表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/20

プロローグ 梨花編 【私が青春できない理由】

梨花編


青春、そんな言葉をよく耳にする。

青春っぽいドラマ。青春っぽい曲。

青春小説。

今見ているサイトでも堂々と大きく青春という文字が掲載されている。


青い春と書いて青春。

私は自分に問う、青春を謳歌しているのか、していたのか、と。


 三月の終わり。

 春休みを過ごしている私は、あと数日経ったら高校三年生となる。時間というものは何でこんなにも早いのだろうと実感せずにはいられない。

 そして、どうして何もせずにいたのだろうと後悔もしていた。

 何もしていない。という事は、何も行動を起こしていないという事である。

 私は、ただ流れる時のままに過ごてしいた。無論、そりゃあ大変な事も色々あった。

 けれど・・・、

 何もないってどうゆうこと?友達もできないってどうゆうこと?

 恋愛すらもできてないってどうゆうこと?

普通に生きてれば、普通に出来てるもんじゃないの?こんなことある?完全に何かに仕組まれてるよね。もう、得体のしれない何かを疑い始めてるよ?


二年間私、何してたんだ?

頭の中で、処理しきれないほど多い疑問がぐるぐると回る。

 最長学年になる、という今の状況で、すでに目に見えるのは大学受験と勉強詰めの生活。決めなければいけない、進路。

そして、高校生活最後の一年。

 高校生活も、もうすぐ終わってしまうという事も現状なのだ。

 さて、改めて振り返ろう。私は、今まで[高校生活]を楽しめていたのだろうか。青春を謳歌できていたのだろうか。

 それらの問題を色々と天秤にかけてみよう。どちらが重くある?

すると、私はある事にやっと気づいた。


 今の毎日が楽しくなくて充実していない事に。


☆☆☆


【速報 あの正統派人気女優が大手企業の社長と結婚!】


「やっぱこの世は金だよねー」

 テレビの画面を目掛け、私はにこやかに笑う女優へ投げ放った。こういうニュースをみて、私はつくづく思う。

 何が結婚だよ、幸せそうな顔しやがって、結局男の金目当てだろう、クソビ〇チ。正統派いいながら真っ黒じゃねえか。

 汚い言葉を並べ、爪のネイルを触りながら、蔑むような目でテレビの二人を見た。そして、コップにタプタプと入っている麦茶を思いっきり飲む。

まるで、中年の男が酒をかっ食らっている様に。


「あんた、酒でも飲んでるの?ほんっとに、何でそんなに口が悪いのよ…。そんなんだから、友達ができないんじゃないの?」

 すると、お母さんが洗濯物を抱えて、階段から降りてきた。母さんのその蔑んだような目は、テレビではなく私に向けられて。


「もぉ~、母さん。私は、社交辞令ぐらいはちゃんと知ってるし、常識的な事だってわかってる。それを踏まえたうえで、思ったことを一つの意見として言っているんだからいいでしょー?これが私の性格なんだし、思ってること口にした方が正直者だよ?そこら辺の偽善者よりもマシだと思うの」

流暢に言葉を並べて喋る娘に、母は耐え切れなくなったかのように溜息をこぼす。

「はあ~。ほんっと、口だけは達者に育って。なんで、こんなにもひねくれた性格になったのか不思議よ。全く。そんな根性じゃ、皆から嫌われて、挙句の果てには孤独になるわよ!孤独!」

「っ・・・」


孤独。

その言葉を聞いて、一瞬自分の勢いが弱くなった。口を紡ぐ。つっかえた様に言葉が出なかったのだ。

何かを突かれたとき人はこうなるものだろう。


「あぁ、それと、お茶碗洗っといてー」

私が無言になった後、母は何かを思い出したかの様に、音色を変え、急ぐように洗面所へ向かっていった。


「悪かったわね、ズバズバと言っちゃう性格で。」

誰も居なくなった、部屋で呟く。

ニュースはもう違う話題へと変わっていた。


☆☆☆


 いつか、孤独になるわよ?

