第1話 アウトドア??
私の名前は心愛
身長159cm、体重47キロ。20歳
これだけ聞くと女の子かと思われるかもしれない。
だが、残念ながら私は男だ。
見た目はものすごく弱そうだが、決して弱くはない。
こう見えて私は、「極真空手」の初段である。
仕事はホテル業で、接客は正直苦手だ。
私と言っているのは仕事の時と自己紹介の時くらい。
「おーい!聞こえてますかー?」
おっと、そろそろ私の話は一旦終わろう。
「はぁー、にゃに?」
「にゃに?じゃねぇ!せっかく休みだって言うから久々に外に連れ出してやったのに、なにボーッとしてんだ?」
こいつの名前は岩岡 大志
俺らは「いわし」と呼んでいる。
小学校からの同級生でガタイは良く普通にTHA男って感じのやつだ。
「あははははー」
「お前もなんか言ってやれ!」
「ここがボーッとしてるのはいつものことじゃーん!」
このいかにも明るい系男子は明井 そら
「そら」と呼んでいる。そらも小学校からの同級生で俺のことを「ここ」と呼ぶ。
今日は3人でとある喫茶店で話をしている途中だった。
「最近、仕事はどーだ?めんどくさいとか思ってねーよな?」と いわし
「ここの職場、合ってないとかおもってそー。(ここ)だけに!」 と そら
「はは、だいたい合ってる...」
さすがに付き合いが長いとだいたいわかるもんなんだな。と俺は付き合いの長さを改めて実感した。
「だから気分転換に外に連れて来てやったんだよ!」
「そりゃどーも。」
「あれれーその反応は家でゴロゴロアニメ見てる方が良かったって感じだねー。」
「そらはエスパーか!さすがに俺の心読みすぎ。」
「なぁ心愛、たまにはちゃんと身体動かせよ。」
いわしが心配そうに言った。
「いわしは俺の親か!」
「いわしの子どもってシラスじゃーん。あははは。」
そらのジョークがドンドン出る。
「今そんなジョークどーでもいい!」
いわしはそらをジッとみた。
「もー、怒らないで〜いわしー。」
ぷー、さすがに疲れるな。こういう時はだいたい、いわしが何かやろーとするんだよな...。
「ねーいわし、今日は何をやろーとしてるの?」
「さすがそら!わかってるなー!」
これは、嫌な予感しかしない。と俺は思った。
「肝試しやろーぜ!」
「おー!楽しそーだねー。やろやろー!」
こいつら、本気で言ってんのか?
いや、別に幽霊が怖いという訳じゃない。
ただ俺は物理攻撃が効かない相手と虫が苦手なんだ。
「あー、でもここ幽霊怖いんだっけー?」
「こ、怖くねーし!物理攻撃が効かないと、対処できないだろ。物理攻撃が通用する相手なら良いけど物理攻撃が通用しない相手は倒せないんだから本気で怖いよ。」
「ふーん、本当にそーなのかなー?」
なんか、そらの視線が冷たい。
「おい、いわし!てか、なんで肝試しなんだよ!」
「外に出てないんだからたまにはスリルも必要だろ!」
まったく、この2人はやる気まんまんのテンションだな。
「とりあえずこの話がしたかったんだ!やるよな!」
「毎回強引に連れて行ってたくせに。」
なぜか少し嬉しかった。
そんな話をしているといつの間にか日が暮れていた。毎回の事だか、喫茶店で打ち合わせをした後はというと...
「よーし!次は場所探しだ!」
「レッツゴー」
やっぱりな。でも、もー日が暮れてんだよな...。
「ごちそうさまでしたー。」
喫茶店をあとにした。さて、一体どこへ行くのやら...。と、しばらく歩いていると。
「キャーーーー!」
どこからか悲鳴が聞こえた。
「なんか聞こえなかったか?」とおれ
「うん、なんか叫び声だったね。」とそら
「よし、いくぞ!」といわし
これは、青春漫画みたいな展開か?久々に出てトラブルとかマジ勘弁。
「いたぞ!」といわし
「しーー!声ださないで!」とそら
「ん?あれは。」
なんと、女性2人がヤバそうな連中に囲まれている。ざっと10人くらいはいるだろうか。ただ、あの女性の1人の顔には見覚えが...。
「2人とも、あの女性、なんか見覚えない?」と俺は言った。
「あれってもしかして香音ちゃん!?」
そらも気付いたようだ。
見たことあるもなにもまさかの小、中学校一緒だった奏 香音だった。
「見間違いだろ。」
「いや、でもいわし、よく見て。あのふわっとした優しそーな感じ。」
ん?そら、自分の事を言っているように聞こえるが?
