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食の女神になりました〜異世界で家庭料理をクッキング!  作者: 碧井 汐桜香


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15/21

先輩参上!でしたー作り置き編、タコの酢の物、きゅうりの胡麻和え、味玉

「海の底に泥を取りに行って、梅とりにいこ?」


「ミハ様。梅ーの里は、結構遠いですよ?」


 そうは言われても、梅への想いはなかなか断ち切れない。悩みながら、とりあえずキッチンに入る。リクは燃費が悪いらしいから、ご飯はこまめに作り置きしているのだ。と言っても、私のご飯を食べ始めてからはそんなことない気がするんだけど……。


 考えながら、作り置きを作る。とりあえず、タコの酢の物でも作っておこう。茹でられたタコを買ってきたから、適当に切って、酢と砂糖と醤油と水で漬ける。あと、きゅうりとしらすとわかめを入れるのが私の好み。

 あとは、きゅうりの胡麻和えでも作るか。きゅうりを適当に切って、醤油、すりごま、砂糖、出汁と合わせてつけておく。そして、味玉。卵を半熟くらいにしようかな? 沸騰して五、六分茹でたら、すぐ氷水で冷やして、麺つゆーーみりんと醤油とお出汁を合わせて、アルコールを飛ばして冷やしておいたものーーに、殻を剥いた卵を突っ込む。


 作り置きを作って、ご飯も炊いて塩おにぎりにしておいた。これでリクのお腹も大丈夫



「あ、そういえば……よし、今こそ!」


 はるか昔に、“もしも何かあったら、僕の名前を呼んでごらん? 新人ちゃん”と言っていた先輩の名を、今こそ唱えるとき、と思って、先輩の名を呼ぶ。


「シャーロット先輩!」


 あの先輩、見た目に反して可愛い名前だったんだよね。






「やっだー! 新人ちゃん! 僕を呼んでくれたの?」


「……まちがえました」


 先輩のあまりのキャラの違いに、思わずそっと背を向けた。


「待って待って! せっかく呼んでくれたのに、行かないで!? 何か困ってるんでしょ!?」


「……」


 私の視線に負けたのか、先輩は説明を始めてくれた。


「あのね、その名前で呼ばれると、しばらくの間こういう性格になっちゃうのよー! だから、普段は“食の神のシャー”って呼んでもらってるのよ! でもでも、新人ちゃんには、名前教えちゃった♡」


 きゃーっと騒いでいる先輩を横目に、リクに問いかける。


「梅の里ってどのへん?」


「えーっと、徒歩で10日程度ですね」


「私の足だと、もっとかかるか……」


 今ここで、この街を抜け出すことは許されないだろう。


「待って待って、新人ちゃんのお願いは?」


 問いかけてきた先輩に冷たい視線を返すと、リクが先輩に問いかける。


「ところで、食の神のシャー様。しばらくの間ってどれくらいの期間、その状態になられるのですか?」


「いい質問ね! だいたい10年から100年の間かしら?」


「なっが!?」


 思わず、私が叫ぶと、先輩は首を傾げる。


「ミハちゃんはまだまだ神の感覚がついていないのね? 神にとってはそれくらいすぐに過ぎるものよ!」


 この先輩は一体何歳なんだろうと気になりながらも、願いを伝える。


「私、日帰りで梅の里に行きたいんです」


「あら? いけるわよ? 今から行く?」


「え!?」


 リクと私が目を丸くすると、先輩が説明してくれたを


「まぁ、神として1000年くらい生きてると、転移くらい簡単にできるようになるのよ」


「そうなんですか!?」


 思わず目が輝き、まず、海の底への転移を願った。






ーーーー


「はい。海の底よ」


 あの階段から来たわけじゃないのに、呼吸ができる。


「呼吸、できてます!」


「当然よ! 海の底に何しに来たの? 海の食の神にでも会いに?」


「いや、おさかなさんは研究施設に篭ってると思います。海の底の泥を取りに来ました」


 そう言って、ある程度の泥を集めた。もうここに用はない。さぁ行こう!


「つぎは、梅の里に行きたいです!」


「まっかせなさい!」


 巻き込まれたリクは、どこか悟った目をしていた。

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