「廻る世界」
大切な人が死んだ。
いや、廻る世界の中で、きっとあなたはまたやって来るのだろう。
だから「死」とは終わりではないのだ。
どこかでそう思っていた僕は棺に収められたあなたを、見て思う。
だから、僕はそうやっていつか来るあなたをどこかでその面影を探す。
あなたのくれたものは数え切れない。
それでもあえて挙げるなら、
あなたは人に感謝する事を教えてくれた。
あなたは人を尊敬する事を教えてくれた。
あなたは人を愛すべき事を教えてくれた。
あなたは人を守る事の大切さを教えてくれた。
あなたはそうやって人を笑顔にする事を実践して見せてくれた。
かけがえの無いあなたとの思い出は私の心の奥深くで、いつも消える事なく、暖かく光っている。
苦しい時。
辛い時。
悲しい時。
悔しい時。
あなたの言葉を思い出す。
楽しい時、
嬉しい時、
面白い時、
感動した時、
あなたの姿を思い出す。
あなたの笑顔は、私の人生を豊かにしてくれた。
あなたの優しさは、私の生きる意味を教えてくれた。
こんな私が今苦しむ人に出来ることは限られているかもしれない。
出来ることなんてないのかもしれない。
絶望感に苛まれ、生きる望みがなくなる。
そんな瞬間に、そっと優しい言葉が心に入る。
「ありがとう。君がいてくれて良かった。」
その言葉が届くまで私はこの言葉を送る。
頂いた言葉は「ありがとう」
私の生きる意味はあなたのおかげです。
廻る世界で命は消えゆく。
それでも消えないものがある。
どこか遠くの場所に行っても、切れないものがある。
そうやって、
私は廻る世界で、命を届ける。