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59話

                    6

(我に集え・・・・我に集え・・・。)


「うん?」

 コウは、どこからともなく聞こえてくる声に、飛び起きた。

 しかし、辺りを見渡すが部屋の中には彼一人で、誰もいない。


「夢か?」

 コウは、もう一度布団の中で横になった。


(・・・集え・・・・我に集え・・・・)


 すると、またもやどこからか声が聞こえてくる。

 コウは起き上がって、今度は部屋のドアを開けて廊下を見渡すが、人影も見えない。


(集え・・・集え・・・)


 やがてその声は、起きていてもはっきりと聞こえるようになって来た。

 しかし、周りには人の気配すら感じられない。


 コウは、仕方なしにその声に従って見ようと考えた。

 なぜかは判らないが、呼ばれている方向はなんとなく理解できていた。

 彼は部屋から出て廊下を進むと、玄関から外の通りへと出て、ゆっくりと歩き出した。


 明るい月明かりの下、彼が行き着いた先は、身の丈ほども伸びた雑草に覆われた、荒れ果てた家屋跡のようだ。

 何世紀も昔の旧市街地と伝えられているが、井戸も既に干上がっていて、人が住むには適さない土地として、今では荒れ放題となっている場所だ。


 コウは、崩れて役に立っていない塀をまたいで乗り越え、中庭へと入って行く。

 当時は豪族か何かの屋敷であったのだろう。

 広い敷地は荒れ放題で見る影もないが、それでも屋敷としての規模の大きさは見渡せる。


 歩みを進めていくと、奥の方に光るものを見つけた。

 それは、うず高く積まれた土盛りに立てられている、まばゆいばかりの光を放つ、金属の様であった。

 彼は、その光に吸い寄せられるように、手を差し出した。


 その光に触れた瞬間、彼は、それまでと全く違う場所に居た。

 先ほどまでの、頬に感じる風もなく、絶え間なく響き渡る虫の音も聞こえない、光も射さない無音の空間だ。

 彼は、当てもなくその空間をひたすらさまよっていた。


 やがて、ようやく一条の光を見つけ、足早にそこへと進む。

 そこでは、何十人かの男女が、ひたすら戦っていた。

 その戦いは休むこともなく、また終わることもないかのように、ただひたすら続けられているようだ。


 彼も、吸い寄せられるように、その戦いの輪の中に入り、周りの人を手当たり次第に、打ち倒して行った。

 コウは、おとなしい性格をしているが、村では1,2を争う巨漢であり、怪力の持ち主であった。

 手加減しているとはいえ、彼の加える一撃は凄まじく、すぐに周りで元気に立っている人間はいなくなった。


「おお、ようやく現れてくれたか。

 俺様は剣の精だ。

 この戦いを勝ち抜いたお前を、正式な持ち主と認める。


