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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

すべてを失った先にあるもの ~私だけのせんぱい、誰にも渡しませんよ?~

作者: 後州人

人生初短編です。

僕には好きな人がいた。濡れ羽色のロングヘア、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる、その上目鼻立ちはくっきりとしていて優しげな表情を浮かべる美少女である川本優衣香だ。彼女は、勉強だけしか取り柄がないような冴えないヒョロヒョロな僕、石田拓哉にも優しくしてくれる天使のような女の子である。勉強も運動もできる上に人当たりのいい彼女は、クラスのカーストでも上位であり、下位にいるような僕とは到底釣り合わない存在である。

幼馴染みゆえ、ずっと彼女には優しくしてもらっており、自然と彼女と一緒に居る機会も増えたのであった。彼女のお陰で僕はいじめられずに済んでいるのだ。

いつか僕は優衣香に告白したいと思っていた。親友の西山圭人からも応援してると言われており、意を決して告白することにした。


塾が終わった帰り道、ラブホテルから出てきたのは圭人と優衣香の姿だった。優衣香は僕には見せないような女の表情をしていた。事後なのだろうか。僕はこっそり2人のあとをつけた。そして、家の近所の公園。そこには誰もいなかった。誰もいない場所で、2人は深くキスをしていた。僕は失恋と圭人の裏切りのショック、そして圭人に先を越されてしまったことで気が狂いそうになった。僕が先に好きだったのに…。明日から学校にいけないかもしれない。僕は彼らになにも言えずに立ち去っていった。


この日の夜は枕を濡らしてしまうほど泣いてしまった。

明日、圭人と優衣香に問い詰めるか。


優衣香、圭人と一緒に歩くいつもの通学路。昨日の2人の表情を見てしまった以上、いつもの感覚には戻れなかった。そして僕は切り出した。

「言いにくい話なんだけどさ、昨日君たちホテルから出てキスしてたよね?僕、偶然見ちゃったんだ。圭人、お前僕の優衣香への告白を応援するんじゃなかったのかよ」

「拓哉、すまん。俺は実は優衣香ともう付き合ってるんだよ。それに告白の応援を頼んだのはお前だろ?俺は断りにくい雰囲気だったから受けざるを得なかったんだよ…。隠してたのは本当にすまん。でもよ、申し訳ないけど優衣香とお前じゃ釣り合わないと思うよ。片や完璧超人の美少女、もう一方は冴えないヒョロヒョロの陰キャとか、ちゃんちゃらおかしいにもほどがあるわ。それに本当は優衣香もお前のことが好きじゃなかったんだよ。お前の世話をしてるときの優衣香の表情を見たことあるか?苦しそうだったぞ。な、優衣香?」

「ええ、拓哉くん、いや石田くんはお世辞にもいいところ一つもないですね。それに比べて、気遣いもできる上に運動もできて勉強もできる、サッカー部キャプテンの圭人くんはどうでしょうか?なんの努力もしないあなたとは比べ物にならないほど立派な人間だと思うのですが。あなたのわがままにも応えようとしたわけですし。圭人くんも苦しんでいたのですよ。少し優しくされたからって、私が好意を持ってると思ってるとでも?とんだ勘違いをしないでもらえるかしら。私だってずっと苦しかったのですから。私の胸とか体を見たり触れたりしていいのは圭人くんだけです。もう金輪際話しかけないでもらえませんか?石田。」

見たこともないほど怒った優衣香、圭人の姿に恐れおののいた僕は、

「あはは、そうだよね。やはり優衣香はダメダメな僕には釣り合ってなかったんだね…。そりゃ幼馴染も取られるよね…。2人の気持ちに気づけなくて、本当にすまなかった!」

と言ってこの場を去った。


「結局あいつは逃げるのね。ホントに意気地無しだわ。」

「おい、優衣香さすがにこれは言い過ぎだろ…。信じていた人間にこんなこと言われて逃げない人間なんていないよ…。まぁ、目的は達成できたけど。」

「だって、私は本音を言っただけじゃない。それの何が悪いの?」

「お前ほんと言っていいことと悪いことがあるんだぞ。まぁ、今回の任務は拓哉の優衣香への片想いを消すということだから仕方ないけど。はぁ、拓哉にどう接すればいいんだよ…。」

