潮干狩りパーティーでしたーあさりの酒蒸し、蛤のバター醤油、あさりのお吸い物、生牡蠣
「ねぇ、リク! 泥パックのことはあっちに置いておいて、潮干狩りの季節だよ!」
「しおひがり……? なんですか、それは」
「え、通じない? うーんと、海岸の砂とか砂利を掘って、貝を集めるやつ?」
「あ! 貝掘りですね! このあたりでは貝集めとも言うらしいですが」
「なるほど、それ! やりに行って、貝のメニューたくさん食べよ!」
「……」
「あ、ありましたよ! ミハ様」
「……」
「こっちにも、大きいですね……蛤ーでしょうか?」
「……」
「あ、ここには牡蠣ーがありますよ!」
「全然ないよ!」
「ミハ様。この辺りを掘ってみてください?」
「あった! 忖度された気がするけど、あったよ! アサリ!」
「よかったですねぇ」
「あ、カニ! 捕まえる?」
「ミハ様、今日は食材がこんなにたくさんありますよ?」
「それもそうか」
リクと二人、ひたすら貝を集めて帰宅した。先輩は、“日に焼けそうなことはパスするわよ”って言って、どこかへ出かけて行った。
「じゃあ、キッチンに行こう!」
砂出しも魔法でできるかなと思ったら、一瞬で処理できたらしい。砂が残ると嫌だもんね。砂出しには現地の海水が一番いいって言うけど、魔法が一番だったよ。ついでにピカピカに洗われた。魔法すごい。
あさりの酒蒸しを作るために、フライパンにアサリを入れて、出汁と酒とお醤油少しを入れて火にかけ、蓋をして蒸す。ゆさゆさとしながら貝が開くのを確認して、刻みネギを散らして完成。
リクがたくさんとった蛤は、バター醤油焼きにしよう。炭火が理想だけど、フライパンを温めて、はまぐりを乗せて焼く。貝が開いたらお醤油たらりにバターじゅわぁ。で、完成。
あさりのお吸い物は、まずお酒とアサリで蒸して、こちらもお鍋をゆさゆさ。貝が開いたら昆布だしを加えて、アクをとって、お醤油少しで味を整えて完成。
生牡蠣は、当たると怖いから念入りに魔法で殺菌。そこにレモンを絞って完成。ちゅるりといただきます。
あとは、炊き立てご飯と作り置きで余ってたタコの酢の物を並べて……。
「リク! できたよ!」
「あら? ちょうどできた頃かしら? 私も混ぜてちょうだい!」
先輩も帰ってきたから、みんなでいただきます。
「相変わらず美味しいですね!」
「うん! 先輩は本当にいいタイミングで帰ってきたよね」
「そうっすね」
リクと私の視線に気づかず、満面の笑みで食べ進める先輩。あまりの速さに、私たちも慌てて食べる。
「ねぇ、ミハちゃん? 泥パックとやらはもういいのかしら?」
「あ……」
次こそは絶対、泥パック作りにチャレンジするんだから!!!!!!