 遥か東方の地に、封じなければならない対象がいる。

 お前は今すぐ旅立ち、かの地でその鬼たちを封印してくれ。

 よろしく頼むぞ。」


 ひげもじゃの男がそう言うと、辺りが急に開けてきて、先ほどの荒れ果てた屋敷跡にコウは立っていた。

 周りには20人ほどの男女が、何事が起きたのか分からない様子で、只お互いの顔を見合わせては、今の状況を把握しようと、話し合っていた。


 ただ一人、コウだけが、この集いの意味を理解していた。

 先ほど、まばゆいばかりに光を放っていると感じたそれは、赤くさびてボロボロの状態に見える。

 それでも、彼が手を差し伸べると、赤さびが崩れ落ちたそれは小刀の様な長さに変わってしまったが、それでも表面に曇りのない金属光沢が現れてきた。


 彼は、盛り土から引き抜いた剣を腰に下げると、そのまま自宅には戻らずに、すぐに東へと向かって、旅を始めた。

 この地は、かつてゴ将軍たちが角の生えた怪しげな賊たちを捕えようとして、散って行った屋敷跡だ。


 盛り土は、将軍の墓と言うべきものであり、剣はその時に相手に手傷を負わせた剣のようだ。

 その剣が、精霊を宿して封印すべき相手に向かって、動き始めたのである。

 ゴ将軍亡きあと、既に千年近い時が経過していた。


―――――――


 所長が仙台へ戻ってから数日後の事・・・・


「おはようございます。北海道のジミーです。

 朝の定時連絡です。

 こちらは異常ありません。どうぞ。」

 学校の職員室脇に作られた無線室で、ジミーが仙台市と定時連絡をしている。


「ガガガ・・・ちら所長。

 大変だ、魔物収容所で反乱の様子だ。


 更に北の村とも昨日からガガ絡が取れなくなっている。

 既に部隊を送ったが、可能ならば瞬間移動で先行確認してくれ。ガガガうぞ。」


「は・・・はい、分りました。

 詳細説明、お願いします。どうぞ」


「了解した。実は・・・。」

 どうやら、仙台の所長からジミーの元へ緊急連絡が入った様子である。


『ガラガラガラガラ』勢いよく扉を開けて、ジミーが教室の中へと入ってくる。

 朝のたわいもない雑談をしていたハルたちの注目が、その一身に集まる。

 いつもとは違う厳しい表情のジミーを見て、ハルにも緊張が走る。


「大変だ、仙台市の衛星都市のひとつと、昨日から連絡が取れなくなっている。

 しかも、近くにある魔物収容所が魔物たちの反乱に会い、収容されていた魔物たちが脱走したという事だ。

 おそらく、魔物たちがその村を襲ったのだと思う。


 事態が発覚した今朝の早朝から、仙台市から警察と自警軍の部隊が向かっているが、なにせ収容所ですら車でも半日以上かかる距離だし、村は更にその先だ。

 ハル君たちは去年その村に行ったことがあるから、瞬間移動で行けないか?