「知らないわよ、そんなこと。さてと、今日から思い切りイチャイチャしましょ、圭人くん♥️」

「仕方ないなぁ…。さてどうしたものか。」

終始笑顔な優衣香と裏腹に、圭人は拓哉のことを心配していた。何か償わないとなと心のどこかで思っていた。


放課後、僕はとぼとぼ一人であるいていった。いつもいる2人とは朝のことがあって気まずくなっており、今日は誰からも話しかけられずぼっちライフを過ごしていた。圭人の方が優衣香と釣り合ってると思うし、彼らはきっと幸せなのだろう。圭人の父親も薬品会社の社長で、彼は将来その会社を継ぐのだろう。圭人と優衣香はこれ見よがしにイチャイチャしていた。ああ、羨ましいなぁ…。これが持つものと持たざるものの違いか…。

翻って僕は、勉強だけしかできない、いや圭人や優衣香にも勉強では勝てない、所詮は陰キャである。そんな僕が優衣香とここまで仲良くやれたのも奇跡かもしれない。

そんな僕に声をかけてくれた女の子がいた。

「せんぱ~い、なに辛気くさそうに歩いているんですか~。あれれ~?もしかして、川本先輩にフラれたんですか?」

うざ絡みしてくる焦げ茶色のポニーテールの女子は高野小春である。優衣香ほど巨乳ではないが、年のわりにはスタイルは抜群である上に、目はぱっちりと開いている可愛い系のゆるふわ女子であり、優衣香に負けず劣らずの美少女である。彼女は昔馴染みであり、1年ほど前、海外から戻ってきたばかりである。それ以降、生徒会同士での繋がりもあってか、だる絡みされている。ちなみに、彼女は僕が通う高校の中等部の2年生であり、3つ下である。彼女は中等部の生徒会長をやっている一方であるが、僕は高校の生徒会の書記である。

「ああ、そうだよ。告白を応援してくれる親友に嘘つかれちゃったよ。しかも、優しくしてくれるのは好意じゃないってさ。ったく、誰を信じればいいんだよ。所詮はダメ人間なんだな、自分」

思わず口が悪くなってしまった。

しかし、小春は笑っていた。

「あはっ、せんぱ~い、もしかして川本先輩の視線に気付いてなかったんですか~?あれはどうみてもうざったかってる視線でしたよ~。それにせんぱいが川本先輩と釣り合ってるわけないじゃないですか。せんぱいは本当に鈍感ですね。ここにせんぱいのことを世界で一番想ってる女の子がいるのに。」

最後は真剣だった。

「え、小春僕のこと好きだったのか?嘘じゃないよな?僕みたいな駄目な人間を好きになるなんて嘘だよな…?」

僕は小春のカミングアウトに驚いていた。

「せんぱ~い、川本先輩がせんぱいに気があると勘違いしてたのに、こっちの本気は信じないんですか。本当に鈍感ですね!こっちはせんぱいのお陰で、人生変わったんですよ!だから責任とって付き合ってくださいよね!さぁ、今から屋上いきますよ!せんぱい!」

小春に引っ張られるような形で屋上に行った。


屋上、小春は突然僕に抱きついてきた。

「せんぱい、しゃがんでください。」

僕は言われた通りにしゃがむと、小春にキスを奪われた。それも恋人同士がする舌を絡めるキスだ。

「ぷはぁ、私のファーストキス、せんぱいが奪っちゃいましたね。ファーストキスを奪った責任、とってくださいね?せ・ん・ぱ・い♥️今日は家に誰もいませんから、来てもらいますよ、せんぱい。」

「ああ、でも本当に僕でいいのか?圭人と較べて勉強も運動もできないし顔もよくないぞ。それでもいいのか?」

「せんぱい、そんなに自分を卑下しないでください。せんぱいはいつだって学校のために真剣にできるなりのことやってるじゃないですか。周りの人間は確かにせんぱいよりかはすごいですが、せんぱいの生徒会活動に真摯に取り組む姿、十分にすごいですよ。尊敬しちゃいます。それに、せんぱいの生徒会活動を見てて、せんぱいってあの時からずっと変わってないんだなって思いました。」

「小春、それってどういう?」

「まぁ、いいじゃないですか、せんぱい!それより家にいきましょう!」

小春に引っ張られる形で僕は小春の家に向かった。

小春の家は近所では有名な大豪邸であり、社長の御曹司である圭人の家がウサギ小屋に思えてしまうほどである。それもそのはず、小春は日本を牛耳る大企業の高野グループの令嬢なのだ。

