109話
17
永い永い暗闇を進んで行くと、やがて1本の淡い光を発する線を越えた。
すると、途端に視界が開けてくる。
真っ暗なのは変わりないのだが、ぼんやりとした幻影を見ていたような先ほどまでとは違い、はっきりと周囲に空気を認識できるような感覚に変わった。
更に進んで行くと、その先には数人の兵士たちが立っていて、更に既に閉じているはずの黄泉の穴への巨大な扉が、開いたままになっていた。
「これはこれは、マイキー姫様、ご無事でお戻りになられましたか。
しかも、連れ立っているのは、行方不明になった国民たちでありましょうか?
さすがは姫様、無事に探索を成し遂げられて、国民たちを解放してくださったのですね。
かつてない快挙でございます、国王様もお喜びでしょう。」
マイキー達の姿を見つけて、真っ先に駆け込んできたのは、クロッキー執事だった。
「私たちが、この時間に戻ってくることを知っていて、ここで待っていたのか?
本来ならば、何日間も待機する予定ではなかったであろう?」
そんなクロッキーに対して、マイキーは訝しげに尋ねる。
「何をおっしゃいます、そんな何日も経ってはございませんぞ。
姫様たちが旅立たれてから・・・、大体8時間30分ほど経過しただけでございます。」
クロッキーは腕時計を確認しながら、明るく答える。
よほど、マイキーが無事に帰還したことがうれしいのだろう、声が弾んでいる。
「やっぱり、おいらが考えていた通りだ。
入口へ戻って出た場合は、中で過ごした時間の十分の一、つまり現世と同じ経過時間に調整されて出てこられるんだ。
でも、おいらたちが入ったのは既に夕方で、黄泉の穴ももうすぐ塞がるという時間だったはずだ。
すると今は、真夜中という事になりますが、やはり、おいらたちがこの時間に戻ってくるという事を、何らかの方法で知ったという事ですか?」
ジミーはやったとばかりに喜んでみせたが、すぐに気を取り直して、やはりマイキー同様、不思議そうにクロッキーに尋ねる。
「い・・・いえ・・・、我々も姫様たちを見送った後、一旦戻ったのですが・・・。
突然、空に竜が・・・神龍でしょうか・・・が現れたという報告が届きまして・・・、しかもこの黄泉の穴のすぐ真上という事でして、これは姫様たちの身に何か重大な事が起きたのではないかと思い、軍を率いて参りまして、ここで待機しておりました。
神龍様の姿を一目見ようと、国民たちも集まって来ていて、洞窟内はごった返しております。」
クロッキーが後方を時々見上げながら、答える。
「ポチじゃないの?
あいつったら、ハルが呼び出したときは来なかったくせに・・・、こんなところでサボっていたというわけね。
行って見ましょ。」
ミリンダが、ハルの手を引いて駆けだした。
ジミーたちもそれに続く。
途中、一緒に連れて来た人たちが、洞窟内に集まっていた知り合いに出会ったのか、涙の再開シーンがそこかしこに見受けられた。
心なしか、どの人も先ほどより若返ったような感じがする。
洞窟の入り口の階段手すりにつかまって空を見上げると、確かにそれは竜神であった。
竜神は、月をバックに満天の星空に浮かびながら、洞窟の入り口を見下ろしている。
「なによう、呼んだ時に出てこられなかったから、謝ろうと思って待っていたというわけ?
なかなか、いい心がけじゃないの。」
ミリンダが空を見上げながら叫ぶ。
「いや、そうではない・・・。」
竜神は静かに首を振る。
「ハルが呼び出した時に、お前たちがいた空間は、現世ではない・・・黄泉の国だ。
わしは、現世でしか実体化できないものでな、仕方がないので、ここでお前たちが出てくる時を待っていた。
呼び出されても、わしが出て行かない時に、異常に文句を言いたがる奴もいることだしな。」
竜神は、ミリンダをあてこするような答え方をする。
「なによう、あたしたちが呼び出した召喚獣はちゃんと召喚されたわよ。
それなのに、神なんて言っている竜神様は出来なかったというわけ?」
ミリンダは腕を組んで胸を張り、威勢よく叫ぶ。
「黄泉の国というのは、現世の人間たちが直接入ることは出来ない世界だ。
お前たちは黄泉の穴で肉体を置いて、魂になって入って行ったのだ。
お前たちの召喚獣というのは、前にも言った通り、お前たちの意識が作り出した偶像だから、そんな空間でも出現した・・・というより具現化したように見えたというか、お前たちがそう認識しただけだ。
しかし、わしの場合はハルの魂と直接繋がりのない存在であるため、呼び出しを聞くことは出来たのだが、黄泉の国へ入ることは出来かねたのだ。
方法はない事はないのだろうが、危険のない黄泉の国の中での事、わしが出向くような困難な事情はないだろうと踏んだわけだ。」
竜神は淡々と答える。
「そうですか・・・、でも黄泉の国は地獄へつながっていて、亡者として黄泉の国へ来た人たちの苦手な事を調べてから、それを地獄で修業を積んで克服していく場だと聞きました。
地獄と言えば、神である竜神様が関与していてもいいと考えますが、違いますか?」
ジミーが、はるか上空を仰ぎながら尋ねる。
「わしは、地獄を統括する立場の神ではない。
しかも、お前たちが行ってきた黄泉の国というところは、地獄でも何でもない。
いわゆる魂の修練場だ、そう聞かなかったのか?