 最悪、おいらだけでも行って状況を把握したい。」

 朝の定時連絡で事態を聞いて、身支度を整えて来たのであろう。

 既に、マシンガンと携帯用の無線機を携えての登場だ。


「爆弾騒ぎの時に、最初に見つかった村の事ですね。

 収容所に、たくさんの税を納めて飢え死にしそうだった。


 そこなら、覚えているから行けますよ。

 すぐに行きましょう。」

 ハルは、準備していた教科書をカバンに仕舞い込んでから立ち上がった。


「魔物が脱走したんじゃあ、こちらも結構な大人数で行った方がいいわね。

 下手をすると、調査するより前にやられてしまうわよ。


 あたしはミッテランおばさんに連絡をして、それからトン吉を呼び出して、強そうな魔物数匹を選んだら、連れて行くようにするわ。

 魔物収容所が一番印象に残っているから、収容所で待ち合わせよ、良いわね。


 危ないと感じたら中には入らずに、あたしたちが着くまで外で待機しているのよ。

 分ったわね。」


 ミリンダも立ち上がって、そう叫ぶとすぐに教室を出て行った。

 勉強以外の事には、素早く反応するようだ。


「じゃあ、僕もミリンダちゃんたちと一緒に行く事にします。

 お気をつけて。」

 残されたゴローが、ミリンダの机の上の教科書と、おやつ代わりにつまんでいた干し芋などを片付けているようだ。



 学校の外へと出たハルとジミーは、まず本州へと続く洞窟の入口へと瞬間移動した。

 先の爆弾騒動で、ハルたちが本州へと向かう時に利用した、旧鉄道のトンネルだ。


 思えば、ここからハルたちの冒険の旅が始まったともいえる、思い出深い場所である。

 アンキモ親分や、その娘に加えて、何よりも銀次さんが懐かしく思い出される。

 しかし、今は感傷に浸っている場合ではない。


 頻繁に移動している時は構わないが、期間が開いた時には昔通った履歴を思い出しながら移動するのが良いので、過去の足跡をたどっただけなのだ。

 それから、印象の強かった魔物たちの収容所へと瞬間移動する。


 ハルたちが到着した時には、既に収容所は惨憺たるありさまだった。

 頑丈に作られた分厚い門扉は、瓦屋根ごと真っ二つに裂けているように見える。

 中へと入ると、綺麗に整頓されていた中庭の石の回廊は、無残にも踏み荒らされていて、建物の壁も原形をとどめないほど打ち壊されていた。


 どうやら、賊は外から収容所へと襲ってきたようである。

 魔物たちの単独的な反乱ではなさそうだ。


 中庭の砂利の上に男が倒れているのが見えたので、ハルは急いで駆け寄り治癒魔法をかけてやった。

 どうやら、看守の1人のようだ。


「おい、どうしたんだ。一体何が起こった?」

 ジミーも駆け寄って来て、男を抱きかかえると、頬を軽く叩きながら尋ねる。


「は・・・はい・・・、突然襲ってきて・・・・。

 見上げる程大きな、緑色の巨人・・・。

 それと、目が金色に光る男・・・。


 その男には見覚えがあります、北の村の長老だった男です。

 しかし、長老は先月亡くなったはず・・・・。」


 看守の男は、息も絶え絶えといった感じで、ようやく答える。

 ハルは、もう一度治癒魔法をかけ直してやる。

 すると、ようやく男は体が楽になったのか、自力で起き上がった。


「長老・・・、死んだはずの北の村の長老と、巨人が襲ってきたんだな?」

 とんでもない内容の報告だが、もう何を聞いても驚かないとジミーは心に決めているようだ。


「はい、長老は確かに死んで、我々も葬式には参加したはずなのですが・・・

 とにもかくにも長老と巨人が門を壊して収容所内へと入って来て、我々看守の銃撃の効果もなく建物を破壊しまくりました。


 なぜか長老が手を振りかざすと、魔物たちが首から下げていた魔封じのネックレスが、全て外れてしまったのです。

 我々は、巨人の相手もしなければなりませんでしたが、それよりも魔物たちを押さえるのに必死でした。


 それから長老の目が光ると、一部の看守や魔物がそれに従うような動きをはじめ、更に事態の収拾が困難になりました。

 結局、一部の看守と魔物たちが長老について、ここから出て行きました。


 私はそこまで見るのが精一杯で、気を失ってしまったので、彼らがどこへ行ったのかはわかっていません。」

 看守は呼吸を整えながら、状況を説明した。


「大体の状況は了解した。

 こちらジミー、所長聞こえますか、どうぞ。」

 ジミーが携帯無線機で呼びかける。


「おお、ジミーか。ガガガガ・・・・

 どうだ、状況は判って来たか?」


「はい、北の村の死んだはずの長老と、巨人が襲ってきたという事です。

 収容所に居ますが、中は惨憺たるありさまです。

 一部の看守と、魔物たちが連れ去られた様子です。」


「死んだはずの長老・・・?

