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第3話:魔法を得るために

 タイムリミットは後30日となった

 俺は今日……授業に出た。あり得ないほど退屈な内容。その上に今日は魔法について深くは触れないだとぉ? ふざけやがって

 俺は新しい魔法が使えるかと楽しみにしながら糞つまらない授業に出たというのに


 そして放課後。俺は対中と一緒に対策を立てていた


 「そうだ、別に教えてもらうこともねぇや」


 「ん? 対中それはどういう意味だ?」


 「考えてみなよ桜木。あいつら教員が偉そうに俺たちに魔法を教えられるのも、あれが学校にあるからだろ?」


 「……なるほど、魔書を奪っちまえばいいわけか。でもばれたらそれこそAランクどころじゃねぇぞ」


 「大丈夫、そんなのシュッと盗んでシュッと返しちまえば良いんだよ」


 どっからそんな自信が来るんだ?

 だが校長のやつも無茶だと言い切りやがったからな。それぐらいの危ない橋はわたらねぇと無理だな


 「先公が恐くて、成績は手に入らねぇぜ!」


 「いや対中、それはなんか変だぞ」


 「最初に場所を聞き出さないとな」


 「お前人の話を……まぁいいか。じゃあお前が校長から聞き出せ」


 「俺ぇ!? なんで?」


 「言い出しっぺがやれ」


 「でも俺どうすれば良いんだ? 協力はしてくれよ」


 ま、これで俺が実行犯にならないで魔書が手に入るんだから、協力くらいはするか

 多分こいつ単独では失敗して俺の名前が出るのが落ちだろうし


 「よし、作戦を授ける。タイミングは校長が一人になる……放課後すぐだ! 帰りのショートをすっぽかしていくぞ」


 「お、おぅ!」


 さて、どうするか……

 とにかく場所、後は俺たちの作戦がばれて魔書の守りが堅くなるというのも面倒だな







 次の日、俺たちは最初っから授業に出ないことにした

 そして6限目が終わってすぐ、ショートにも出ずにすれ違う生徒の「お前いたっけ?」という言葉を背に校長室まで走った


 そしてドアをノックする


 「どうぞ」


 ドアを開ける

 そこにはいつも通り偉そうだが教員に見えない若き校長先生がいた


 「(いいか、作戦通りだぞ?)」


 「(おう!)」







 俺たちは授業の間ずっと、屋上で作戦を立てていたのだ

 それは今から3時間ほど前



 「いいか、まずは優等生になった対中純平をアピールしねぇといけねぇ」


 「ど、どーすれば?」


 「相手と面と向かい合って、正座して頭を下げて挨拶だ」


 「そ、それ違うくね?」


 「なに言ってやがる、日本では対人関係は礼に始まり礼に終わる。帰るときも忘れるなよ」


 「お、おう」




 さて、他に色々言った気もするが、憶えてないな

 しかし、この作戦は絶対に失敗なのは目に見えてるからな。いくら対中がバカでもやらないだろ、あれネタだし







 「校長!」


 「……なんだ?」


 突然校長の目の前まで言って正座をする対中。こいつバカじゃね!?

 不自然さマックスじゃねぇか!


 「グッドアフタヌーン校長!」


 「……こんにちは対中」


 思いっきり怪しがられてる。そしてもうあれは生徒を見る目ではない

 まぁ教師って感じのやつじゃないけどな。若いし


 そういや校長の印象がいつもと違う……

 というか服装が変わっている、あれが夏服なのか。というか対中、どこを見上げてんだ?

 お前完全に変態な


 「リジェクト!」


 多分、校長の魔法。見たこと無いものだけど、ぱっとみ無属性攻撃魔法のインパクトに似てるから、攻撃魔法なんだろう


 一瞬空間が歪んだかと思うと、対中が校長室の外の廊下の壁まで吹っ飛んだ


 「ぐへあっ!」


 「用がないならとっとと失せろ」


 「ま、待て校長!」


 やっぱ対中にやらせた俺がバカだった


 「なんだ、お前も私に喧嘩が売りたいのか?」


 「違う! もうストレートに聞くぞ! 魔書ってどこにある?」


 言い終わったところで校長の表情が真剣になる

 多分企みは一瞬にしてばれた


 そして少ししてからの妖しい笑顔。これは何か仕掛けてくるな


 「そうかそうか、お前ら真剣なんだな。いいだろう、その心意気に免じて魔書を見せてやろう」


 「マジか?」


 「ただし、校内から人がいなくなる夜の11時以降に来い。そうすれば見せてやる。場所は校長室の奥の部屋だ」


 生徒をそんな時間に呼びつけるのか?

 まぁいい。絶対に何かあるが、魔書は手に入れる






 「おい桜木。あの校長が素直に見せてくれると思うか?」


 「思わねぇ」


 俺と対中は11時過ぎ、魔法学校への道を歩いていた

 俺たちは、まぁ不良だから夜間徘徊はなれている。だから別に問題はないが、俺はとある噂を思い出していた


 普通あれだけの規模の学校となれば、宿直の教員がいたり、警備員がいたりする

 だがそういう設備が一切無いのだ。なぜか? それについてがこの噂だ


 ――夜の魔法学校には、最強の殺人ゴーレムがうろついていて、校内には魔法で作られた殺戮精霊がうろついていると


 そして俺たちは学校に着いた


 「校門……開いてるな桜木」」


 「そうだな……先入れ対中」


 「なんだよ、ビビってんのかよ?」


 違う。お前は噂を知らないだけだ


 「なんも恐くねごふっ!!」


 門の中に片足を踏み込んだ対中が吹き飛んだ

 そして校門からは巨大な腕が伸びてきた。めちゃくちゃ速い!


 「な、なんだこいつ!?」


 「おい対中! 校門から離れろ! こいつは多分学校からは出ねぇ!」


 俺と対中が走って校門から離れると、大人しくなった

 と、思ったら校門を乗り越えてごっつい石のまさにゴーレムが出てきた


 「おい……桜木?」


 「悪い。出てきたな、けどこれはこれで良かった」


 「え?」


 これで校舎の方はがら空き。あとは対中を囮にでもして中に入るかな


 「よしっ、対中に任せたぜ!」


 「え?」


 相変わらずとぼけている対中を蹴り飛ばして、校門へと走る


 「て、てめぇ!」


 「心配すんな! ちゃんと魔書持って帰ってくるからよ!」





 そして校舎まで一気に走り込んだ

 だが噂のもう一つの部分。殺戮精霊

 俺はまだ囮をやっていた方が良かったと後悔することになる……



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