そこを地獄と言うのは構わないのだが、人間たちが一般的に言う地獄というところは、生前に悪いことをした人間が、死んだ後に連れて行かれる場所ではないのか?」
竜神が聞き返す。
「は・・・はいそうです。おいらもそのつもりで言っています。」
「そうであれば、そこは地獄ではなかったことになる。
黄泉の穴から通じる黄泉の国というところは、魂の修業の場であり、生きた人間の魂が入って行くところだ。
ふうむ・・・、良く出来ておる。」
竜神は、ジミーたちの後方の洞窟の向こう側をじろじろと眺めている。
岩山を透視して、中を確認することもできるのだろうか。
「今は黄泉の国とはつながってはいないので、その残像で確認できたことだけなのだが、8階層に分れていて、其々の仕掛けをクリアーできれば次の階層へ進めて、無理なら自動的に最下層へと送られる仕組みのようだ。
最下層も並行して7つの部屋に区切られていて、その先に広い空間があって現世へ戻る扉がある。
お前たちも、そこを通って戻って来たのかな。
扉はもう一つあるが、その先は・・・、別次元につながるようで、残像だけでは確認が取れん。
ざっと、今言ったような造りだ、違うか?」
竜神は、黄泉の国の構造を言い当てた。
「はい、おいらたちが通って来た黄泉の国での出来事と、竜神様がおっしゃったことは、ほぼ同じです。
でも、おいらたちは現世へ続く扉も、もう一つあった天国へ通じる扉も、どちらも使わずに、通って来た道を戻って、入った入口から帰ってきました。
間違った判断だったでしょうか。」
ジミーが少し不安そうに問いかける。
「何を持って間違いとするかは、個人の判断だから、わしには何とも言えん。
しかし、どうやら現世へ続く扉を使って帰ってきておれば、お前たちが苦労した黄泉の国で過ごした時間が解消されて、入った時とほぼ変わらぬ時点に出ることができたはずだ。
数時間だが、時間を無駄にしたことになる。」
竜神はゆっくりとした口調で答えた。
「そ・・・それは、どういった事でしょうか?」
ジミーが少し焦り気味に尋ねる。
「うん?どういったと聞かれてもなあ・・・。
ちょっと難しい話となるが、現世へ続く扉というのは、その人間の魂が黄泉の国へ入った時間を記憶していて、その時間と寸分たがわぬ時間に戻してくれる機構がある。
しかし、全く0分とか0秒ではない。
なにせ、マイナスの時間にはできないからな。
ある程度安全な時間を見こして、数秒から数十秒先の時点へと飛ばされる。
だから、黄泉の国をクリアーして正規に戻って来た者は、出入り口の通過時間を考慮に入れても、入ってから数分経過しただけで、戻ってこられるのだ。
たったそれだけの時間で、本当なら何日間もの長い時間を要した、魂の修業が成し遂げられたことになるのだから、随分と得をすることができるというものだ。
だから・・・、おまえたちが取った選択は・・・間違いという事になるのかのう。」
竜神は、少しさみしげに答える。
「い・・・いえ、おいらたちの今回の目的は、魂の修業ではなく、黄泉の国へ迷い込んで戻ってこずに行方不明になった人たちを助け出すことでした。
だから、おいらは間違った選択ではなかったと思っています。
ところで、竜神様の説明で、黄泉の国をクリアーした人たちが、数分間だけの滞在で戻ってきてしまったことは理解できましたが、それでも黄泉の国で何日間も過ごしたのであれば、その時の記憶があるはずです。
それなのに、その人たちは何も覚えてはいませんでした。
その為に、何もせずに逃げ帰ったと言われているのですが、現世への扉を通るときに、黄泉の国で過ごした事をすべて忘れさせてしまうような、記憶の操作が行われているのでしょうか?」
ジミーの問いかけは、まさにマイキーの兄たちの部隊の事を指しているのだろう。
そのことを察した、マイキーの表情も硬くなる。
「いや、そのような仕掛けは見受けられない。
しかし、黄泉の国で過ごした何日もの時間は、秒に直せば何十万秒、何百万秒にもなるだろう。
そんな長い時間の記憶を、肉体に戻るときのたった数秒間の経過時間内に、一気に流し込まれたら、どうなってしまう?
