第五話 死霊現る、日常が再開する
・characters
・逢末 蒼兎
・逢末 瑚糸
メグル・エルフレスト
・根暗 暗夜
・久遠 魅々華
・リリア・アーサー
・リリカ・アーサー
・七光 めいく(ななびかり めいく)
各話出てくる人物出てこない人物がいます。
《─────結局、どうなの?》
俺は、そう問われる。見えない何かに。
それに反応して俺は、
「一体、何のことだ.....? お前は、誰だ?」
《......あなたは、好きなんでしょう....? 彼女が、メグル・エルフレストが》
「..........」
俺は、直ぐに口を開くことは出来なかった。
『好き』そんな事、ずっと前から思ってた事であり、直ぐに答えていても良い質問なのかも知れない......。
だが、このまま彼女を『好き』になってしまっていても良いのだろうか?
力も無ければ、覚悟もない。そんな俺が、『好き』になっても良いのだろうか?
見えない何かの声が聞こえる。
《答えられない......か?》
「......あぁ、今は....まだ....」
まだ、駄目だ。答えを出せるほど、俺は強くない。
でも......それでも、俺は強くなると決めた。
メグルを『好き』になれる様にする為、守る為に。
だから俺は、死なないんだ。
♦︎
昨日あんな一件があったからか、俺は家に帰るとすぐに寝てしまった様で。
次の日の朝、俺はベットの上で目が覚めた。カーテンの隙間から溢れる太陽の光が少し眩しい。
俺は起き上がろうとする、だが『何か』に阻まれる様になかなか起き上がれない。
俺はその『何か』に手を伸ばす。
ふにゅ。と、なんだか柔らかい物に手が触れた。
「んんぅ──────」
柔らかい物を触ると『何か』が声を上げる、なんだか気持ちのいい柔らかさなのでふにゅ、と何度も繰り返していると。
「んぅ──────ですわぁ」
と、また声を溢す、寝起きのなかなか開かない目をこじ開ける。するとそこには......。
「..........」
幼女が居た。それも美少女だ。
上から順に下へと視線を下ろす、白髪、蒼い目、半裸。
「......半裸ッ!?」
「あ! やっと起きましたわ、お兄さまぁ!!!」
「え? あぁ、おはよ─────じゃねぇよッ!!! お前誰っ? というか、何で半裸っ?」
「うーん....暑いからですわぁ!!!」
いやいや、それでも半裸はまずいだろ、半裸は。
「じゃあ、何でここにいるんだよ」
「そこにお兄さまがいるからですわぁ!!!」
「山みたいに言うなよ!!」
見たところ、この幼女はワイシャツしか着ていない半裸状態で、動くたびにチラチラとワイシャツが舞い、見えてはいけない所が、見えたり見えなかったりするわけで。
「あらあら、お兄さまのエッチ....ですわぁ、もっと見たいんですのぉー?」
「なっ....誰がっ!」
「ふふ、お兄さま。お顔を真っ赤にされて、可愛らしいですわぁー!!!」
「誰のせいだ! 誰の!!」
そう声を上げたところで、ガチャと部屋のドアが開く。
「蒼兎っ!! 朝だよー起き────」
「あ─────」
そう声を張り上げながら部屋に入ってくるメグルと目が合う。──────足に半裸の幼女を乗っけたまま。
「朝から何をやっているのかなぁー? ......蒼兎っ!!」
「ち、違う。誤解だっ!! 決してやましいことなんて無いっ!!」
「あら、お兄さま。先ほどまでわたくしのお胸を弄んでいたではありませんのぉー?」
「なッ─────!?」
「うぅ────蒼兎の、バカっ! 変態っ! 淫乱ロリコンっ!!」
このやり取り、なんだかこの間やった気がするのだが、『デジャヴ』というやつか....。まぁ、気にすることでも無い。
俺をポコポコ殴っているメグルの怒りは、俺の膝の上にのっている幼女へと移り。
「......そ、そこの幼女っ!! そもそも、あなた一体誰なのよ!!」
「わたくしは、お兄さまの妹ですわぁ」
「わ、私だって、蒼兎の妹だったもんっ!」
いやいや、確かに妹だったけど、その反論方法はおかしいだろ。
「それで? お前、名前はなんなんだ?」
「お兄さまぁ、わたくしの名前を忘れてし─────」
「俺は、お前の兄でも無いし、妹にした覚えもないっ!」
「んもー、お兄さまったらぁ、釣れませんわねぇー。わたくしの名前は、留亜=フリュードですわぁ、お兄さまの妹─────」
「妹じゃ無いっ!!」
はぁ、ツッコミも面倒くさくなってきたぞ......。
「それで? えっと....留亜、だったか。目的はな──────」
その時だった、ぐぅぅぅうううう──────と、お腹の音が鳴った。俺は留亜の方に視線を向けるが、
首を振って違うということを示してくる。
俺でもないし......ということは.....。
「あ、蒼兎......お、お腹空いた......」
「フフッ、そうか....それじゃあひとまず、朝ごはんにするかっ」
♦︎
朝飯を用意した、リビングのテーブルに3人。俺、メグル、留亜が座っている。
すると留亜が目をキラキラと輝かせて、
「お、美味しそうな朝食ですわぁ!! こ、これ頂いてよろしくてっ!?」
「おぉ、良いぜ。座って食えよ、座って」
そういうと留亜は律儀に椅子に座り、パクパクと食事を食べ始める。
「お、美味しいですわぁ!!!」
「そんなに喜んでもらえるなら、作った甲斐があるもんだな」
と、こんな風に馴染んでいるこの少女は一体何者なのだろうか?
別に害はなさそうだし、ここにいる事自体に悪いことはないのだが。
すると、メグルが少し顔をしかめて、
「あなた、死霊でしょう......?」
「......死霊?」
俺はメグルが放った言葉に反応する。するとそれに対してメグルが、
「そう、死霊。私たち死霊吸血鬼や死霊使いに仕えるの。基本主人がいるはずなんだけど......。主人がいない死霊なんて......」
「主人なら....いますわぁ」
留亜がそういうと、こちらに視線を向けてくる......。
「......え? 俺?」
「そうですわ、お兄さまが主人ですわぁ」
いやはや、なんと馬鹿馬鹿しい、俺が主人? ......ありえない。
すると、留亜が近づいてきて俺の左手を手に取り。
「お兄さま、見てください。これがわたくしとお兄さまが主従の関係にあることを示す、『呪』です」
「......『呪』か」
俺の左手の甲には、黒い紋章の様なものがあった。
一体、いつの間にこんなものが。
その紋章を見つめていると、ふと、腕に付いている時計に目が行く。
意外にも時間が経っていた様で、
「あのさ、俺学校行ってくるから、話はそれからでいいな?」
「はい、行ってらっしゃいませ、お兄さま」
「うん、行ってらっしゃい。蒼兎」
こんな感じで朝から色々あった訳なのだが、ふと思った。
あの家、人間......居なくないか?
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久しぶりに投稿できました。