「さぁ、せんぱい!入ってください!」

「お邪魔します~。」

「あ、拓哉くんなの?久しぶり~!大きくなったわね~!さぁ、あがってあがって!」

出迎えてくれたのは小春の母親の秋乃さん。秋乃さんは小春の母親だということもあってか、かなりの美人だった。

居間には、小春の父親の秀和さんがいた。秀和さんもなかなかのイケメンであり、美少女の小春が娘として生まれるのも納得であった。

「お!拓哉くん、久しぶりだね!いつも小春がお世話になってるよ。」

「お邪魔します。秀和さん。僕の方こそ小春にはいつも助けられてます。」

「パパ~、ママ~、今日は大事な話があるの。話していい?」

家だと小春は昔と変わらず甘えん坊になるみたいだ。それもまた愛おしく思えてくる。そんな子が僕のことをずっと想ってくれていたと思うと、小春の思いに気づかずに、優衣香、いや川本に思いを寄せていたことを申し訳なく思ってしまう。

「いいよ。話ってなんだ?」

そう答えたのは秀和さんだった。

「実はね、私、拓哉せんぱいと付き合うことになりました!」

嬉々として答える小春に、秋乃さんは、

「おめでとう!拓哉くんなら私たちも安心だわ~!これからも小春のことよろしくね!」

と祝福したが、秀和さんは、

「小春、とりあえずはおめでとう。ただ、拓哉くんには聞きたいことがひとつある。拓哉くんは小春のこと、本気で好きなのか?」

と僕に聞いてきた。

「小春さんのことは大好きです。いや、やっと恋愛的に大好きになれました。僕は元々幼馴染に恋をしていたのですが、その片想いは実らず結果として小春さんに慰めてもらう形となりました。そこで小春さんが僕のことを本気で想っていて、僕の姿をしっかりと見ていたことを嬉しく思って、小春さんに恋をしてしまいました。ぼくも小春さんの想いに応えます!」

僕は秀和さんに自分の思いの丈をぶつけた。

「わかった。小春を幸せにしてやってくれ。拓哉くんならしっかりやってくれると思ってるから、頼むぞ。」

「はいっ!小春のことを大事にします!」

「それと拓哉くん。挫折を乗り越えた人間は強い。努力したのに結果がついてこないことだってある。でも、その努力は誰かが見てくれるし、決して無駄なものではない。直接には役に立たなくてもいつかは役に立つものもある。だからこそ、才能があまりないなりにもしっかり懸命に努力している君は信頼できる。君のその積み重ねは無駄ではないから。頑張りたまえ。」

そう秀和さんは僕に告げた。

そして、秋乃さんお手製の夕食であるハンバーグを食べた。豪邸に似つかわしくない庶民的なものであったが、今まで食べてきたハンバーグのなかで一番美味しかった。そのことを秋乃さんに伝えると、秋乃さんは天にも昇るような勢いで喜んでいた。小春はジト目で僕のことを見ていたが。


そして、夕食後。僕は小春に連れられて彼女の部屋へと向かった。小春の部屋はかわいらしい家具やぬいぐるみが置かれていて、いかにも女の子の部屋であった。そして、僕は小春に押し倒された。彼女は服を脱いで薄いピンクの下着姿になり、僕にキスをした。

「せんぱい、私は本気ですよ。それに処女を捧げる覚悟もできてます。私が昔引っ込み思案でいつもせんぱいの後ろにいたこと覚えてますか?私は内気な性格ゆえにいじめられていたんです。そんなとき、身を挺して私を守っていじめっこに立ち向かうせんぱいの姿に幼いながらも恋心を抱いたのです。小学校にはいってからは海外で過ごしましたが、その心はずっと揺れ動きませんでした。せんぱいと同じところに入って再会したとき、せんぱいの姿は一見変わってしまって内気になってしまったようにも見えてしまいましたが、中身はあの時の私を助けてくれたかっこいいせんぱいのままでした。だから、私はせんぱいに惚れたんです。「せんぱいにはじめてを捧げよう。」そう思ったのです。」

小春の愛の告白に、僕は嬉しさのあまり涙が出てしまった。

「小春、僕のことをここまで想ってくれていたんだな。今までずっと小春の想いに気づけなくてごめんな。僕の中身を真剣に見てくれるのは小春がはじめてだよ。本当に告白してくれてありがとう。大好きだよ。小春。」

「大好きです。拓哉せんぱい♥️」

二人はキスを交わしながら胸や秘部、陰部を触りながら体を重ねていった。部屋のなかには甘い嬌声が響き渡っていた。中学生とは思えないほどの小春の妖艶さは僕の性的興奮を高めた上に、川本に振られたショックと西山に裏切られたショックを払拭するのに十分だった。前を向ける、そう思えた瞬間だった。