 母から言われたその言葉は、何故だか私の胸に今も残っている。

 人間なんて、孤独になんてならない生き物のはずなのに、そう思って信じて生きてきたのに。孤独が身近に感じるような、本当にその言葉があっているような、そんな感覚がした。


 よく特に、母から言われている自分の性格は、自分でも難儀で性悪で、下衆な物だと思う。

 それに加えて、私は裏表が激しい八方美人なので、友達を作る、なんてなったとしても、自分の作ったキャラが壊れてしまう恐怖があるから作れないし、元々こんな本性を好いてくる人なんて現れないと思うし。

下衆な人間を好きになる人なんている?

社会的にもダメ出し、人間的にもダメでしょう?


 まぁ、性格は悪い方だとは思う。自分でも痛いほど理解はしてる。

 でもやっぱし、人の不幸は蜜の味だし、プラスがいればマイナスも必要だとおもうし(?)


 そんなこんなで、成長した私は、友達0人恋愛経験無しの奴に育っちゃたわけ・・・。

 けれど、孤独という言葉は不安に思える。

 夢見る少女でもいたいじゃん?現実は潤いの無いカラッカラの砂漠だとしても、せっかく女として生まれてきたんだからさ。


☆☆☆


自室に帰ると私は、何をしようか迷って、最終的にピアノを弾くことにした。

勉強は後でしよう・・・。

部屋から流れるメロディーは階段の方まで響いている。

ピアノは私にとっての趣味であり、特技でもある。

「ふぅ…、こんなんでいいかな」

鍵盤から指を離すと、チラッと自分の、ピアノの発表会の写真が目に入った。

「小学生の時だったなー・・・」

 小さい頃から、ピアノを習っていた私は、今でも好きで結構できる方だと思う。

 別にピアニストを目指している訳ではいけれど、ピアノと音楽は、私を落ち着かせてくれる精神材料のようなもので、何かに活かせたらと思っている。一応、今現在、学校でも活かせているとは思う。曖昧なのは、学校が始まったら分かる。これが、私にとっての一つの問題であるからだ。


 五線譜の楽譜を整理して一息つくと、もう夕方になっていた。こんなにも、私は夢中になっていたのか。

 疲れた私は、ベッドにゴロンと寝転んだ。

 私の部屋は、とてもシンプルで、一つ一つキチッとしている。

 ベッドがあって、机があって、ピアノと椅子があって。大きな本棚がある。


 本をよく読むのだけど、周りからは何故か意外だね、と言われる。小説やドラマ。人間が関係している作品は穴が開くほどたくさんみてきた。   

 これも私の趣味で好きな事。そして、人間との付き合い方、人間社会をこれらで学んだと思う。元々変だった私の性格にとって、本は教科書みたいなものだった。そのせいで、性格に裏表が付いてしまったのだけど・・・。

 今はあまり考えないでおこう。


 一通り部屋を見回してから、私は本棚の隣にあるカレンダーに注目した。

「もう、学校か・・・・」

 少しだけ焦った気持ちになる。

 忘れてはいけないことを思い出したからだ。

 それは、ある日、青春という言葉を深く考え、自分を振り返った時に決めた事。

 自分の中で宣言したことだ。

 内容は、新しく始まる高校生活最後の一年で、仲の良い友達を作り、頑張る事。後悔をしない事。そして、

 高校生活での、青春というものを体験すること。


学年も変わり、クラスも変わる。

自分を変えていくには、もってこいじゃないか。


高校3年生になる私にとって、これが最後の希望なのだから(チャンス)。



最後まで、読んでいただきありがとうございます(^_^)

主人公の名前は、小坂梨花(こさか りかという名前です。

イメージ花は バラ(青)。

梨花編、としてこの話は続いていくので、続きは 梨花編とタイトルに付いているものから始まります!

お手数をかけるかもしれないですが、何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