140字の物語 part1
君はすべてを知っていた。
なのに何も知らないと嘘をついた。
だから私はここまで傷つきながら、
何もない人生を送っていた。
あれから何年経ってるか。
私は今でも君を恨んでいる。
同時に、愛している。
何も生まれないと分かっていながらも、
君を頭から離すことが出来ないのだ。
私は何を考えたいのだろう。
自分の顔が嫌い。
自分の頭が嫌い。
自分の思ってることがすべて嫌い。
この憎しみをすべて掲げて、死にたいとさえ思ったこともある。
しかし今も生きている。なぜだ。
それは、まだ何かやり遂げてないことがあるからだろう。
頭の中でぼんやりそんなことを考えながら、
今日も寒さの中で自転車を漕いでいる。
清々しい気分だ。
なんでも、今日は特別なことがなかったからだ。
特別なことといったら、良いことだってあるし、悪いことだってある。
私は良いことも悪いことも求めてないので、このくらいが丁度いい。
でも、人生それでいいのだろうか。
機械的に動いているだけの薄っぺらい人生は意味を持っているのか。
「簡単なことじゃないか」
我が父、そんなこと言われても、出来ないものは出来ないのだ。
理屈ではわかっていても体では理解できないのだ。
やっぱり私は運動出来ない。
でも、友達である彼女はこう告げた。
「君には他に出来ることがあるから、無理しないで」
その言葉にも、わかっている、をまた繰り返す。
まただ。
私は最近、猛烈な虚無感に襲われることが多い。
それは不意に来る。
その虚無感に押し潰されて、死ぬことだって考える。
でもそれはいつも数分で収まる。
でも今回は違った。
消えてしまいそうな心の痛みに締め付けられた。
私は心がなくなり、窓から身を出して空中を回った。
体はもう、消えていた。