事後、小春は愛しい彼氏の寝顔を眺めていた。ついに手に入れた。そう思うとニヤニヤが止まらなくなった。

「せんぱい、あのときは辛そうでしたね。でもせんぱいが悪いんですよ。私を見ずに、他の女に浮気するから。浮気者には罰を与えないとですね、せ・ん・ぱ・い♥️ それに、どうみても脈なしなのに浮気するせんぱいの根性はある意味凄いですよね~。せっかくここにずっとせんぱいのことが好きな人がいるのにさ…。だから、せんぱいには川本優衣香と西山圭人のキス姿を見させて、現実を見せてあげたんですよ。「ぼくが先に好きだったのに…」と思っていたのでしょうね、せんぱいのことですから。そんなこと、恋愛には関係ないのにね、せんぱい♥️ もし今度浮気するような真似をしたら、監禁して、強制的に子供つくって下半身去勢してあげますから♥️」

小春は目からハイライトを消してそう呟いた。そう、圭人と優衣香の裏切りはすべて小春が拓哉を手にいれるために仕組んだことだったのだ。拓哉はそんなことを知らないので、今頃小春にぞっこんだろう。

「ふふっ、私がどんな手段を用いても好きな人を手にいれるようになったのはせんぱいのおかげなんですよ。私を守ってくれたせんぱいのおかげで、私は強くなれたのですから。今度は私がせんぱいを守る番ですよ。二度と私の鳥かごから逃げないでくださいね、せ・ん・ぱ・い♥️」

そして、小春は電話を掛けた。相手は、圭人だった。

「もしもし、西山先輩、いや西山。あの件はありがとうね。お陰でせんぱいをゲットできたから。」

「小春お嬢様の作戦、かなりえげつなかったですね…。実は途中で石田のこと可哀想だと思ってしまいました…。まぁ、優衣香はノリノリでしたが。」

「だろうね。川本先輩はせんぱいの好意をうざったがってたから。まぁ、せんぱいに現実を見せつけて、川本先輩への好意を私への好意で上書きできたから、西山はよくやったと思うよ。それに関しては褒めてあげるわ。」

「確かにお互いにとってメリットしかない作戦でしたね。ただ、やはり石田と気まずい関係になったのが気がかりなんですよね。優衣香は嫌ってますが、決して自分自身は石田のことは嫌いではなく、できることなら友達でい続けたいですね。」

「まぁ、これはせんぱい次第じゃない?あと、せんぱいとの復縁は川本先輩が邪魔すると思うから、彼女との関係壊したくないなら無理して近づかないほうがいいかもね。もし罪悪感感じるなら、せんぱいがいじめられそうになったらそれを食い止めるのがせんぱいへの償いになると思うけどね。あ、そうそう。今回の功績をもって、君のお父さんをうちのホールディングスの専務取締役に昇格させることをお父様に伝えたから。これからも私の駒としてよろしくね、西山。」

「お嬢様の駒に認められるとは大変ご光栄なことです。お嬢様の為にこれからも尽くします。それに、お嬢様の恋人のこともお守りします。」

「さすがね、西山。優秀な駒を持ててよかったわ。では、また学校で」

電話を切った小春は朝食の準備の為に階段を下りて行った。先程小春がかけた西山の父親の会社は、小春の家が経営する会社の子会社であり、西山の父親の出世をバーターにして、拓哉に現実を見させて小春になびかせるようにしたのだ。

「あはっ、全て上手くいったわ。さて、せんぱい、いや愛しのダーリンのために朝ごはん作らないと。」

小春はうきうきとした表情で朝ごはんを作った。愛しのダーリンの胃袋迄もつかむために。自分の計画がすべてうまくいったことによる表情なのかは、小春本人しか知らない。


「せんぱ~い、いやダ~リン。起きてくださ~い。朝ごはんできてますよ~」

小春に起こされた僕は、寝ぼけながらも1階へと下りていった。そこには、パンと目玉焼きとソーセージ、そしてお弁当があった。中身はハンバーグだ。

「小春、もしかしてこれ全部お前が作ったのか?」

「そうですよ!私が全部準備して作りましたよ!ダーリンの為にfです。」

「小春、すごいな。では、食べるとしますか。いただきます。」

僕は小春の料理を食べた。小春の料理は今まで食べてきた料理と比べて美味しかった。

「美味しい!小春の料理最高だよ!」

「大好きな人に料理褒められることほどうれしいことないですよ。」

小春の表情はまさにご満悦であった。そして、

「下半身をこれ以上濡らすなんて、反則ですよ、せんぱい♡」

甘い声で囁く小春の声は、僕の脳を溶かすのに十分であった。

朝ごはんを食べた後、僕と小春は一緒に小春の家を出た。僕の家に一部の教科書があったので、僕の家に寄ってからの登校である。といっても、僕の家から小春の家はそこまでは距離はないが。

