食の女神にこちらの街にも来ていただくようにお願いできるか?”


 おかげで、あっさりと次の街に行けることになった。なんと、海の街だ。新鮮な海の幸に綺麗な海……楽しみすぎる。



 結構神として拝まれたからかたくさん食べたからか、私の身長も130cmほどになった。


 これならギリギリ見た目幼女は脱出できたはず!



「ミハ様のお力の魅力であの街から出れなくなっていましたが、ミハ様のお力のおかげで初めて行く街に行けます」


 楽しみです、とリクは嬉しそうだ。






ーーーー

「すごい!」

 次の街への移動は、その街の権力者からの依頼だったからか、ドラゴンに乗せてもらえた。


 ジェットコースターは苦手だったけど、ドラゴンは違った。何の力かわからないけど、ドーム状に座席部分が守られていて、虫がぶつかったりもしないし、風もふわりとたまに吹く程度で疾走感もそこまで感じない。あえて例えるのなら、安定飛行しているジェット機のようだ。


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとこわいですね」

 初めて飛行するというリクは必死に座席を掴んでいる。




 さすがドラゴン。体感では15分もかからずに着いたようだ。ふわりと地面に着地してくれる。ありがとう、と呟くと小声でぐぉーと言ってくれた。



「お待ちしておりました。食の神様」

 跪く権力者たちに迎えられ、海の街に着いた。

 塩の香りがどこか懐かしい。



「ミハ様。失礼しますね」

 リクにひょいと捕まれ、ドラゴンから下される。脇の下に手を入れて運ばれるとか完全に幼児……。しゅんとしてしまう。


「しょ、食の神様!? 何か不都合でもございましたか?」


「大丈夫です。早速状況をお聞かせください」


 私のしょぼんフェイスで街の権力者たちを動揺させてしまったようだ。


「同じ船に乗って出て行ったものが、このようになってしまっておりまして……ただ、船ごとに同じ症状が出ている船と出ていない船がありますし、街に残っている民にも同じ症状が出ている者がおります。食の神様のお食事を与えていただけたらと思いまして……」


「なるほどです。突然このような症状が現れたんですか? 今までこういう症状になる人はいなかったんですか?」


 身体から出血している者たちや古傷が開いてしまっている者たちが1箇所に集められて呻いている。

 感染症を疑っての隔離措置が取られているのだろうが、もう少し清潔にしないと逆に病気になる気がする。

 食事を考えるにしても情報が欲しいと思って聞き出すことにする。海の幸を使った料理を作りたいと思っていたけど、食べやすいものを考えようと思う。


「数年ほど前に1人いたと思います。 おい、あの野菜嫌いですごい偏食だったじいさん、同じ症状で亡くなったよな?」


「そうだった気がします。野菜といえば、最近この街では全然野菜が取れなくて……」


 船乗り中心? ビタミン不足? なんかそんな病気無かったっけ? 名前なんて覚えてないけど。


「では、あたたかいレモネードとアクアパッツァを作りますね。あ、パエリアとサラダも作っておこうかな?」


 人前でキッチンに戻る勇気が出ず、部屋を貸してもらうことにした。キッチン付きの部屋からマイキッチンへ向かう。リクには一応部屋で待っててもらって、キッチンに行く姿を誰にも見られないか、見張りをしててもらう。





 レモンシロップ作りも魔法で簡単にできるのかな? 氷砂糖と輪切りレモンを交互に積み重ねて……はちみつをかける。シロップになれと魔法をかけるとシロップになった。そのまま少しおいておこう。


 レタスをちぎって、トマトときゅうりをスライスして、冷蔵庫で冷やしておく。ドレッシングを作るために、オリーブオイルとレモン汁、塩とガーリックにブラックペッパーをよく混ぜる。混ぜるのは魔法にお願いします。


 オリーブオイルときざみにんにく、玉ねぎ、米を炒めて全体的に透明になったら、鶏肉も炒めて、そこに白ワインとコンソメ。じっくりコトコト煮込んで作って冷凍しておいたコンソメ。そこにトマトジュースとカットトマト、こっそりお醤油とみりんをたらーりとして、海老とあさりも加えてコトコト煮込む。あさりの塩抜きも魔法だと完璧で一瞬で感動……。


 きざみにんにくでオリーブオイルに香りをつけたら、いい匂いーじゃなくて、もらってささっと捌いた白身魚を皮目を下にして軽く焼く。そこにあさりとミニトマトを加えて、白ワインとお水を入れてコトコト。塩胡椒で味を整える。


 大体全部終わったから、レモンシロップに温かいーー熱すぎるとビタミンに良くないらしいからほどほどーーお湯を入れて、これで完成。




「どう? 大丈夫だった?」


「一度覗きに来られましたが、今調理中でお見せできないってお伝えしたら帰っていきました」


「じゃあ、食材を渡しに行こう」





ーーーー

「ありがとうございます。これで皆助かると思います」


「レモネードは一応毎日持ってきます。他にも何かいい食材が手に入ったら作ります」


「じゃあ、神様にお捧げしないといけませんね」


「あと、みなさん感染症ではない可能性があると思うので、こちらをとりあえず食べさせてあげてください。食べれない人はレモネードだけでも」


「わかりました」




「なんだこれ? 美味しすぎるぞ!」

「力がみなぎる……」


 神の力はすごいらしく、約半数の人が回復したらしい。ビタミン入れって念じたからかな?

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