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聞き込み①

 小池卓司。五六歳。男性。八王子市在住。配偶者なし。職業、衣服・身の回り品卸売業。


 問屋のたくちゃんのプロフィールだ。



「人間世界ですか? そんなブランドあったかな? 知らないですね」



 問屋のたくちゃんは首をかしげている。嘘をついているようには見えない。



「そうですか。わざわざ来てくださってありがとうございます」


「いえいえ、何も役に立てず申しわけないです」


「何か気が付いたことがあれば、ご連絡ください」

 竹丘が名刺を渡す。


「あ、はい」

 たくちゃんも内ポケットから名刺を出す。



 名刺には小池繊維と書かれていた。



「ちなみに小池さんが卸していない服屋さんはありませんか?」


「ありますよ。そうですね。私の関わっていないところは知っているかもしれませんね」



 日野市の服屋の一覧から小池繊維と関わりのない店をピックアップした。



「助かります。それではまた何かありましたらお願いいたします」



 お礼を言い『ブティック美麗』を後にする。


 大きな収穫はなかった。しかし捜査とは積み重ねだ。他の捜査員が集めた小さな情報をつなぎ合わせて解明していく。


 竹丘とメモを確認し、一番近い店から聞き込みを開始する。



「半分以下に服屋が絞り込めたし、良かったと思うか」竹丘がポジティブに考える。


「まあそうだな」



 マイナスに考えればきりがない。足取りは重いが、心くらいは軽くしておきたい。


 一日で終わらせたいと考え、二手に分かれることにした。


 まずは一件目。はずれ。


 二件目。はずれ。


 三件目もはずれ。


 聞き込みをする度に竹丘と連絡を取り合う。はずれを送り合うといった方が正確かもしれない。


 最後の一件もはずれ。案の定、竹丘もそうだった。


 喫茶店の『マロン』で遅れて帰ってきた竹丘と合流し、お疲れとねぎらい合う。収穫なし。

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