 ガガガ・・・確かに北の村の長老は、先・・亡くなって葬式をあげ・・・だが。

 それと巨人か・・・。


 分った、もうすぐうちの部隊が収容所へ到着するはず・・・、後の事は任せて、引き続き北の・・様子を探ってくれ。ガガガ・・・・」


「了解しました。

 ミッテランさんたちと、ここで落ち合う約束なので、着次第北の村へと向かいます。

 尚、生き残りの看守もいるようで、ハル君が治癒魔法をかけてくれています。」


「了解した。ガガガガ・・・を付けて向かってくれ。」

 ジミーは無線機のマイクを腰のフックに戻して立ち上がった。



「九州の時のように、何者かに操られている可能性が高いですね。

 巨人の正体も、召喚獣の可能性があります。

 もしかすると、剣が言っていた鬼の玉に関係するのかも知れませんね。」


 ハルは、腰に携えた剣を軽く叩きながら、ジミーの目を見た。

 剣は有事の際に必要との事だったので、学校へ行く際でも常に携行しているのだ。


 と言うよりも、気に入って肌身離さずと言ったところのようだ。

 それほど長剣ではなく、体が大きくはないハルでも邪魔にならない大きさをしている。

 加えて、なまくら刀のように武器としての役割を果たしていないところが、平和主義者のハルが気に入っている所なのかもしれない。


「ああ、そうかも知れないな。

 それよりも、まだ生存者はいるかもしれないから、中を探そう。」


 ジミーは看守を立ち上がらせると、彼を促して建物へと歩き出した。

 中庭の奥は、渡り廊下でこあがりになっているが、建物の屋根ごと壊され、床や畳は土足で踏みにじられて、どろどろの状態だ。


 そこかしこに倒れている魔物や看守がいるので、ハルは見つけ次第治癒魔法をかけていく。

 どうやら、魔物たちは全てが逃げ出したわけではなさそうだ。


 そうこうするうちに、ミッテランたちがやってきた。

 トン吉以下、5匹の体の大きな魔物たちを引き連れている。

 彼らは瓦礫の撤去を始め、下敷きになった看守や魔物たちを救い出し始めた。


 ミッテランもミリンダも、ハルと一緒に生存者を見つけると、治癒魔法をかけて行っているようだ。

「大体の場所は聞いたので、僕は先行して北の村へ偵察に行ってみるよ。」

 ゴローが蝙蝠に姿を変えて、北に向かって飛び去って行った。



 1時間ほどして、仙台市の部隊が到着したが、その時には大半の要救護者の手当ては終わっていた。

 2百名いた看守のうち、行方不明は40人ほどで、魔物たちは600匹ほどいたうちの半数300匹が逃げ出しているという事であった。


 行方不明者の安否はわからないが、少なくとも収容所内では死んだ者がいないことは、不幸中の幸いだった。

 魔封じのネックレスが外れていても、逃げ出そうとしない魔物が300匹はいるという事で、やはり釧路同様に、生活が安定さえしていれば、魔物たちも無理に暴力と略奪の生活に戻ろうとはしないのだろう。


 とりあえず、収容所自体の機能は失った上に、魔封じのネックレスもなくなってしまったが、残された魔物たちに害はなさそうと判断し、この場は仙台市の部隊に任せて、ハルたちは北の村へと向かう事になった。



