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第2話:初めての魔法

 あと31日。これはタイムリミットだ

 なんとこの期間内にDランクである俺と対中、まぁ別に俺だけでも構わないがAランクまで昇格することが出来れば校長のやつをなんと奴隷に出来てしまうのだ

 だが出来なかったときは、俺たちは男として死ぬこととなる

 まさに命をかけたゲームだ


 「さぁ桜木、まず教えてくれ。魔法の勉強でどうやるんだったっけ?」


 「ん? バカ野郎対中。そんなの……簡単……あれ? そういえば教科書なんてあったっけ?」


 「いやいや教科書はあるけど、あれに魔法の呪文なんて載ってねーよ」


 じゃあ俺たちはどうやって魔法を憶えればいいんだろう

 まさかあの校長。それを分かっていてこんな……理不尽だ


 「あんたらはどこまでバカな会話をしてるのよ」


 「あぁ? おー辻崎、丁度良い。魔法の勉強ってどうやるんだ?」


 「呪文ってどこに書いてあるの?」


 なぜそこで黙る

 まるで馬鹿を見る目だ。なるほど、対中を見ているのか


 「今まで呪文唱えてる人見たことある?」


 「「あ!」」


 「はぁー……」


 盛大なため息ありがとう! しかしこれは盲点だったな

 そういえば魔法を使うのに詠唱なんてRPGゲームだけの話だったよな


 あれ、じゃあ俺たち落ちこぼれはどうやって魔法を憶えるんだ!? 畜生、やられた……鬱だ。あの校長め


 「魔法のメカニズムは、特別な魔書か魔法を使える人からの口伝でしか伝えられないのよ。そんなこと常識よ?」


 そうだった。俺はどうも魔法を使うということに興味がなかったからな……

 教師の言うことなんて聞いてねーよ


 「「辻崎!」」


 「やだ」


 くそ、ここでこいつにふられたら、俺たちにはほとんど友達いねーぞ!

 なんとしてもこいつは離せない!


 「待て辻崎! 望みが叶った暁には、お前の言うことをどんなことでもしよう(校長が)!」


 「え? マジで?」


 辻崎もよほど校長が嫌いと見える

 これは絶対に教えてくれるぞ!


 「(おい、桜木! いいのかよそんなこと言って!)」


 小声で対中が俺に言う

 そんなこと校長にやらせるだけじゃないか


 「(なんで? 良いじゃん別に)」


 「(いや……桜木が良いのならそれで良いが……)」


 何を心配してるのか分からない、が辻崎はどうもやる気になってくれたみたいだ。よほど校長が嫌いと見えるな


 「まぁ、私が使える魔法なんてたかが知れてるけど……とりあえずこれね」


 辻崎はそう言って手のひらを空に向けた


 「ファイアバル!」


 辻崎が多分魔法の名前的なものを叫ぶと、手のひらから赤い火の玉が飛び出して空に向けて飛んでいった


 「「おぉ〜!」」


 「とりあえず、火の初歩魔法ね。小さな火の玉で攻撃するのに使ったりするわ」


 「要するにメラだね」


 それから辻崎に体内の魔力の流れがどうとか色々説明されたが意味が分からない

 とりあえず最終は手のひらに炎のイメージを持ってきて、それを放出するだけで良いらしい。体内に魔力を逆流させないで、火の属性が出来ていれば球形にはなるそうだ

 意味不明だが、やってみるか






 「よっしゃ! できたぁ!」


 さすがは初歩魔法。対中が一発で成功している

 そして叫んでいる。うざい。これ俺一発で出来なかったら……ヤバイ鬱だ……


 本気でやらねーと

 えっと、炎のイメージだよな。手のひらに力をいれて


 「ファイアバル!」


 俺の手のひらの上で何か光った。よっしゃ成功だぜ!

 だけどなんか2人とは違うよな……たしかあいつらのは光ったら火の玉が飛んでいったよな。なのずっと手のひらの上で、どんどん大きくなってる


 わ。わけわかんねぇ! とりあえずもっと力入れねぇと!


 「ちょ、ちょっと何やってんの!? 放出よ! 力入れすぎ!」


 「あ、なるほどー……」


 脱力。直後上から凄い圧力

 メラゾーマ級の巨大な炎の塊が空に向けて飛んでいった


 「す、すご……」


 「桜木すげーな……」


 お、おぉ。俺凄いんじゃね?


 「な、何事だ!」


 早速俺の大魔法に驚いた教員連中が上がって来やがったぜ

 これはもうAランクなんてすぐだな


 「おい桜木」


 「はい?」


 「校舎が焦げてるし、校旗が消し炭になったぞ」


 「はいぃ?」


 「ちょっと来い!」


 くそ……鬱だ






 生徒指導室に連れて行かれお説教

 お前は校舎を丸焼けにするつもりか、とか怒鳴られたがこっちは全くもってあんな巨大な火の玉をぶっ放そうだなんて思っていなかった

 火の玉の話題が終わったかと思うと、普段の素行だとかそんなことをぐちぐちと言われる



 あぁ……だりぃ。鬱だ、やめちまおうかな



 「しかしまぁ、ただの不良だと思っていたがさすがは特待だな。あんなのAランクの優等生でもそうは撃てんぞ」


 「お、マジ?」


 「口の利き方」


 「やったぜ! Aランクなんてすぐなんじゃねーかな」


 「おい」


 俺って実は才能が……いや、だからこそ特待生。納得だな


 「今のままじゃAランクは無理だぞ」


 「がんばるんだよ先生」


 「そうか、今から真面目になれば1年もすればAランクも夢じゃないだろう」

 

 え? がんばって1年?

 それじゃダメなんだよ! 


 ……もしかしたら1ヶ月でAランクって相当無茶なことだったのか?

 これは一度校長のところにいかねーと


 とっとと部屋を出ようとした俺の目の前でドアが開いた


 「失礼します。あら桜木くん」


 「校長! 1ヶ月でAランクなんて無理じゃなっすか!?」


 「えぇ無理ね」


 「なっ……!」



 やられた、鬱だ

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