小春と僕は、僕の家に到着し、玄関を開けた。

「ただいま~、母さん。」

「おじゃまします。おばさん。」

「あら、拓哉と小春ちゃんじゃない!昨日アンタ小春ちゃん家に泊まったのね!小春ちゃん、拓哉に変な事されなかった?あと、優衣香ちゃんはどうしたのよ?」

母親はいつも通り、僕に根掘り葉掘り聞いてきた。

「実は小春と付き合うことにしたんだ。優衣香に関しては圭人と付き合ってたから、もうあきらめた。それに、今は小春が大好きだ。もう優衣香、いや川本さんに未練はないよ。な、小春?」

「はい!私も拓哉せんぱいが大好きです!一緒にいれて幸せなんですよ~。それに、変なことはされてないから大丈夫です。」

「そう、それならよかったわ。小春ちゃん、うちの拓哉と付き合ってくれてありがとうね。拓哉、小春ちゃんは拓哉にはもったいないくらいのいい子だから絶対幸せにするのよ!」

「わかってるよ、母さん。小春を幸せにしてみせるよ。」

「いえいえ、拓哉せんぱいと付き合えて私は最高です。ずっと好きでしたから。」

「ラブラブでいいわねぇ。お母さん、やきもちやいちゃう。イチャイチャもほどほどにね。」

母さん、小春、僕の3人で他愛もない話をしながら階段を昇った僕は、自分の部屋に入って荷物を入れた。そして、母さんに見送られて家を出た。

「せんぱ~い♡」

学校への通学路。小春は僕に抱き着いてきた。昨日さんざん触った柔らかい感触に未だにドキッとしてしまう。

「ちょっと小春、人前で抱きつくとかドキッとしてしまうじゃないか!」

「え~?昨日はさんざん触って抱き合ったのに?せんぱいは獣でしたよね~(笑)獣なのにまだうぶなのも可愛いですよ、せ・ん・ぱ・い♥️」

小春は本当に僕のことをからかうのが好きなのだろう。でもそれが愛おしく思えてきた。

「うっ…、それとこれとは別だろ!小春!でもお前のからかう姿も可愛いな。お前と付き合えて本当に良かったよ。こんな僕を愛してくれてありがとう。小春。」

小春はさっきまでのからかいとは一転して、一気に顔を赤くしてしまった。

「ううっ、せんぱい。そんなこと言われたらますます照れちゃいますよ…。どれだけ下を濡らしたいんですか…♥️ 私もですよ、せんぱい。今すごく幸せです。ずっと一緒にいましょうね。せ・ん・ぱ・い♥️」

「ああ、もちろんだ、小春。お前のことを手放さないからな。」

本当の幸せをせっかくつかんだんだ。もう、手放したくない。小春、一緒に幸せになろうな。

そう決意した僕は前へ一歩歩きだした。


その時、小春の顔は笑っていたが、その顔が計画がすべてうまく行った悪い笑顔であることは拓哉は知る由もなかった…。ましてや、自分のことをどん底におとしたのもその女であることを…

思い付いたストーリーを書いてみましたが、今のところ8000字が限界です…(笑)

あと、NTRについてですが、これは小春ちゃんの要望です()

ここで裏設定ですが、実は小春ちゃんは後に「女帝」と呼ばれるようになり、日本を陰で支配する女になります。秀和さん譲りの強引さと、秋乃さん譲りの美貌で、皆が恐れおののく女になるでしょう。拓哉くんはどうなるかって?彼は多分小春ちゃんの秘書でもやってるんじゃないんですか?

当作品は短編として投稿しましたが、もし長編連載を望む方がいれば頑張ります。

評価、感想、どしどしお待ちしています!

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― 新着の感想 ―
[一言] 大人になってどっかで再開した 圭人くんと和解して一緒に酒でも飲んでてほしいな…
[気になる点] クズだけが美味しい思いして得をする話は胸糞悪い、、、 騙される側が悪いって終わりかたもね、、、
[良い点] ある意味誰も不幸にならないハッピーエンドが良かった。 [一言] 素人目線で申し訳ないですが、ちょっと文章が読みずらいです。ヤンデレ以外の部分はもう少し文章間にスキマを挟んだ方がよいのかと。…
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