 ハルがジミーを、ミリンダがミッテランを連れて北の村へと瞬間移動をする。

 辺りを見渡して、大体の位置関係を把握したら、ミッテランが収容所へと引き返して、トン吉たち魔物を連れてやってくる。

 ハルたちは村の中へと入って、住民たちに様子を確認し始めた。


「では、何もおかしなことは起こってはいないのですか?」

 村の入口にある小さな家の中で、ハルたちはその家の主に事情を聴いていた。

 昨年の爆弾騒ぎで、ハルたちが訪れた家だ。


「突然やってこられて・・・、何を聞きたいのかよくは判らないけど、この村はいつも通り平穏だよ。」

 男は平然と、食卓の椅子に腰を掛けている。


 向かい側に座っている、ハルたちにお茶が振る舞われている。

 昨年は食べるものもなくて、骨が透けて見える程痩せていたのだが、今では血色も良く元気な様子だ。


「先日亡くなった長老さんが、生き返ったという事をお聞きしたのですが、そのようなことも起きていませんか?」

 平然と落ち着き払っている村人に対して、ジミーは尚も問いかける。


「長老が・・・?生き返るとはどういった事でしょうか?」

 男は、不思議そうな表情で、ジミーを見返した。


「いや、分らなかったらいいのです。

 それよりも、他の村の方たちはどこへ行きましたか?」

 ジミーは質問を変えて見た。


 1時期は収容所へ納める過酷な税に耐えきれず、逃げ出す村人もいた様子だが、今では安定した生活が送れるようになってきていて、50人ほどの集落を形成しているのだ。


 収容所にほど近いこの村は、もともと魔物たちの危険も少なく、安全で住みやすい村であったはずなのだ。

 ところが、既に日も高い位置にあるというのに、畑へ出ている村人の姿が全く見えないのだ。

 10月も下旬とはいえ、まだ霜が降りるには早く、野菜類など充分に収穫が見込める時期であるはずだ。


 集落に着いた時に、3人で手分けして各戸を回ってみたのだが、この家の住人以外はすべて留守であった。

 まるで、村の入口にあるこの家の住人だけが、村への訪問者の応対用に残されていたかのように。


「ああ他の村人たちは、祭りの準備とかでその辺で忙しくしていますよ。

 じきに戻ってきます。」

 男は、テーブルの上のお茶をおいしそうに啜った。


「お祭り・・・ですか?」

 ジミーは訝しげに聞き返した。


「はい、そうです。秋祭りですね。

 今年の収穫を感謝する。その為の祭りです。」

「へえ、良いわねえ。

 お祭りっていうと、屋台とか夜店とかで色々と買い食いが出来るのよね。

 楽しみー。」


 ミリンダは、かつての文明の遺跡で見かけたタウン誌の情報から、写真を見ただけではあるが、両手いっぱいに持ったイカ焼きや綿菓子などを想像して、うっとりとした表情をしている。


「おいらが仙台市に居た去年までは、そういった風習はなかったけど、今年から始めるのですかね?」

 ジミーが念を押すように確認をする。


「え・・・、ええ。過酷な納税もなくなって余裕も出来てきたことだし、今年から祭りでも始めようかという事でしてね・・・。」

 男は、余り気が入ってはいない様子で返事を返してきた。


『バタバタンバタバタ』家の窓を叩きつける様に、強い風が吹いてきた。

 ハルたちが窓を見ると、ガラスになにか黒いものが付着している様子だ。

 それは、文字のようにも見える。


「湖?なんか湖っていう漢字に見えますね。」

 窓を見ていたハルが、何気なしに呟く。


「ああ、そうだね。」

 ジミーもそのまま答える。


「湖だって?な・・・何もない・・・。

 何もないんだ、ここで待っていれば、村の人たちはいずれ帰ってくる。」

 それを聞いた男は、突然慌てだして、玄関の扉の前に立ちふさがった。


「一体どうしたっていうんですか?」

 その様子を見たジミーが、立ち上がって男の元へと歩み寄る。


「な・・・、何でもない・・・。

 お前たちは、ここから一歩も動くな・・・。」

 男の妻が包丁を手にかざしながら、一緒に玄関の前に立ちふさがる。


雷撃(ライガー)!!!」

 ミリンダが唱えると、細い稲光が彼らの頭上に襲い掛かる。

 二人とも一瞬で気絶して倒れてしまった。


「なんかおかしいわねえ。」

 ハルが治癒魔法を二人に掛けてやっている傍らで、ミリンダは腕を組んで考え事をしている。


「湖と言うのは、多分この村の西側にある湖の事だと思う。

 まずはそこへ行ってみよう。

 どうやら、おいらたちをそこへと行かせないように、待ち受けていたようだからね。」

 ジミーは二人の体を玄関わきに寄せると、軽くロープで縛ってその一端をテーブルの脚に結びつけた。


「何者かに操られているのだったら、危険な事もしでかすかもしれないから、とりあえずは縛り付けておこう。」

 2人の様子を確認した後、3人は家から外へと出て来た。


「多分、ゴローさんだよ。」

 ハルは窓に貼り付いた灰色の粉を払い落すと、布製の袋に詰める。

 村の外には既にミッテランと魔物たちが来ていて、周りの家々を詳しく調べている最中の様だった。


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