それより、まさかの知ってる人だったってのがハプニングだ。普通アニメや漫画なら、見ず知らずの人を助けたら恋愛とかなにかしら起きるというのに。
「はいはーい!ここー、今アニメだったら恋が芽生えたかもとか思ったでしょ。」
そら、なぜそこまでわかるんだ。俺はそらをじっと見ていた。するといわしが何か思いついたかのように俺たちを見て言った。
「よし、突撃するぞ!」
なぜかそらは柔らかい表情で
「おっけー。」
と普通に応えた。
するといわしが
「まず心愛先頭で、俺とそらが後ろ、そんで倒していく!」
それは要するに、俺は盾になり、攻撃の威力を殺せということだ。だが1つ問題がある。
「極真空手の初段が喧嘩なんかしたら俺も捕まるけど...。」
するといわしは真っ直ぐした目で
「心愛が相手の動きさえ止めてくれたらそれで良い!手は出さずに受けるか捌いてくれ!」
なかなかふっかけてきた。
「まぁ、やるしかないか。よし、行こう!」
俺は2人を絶対守る。
するといわしがかなり強めのトーンで危なそうな連中に言った。
「うちの子たちに手ぇ出してんじゃねぇぞ!」
だからいわしは親かー!危なそうな連中の1人、頭だろうか、ナイフを持っている。そして俺たちに言った。
「なんだガキども!俺を誰だか知ってるか!」
うーわー、めちゃくちゃ漫画的セリフ。そもそも俺たちはガキじゃないし、あんたなんか知らん。ここに居る3人ともが思っただろう。するとそらといわしが俺の後ろに回った。
危なそうな連中が次々に
「ビビってやがる!はははっ!」
と口々に言っている。
ナイフを持ったやつがこっちに近付いてきてこう言った。
「痛い思いしたくなけりゃはやく帰りな!」
だが、こいつらは俺たちを帰す気は無い。もう既に囲まれている。これではいわしの考えたフォーメーションはあまり意味が無い。するとそらが笑いながら言った。
「いわし〜、これじゃここを盾に出来ないよ〜。」
いわしは、どうしようか?とでもいうような眼差しで俺を見ながら言った。
「各々攻撃開始!ナイフを持ったやつは心愛頼む!」
うわー1番厄介なの任された。まぁ、別に良いけど。2人が傷つけられるよりは全然良い。そして、ナイフを持った男は俺に近付いてきた。意外と背が高く、ガタイが良い。そして、物凄い殺気を放ちながらこう言った。
「避けないと死ぬぞ!」
俺はナイフをみても怖くない。そう、なぜなら、ナイフを持っているのは人間。物理攻撃が通用する相手だから怖くないのだ。
「オラーッ!」
真っ直ぐ突っ込んでくる!ナイフは右手に持っている。それなら、少し半身を切って左に避ける。身体が咄嗟に反応した。ちなみに半身を切るとは端的に換言すると身体を斜めにする。これだけだ。上手く捌けた。そのまま相手の腹に蹴りを入れる。
「ウッ!」
頭らしきやつは倒した。他のやつは...
「あれー、いったいどーなってる。」
俺は驚きのあまりつい言葉に出してしまった。
「なんなんだコイツら!」「ヤ、ヤベー!」
「まずは上段回し蹴り!心愛の稽古見に行ってたからなんか出来るな。よし、いくぞ!」
い、いわし、見てるだけでそれができるのか。俺はさすがに驚いた。
「待って待って〜。鬼ごっこでしょ〜!はーい、悪い子のおしりペーンペン!」
危なそうな連中はそらによって屈辱的な負け方をしている。そして、俺は思い出した。この2人が天才と秀才であることを。そらは昔から運動神経抜群で勉強もかなりできるやつだった。いわしは筋トレは毎日してたし、勉強もやる時はやって成績は上の方。それに比べて俺はなんの取り柄もない凡才だった。
「はーい、最後のひとり〜」
「よいしょ!」
そんな事を考えている間に、いつの間にか危なそうな連中は伸びていた。
なぜか男らしい雰囲気を出しながらいわしが言った。
「大丈夫ですか?」
そらも優しい表情で
「大丈夫?ケガはない?」と
香音と一緒にいる女性が笑みを浮かべながら「ありがとうございます。」と
そして、香音は俺たちに気付いたのか話しかけてきた。
「もしかして、大志君、そら君、心愛君?」
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