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ヒューマノイド②
「おい、松山! 出発だ!」
サイバー対策課に行ったはずの竹丘が戻ってきた。
「書類作成中だ」
「それどころじゃない。暴動だ。人間世界が動き出した」
「なんだって!?」
書類作成どころではない。今すぐに出発だ。
ジャケットを羽織り、先を行く竹丘についていく。
「場所は府中駅。もう何人か殺されて解体されているらしい」
俺が追いついたのを確認すると竹丘が話し出す。
「警察はどうしている!?」
「もちろん出動している」
「それでも治まらないのか?」
「ああ。思いの外、人間世界の連中が多いらしく、解体班と防衛班に分かれて警察とやりあっているらしい」
竹丘が車の鍵を開ける。
「厄介だな」
助手席に乗り込む。
「ああ。それじゃあ急ぐぞ」
竹丘がエンジンをかけ、二人を乗せたインプレッサが走り出した。