表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次いでこの世の死霊使い(ネクロマンサー)  作者: 時雨 茉莉花
第一章 〜嚆矢の物語篇〜
3/7

第ニ話 夜の神社、死霊使いは蘇る

・characters

逢末あいまつ 蒼兎あいと

逢末あいまつ 瑚糸こいと

 ハルカ・エルフレスト

根暗ねくら 暗夜くらや

・久遠 魅々くおん みみか

・リリア・アーサー

・リリカ・アーサー

・七光 めいく(ななびかり めいく)


各話出てくる人物と出てこない人物がいます。

 夜、俺は家に居た。

 学校では暗夜先生が訳わからない事をし始めて、剣を持った少女が現れて。もう、散々だった。

 

 それにしても、あの少女が言っていた「あなたの物語は少しづつ動き出しているようですね」には一体どんな意味が込められているのだろうか。



「あぁー、分かっんねぇー!!」



 と、そんな事を考えているうちに宿題が出ていた事を思い出す。

 奇妙なことが起こっても、周りは至って平常運行なのだ。



「あれ? ノートが....無い?」



 カバンの中を漁ってみるが、宿題のノートが無い。確かに入れたはずなのだが。

(あの先生、宿題忘れると怖いんだよな....)


「取りに行くしかないか....」



 夜の暗い夜道を、歩き俺は学校へとノートを取りに行くことにした。

 すると、玄関前で瑚糸が声をかけてくる。



「兄さん、何処へ行くのですか? こんな夜中に、一人で」


「あぁ、ちょっと学校にノートを忘れてきてな....取ってこようと思って」


「そう....ですか」


「どうかしたか?」


「いいえ、何でもありません....気をつけて下さいね」


「おう、じゃあ行ってくるから」


「はい、行ってらっしゃい」



 俺は瑚糸に見送られ、夜の学校へと向かった。







                 ♦︎






 学校へと向かう夜道の途中、不気味な神社を見つけた。

 普段ここを通って学校へと向かっているのだが、こんな神社は無かったはずだ。

 まぁ、その興味が湧いてしまった事には変わりがない....。



(ちょっとだけ....寄ってみるか....)



 引き寄せられる様に入っていった不気味な神社には、月明かりが差し込み更に不気味な場になっていた。

 引き寄せられる様な、よく分からない感覚だ。

 


「やっと来ましたか」

「......え?」



 神社の後ろから声がした、女の声で....透き通っていた。

 ザッザッと砂利の音を立てながら近づいて来る。



「お前は.....誰だ?」



 暗い闇に包まれている神社の一点に月明かりが差し込んでいる、そこへ少女の姿が視界へと入ってくる。



「お久しぶりですね、蒼兎さん」


「.........」



 「お久しぶり」という言葉に疑問を持つ。

 俺は知らない....いや、覚えていないだけか?



「あぁ、そうでした....覚えているはずがありません。 だって記憶はここにあるんですから....」



 そう言いながらゆっくりとこちらへ近づいてくる、遠くてよく見えなかった顔も段々と見える様になり....。

 その見えてきた顔は、今日学校で助けてもらった、レーヴァテインの少女によく似ていた。



「お前....今日、助けてくれた....?」


「今日とは、一体どういう事ですか....?」


「.....違うのか?」


「えぇ、違うと思われますが....?」



 少女は考える様な素振りを見せて、



「あぁ、なるほどそういう事ですか」



 勝手に納得された。



「一体何なんだ、お前は誰だ、何が目的なんだ?」


「その質問全て、一瞬で把握させてあげましょう....」



 そういうと俺の方へと少女が近づいてくる。

 ゆっくりと手を伸ばし、次の瞬間──────。



「えいっ」



 と、可愛らしく俺の頭を突っついた。

 何かが流れ込んでくる、言葉、記憶....? 情報が波となって頭の中の、空いている部分へと流れ込んでくる。

 そして口が勝手に動いていた....。



「死霊の....呪い....?」


「成功しましたね....」



  ───オマエは死ネル呪イに掛かっテイル───

   ───妹ハ妹デハ無い、死霊吸血鬼デある───

  ───サァ、戦え....最初で最期ノ死霊使い───


   ───死にタクは、無いだロウ?───



「うぅッ────────!!!」



 突如頭痛に襲われた、情報が頭の中で錯乱してグルグルと回っている。

 俺は少女を睨みつけながら、



「俺に....何をしたッ!!」


「記憶を戻したのです、6年前この場所で奪った、あなたの記憶を。 思い出しませんか?私は一度あなたを殺しているんですよ?」


「.........」


「そうですか、まだ混乱しているようですね。 脳の記憶より肉体の記憶の方が今は大きいのかも知れませんね。 そうとなればあの時と同じ痛みを....下しましょう」



 ガガガと、金属音を鳴らしながら大きな黒い剣を引きずりながら、ゆっくりと少女が近づいてくる。


 次の瞬間。

 少女が剣を振るった。

 そして俺は、



「あああああああぁぁぁぁぁあああ────────ッ!!!!」



 と、痛みに任せ悲鳴を上げる。

 振るわれた剣は、俺の背中に大きな傷を残した。

 段々と血が滴るのが分かる、俺はそのまま片膝を地面に着く。

 そして続けざまに、記憶と肉体が共鳴したように感じた。



「さぁ、思い出しましたか? 私が誰か、6年前ここで何があったのか」


「......お前は、『邪剣使い』(ジェノサイド)だ....」


「やっと、思い出したみたいですね。 それでは6年前ここで何があったか、分かりますか....?」


「誰かが....俺に、呪いをかけた....だろ? この傷が治り始めているのも、呪いのせい」


「それが、誰にかけられた呪いか....分かるかしら? ─────おや? もう、答えがそこに来ているようですね」



 俺は少女の向いている方向へと視線を向ける。



「──────瑚糸ッ!?」


「──────蒼兎ッ!?」



 我が妹、瑚糸がいた。

 そして俺の記憶と重なった、かつて俺に呪いをかけたその少女と。



「蒼兎....記憶が、戻っているの?」


「あぁ....そうらしい。 瑚糸.....いや....メグル・エルフレストだよな....」



 そういうと、メグルが俺に抱きついてくる。

 ちょっぴり膨らんだ胸が、腕にギュウと押し付けられている。



「ちょッ!? め、メグルッ─────!?」


「久しぶりっ!! 記憶が戻って良かったっ!!」


「ふふ、感動の再会ですか....微笑ましい限りです。 さて、私の仕事はここまでです....それでは、またいつか近いうちに....。 それと、私の妹がお世話になるかもしれません....」


 

 そういうと、『邪剣使い』(ジェノサイド)は闇の中へと、消えていった....。



指摘、評価、感想などいただけると幸いです。


面白いと思ったらブクマしていただけると嬉しいです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