恐らく記憶装置としての脳は、オーバーロードして壊れてしまうだろう。
それを守るため、人は無意識のうちに、記憶をシャットアウトして脳を保護するわけだ。
多分、断片的でいくつかの場面を脈絡もなく覚えているだけになってしまうだろうな。
お前たちが、黄泉の国での出来事を覚えているのだとしたら、元来た道を戻って入口から出たものだから、現世での経過時間を調整するだけに終わった、つまり中での十倍の時間の記憶が肉体に戻るときに受け継がれた訳だ。
このくらいなら、脳も処理が可能だから、記憶として残ったのだろう。
全ての記憶が残ったかどうかは、定かではないがな。」
竜神の言葉に、思わずマイキーもマルニーもその場に座り込んでしまった。
長年にわたった兄姉の不名誉が、今ようやく解消されようとしているのだ。
それは、ジミーたちだけではなく、この場に居るたくさんの国民たちが、同じく竜神の言葉を聞いて、納得していることだろう。
「やっぱり、おいらの思った通りだ。
恐らく、ダロンボさんが言っていた通り、やはりあそこは地獄で、そこは魂の修業の場だったんだろう。
ところが、修行を終えると現世へ続く扉を通って戻ってくるから、中での記憶がほとんどなく、断片的になってしまう。
そうして、針のむしろとか血の池などの厳しい環境や、鬼たちの恐ろしい姿だけの瞬間的な画像だけを断続的に思い出して、地獄とは悪いことをした人たちが死んだ後に行って、罰せられる場所だと勘違いしたのじゃあないかな、本来我々が考えている死者が行く地獄は、竜神様は教えたくないのだろうけど、別にあるのだろうね。
だから、ダロンボさんは親切心で現世へ続く扉を勧め、トロンボ君の方はもっとハル君たちと一緒に居たいと思ったから、呼び止めただけだったんだろうね。
黄泉の国と現世での時間の進み方の違いと言い、長年黄泉の国に住んでいるダロンボさんたちにも、知らないことが結構たくさんあるという事だろう。
でもこれで、お兄さんたちの名誉も晴れるだろうし、良かったなあ、マイキー。」
ジミーは、へたり込んでいるマイキーの肩を軽く叩いて、笑顔を見せた。
「で・・・でも・・・、仮に現世への扉を使って戻ると、入った時間と数秒後に戻されて、何も記憶することができないとしても、一緒に助け出した人たちがいたはずじゃない。
その人たちがいれば、少なくとも何人かを救出した事実はあったはずなのに、記憶を失ったために救出された人たちも知らないふりをしたというの?」
一応、不名誉な事柄は晴れそうではあるが、それでもマイキーには納得できない事がある。
下手をすれば、助け出した国民にも裏切られていたことになってしまうのだ。
「いや、入った時と変わらない時間に戻されるという事が、関係しているのさ。」
ジミーは自信満々に答える。
対するマイキーには、何の事かさっぱりと言った目つきだ。
「助け出された人たちは、お兄さんたちの部隊が黄泉の穴へと入る、何年も前から黄泉の国で過ごしていた訳だ。
だから、その何年も前の時間に戻ってしまったんだ。
そうすると、どういう事が起こるかわかるかい?
お兄さんたちに助け出された人たちは、実はお兄さんたちと関係なく、黄泉の穴から普通に戻ってきたことになるのさ。」
「えっ、どういうこと?」
ジミーの説明を聞いても、マイキーはちんぷんかんぷんの様子だ。
「つまり、その人たちが黄泉の国へ入った時点に戻されてしまうと、お兄さんたちが探索に行くずっと前に戻ってしまう訳だ。
そうすると、お兄さんたちの探索時点では、それらの人たちは既に現世に戻っているから、お兄さんたちの探索に関係なく戻ってきたことになってしまうのだな。
つまり、過去が書き換えられてしまう訳だ。」
「そう言えば、第1回目の探索時に、数分で帰ってきた第1小隊から第3小隊メンバーの、断片的に思い出される記憶の中で、黄泉の国で出会ったとされた人々ですが、調査してみると、行方不明者のリストに入ってはいたものの、実際には国内に生存していた人たちばかり十数人でした。
当時は、その事情を知っていた部隊員が、自分たちの言い訳の為に使用したと揶揄され、ますます名を貶める行為と批判されたものでした。
では、それらの人たちは、やはり彼らに助け出された人たちだったのですね?」
マルニーの言葉に、ジミーはこっくりとうなずく。
「おいらの勘が当たっていてよかったよ。
実を言うと、ちょっとドキドキだったのだけど、これしか方法はないという結論に達した。
しかし、こうなってみるとますますわからないのが、3日間粘っても先へ進むことができずに、引き返したムーリー小隊の証言だ。
彼らよりずっと前につり橋を通過して行った、マイキーの兄さんたちの隊を見送っているはずだ。
そこまでの時間だって、黄泉の国の中では何時間かは経過していただろう。
しかも、彼らが引き返してきた姿を見てはいないと言っているのだろう?
そりゃ、見られるわけがない、最終ダンジョンまで制覇してしまったわけだし。
それなのに、どうして彼らの方が先に逃げ帰ったと証言したんだい?
ムーリー小隊のメンバーは、中での記憶を失ってはいないはずなのに、不思議なんだ。
もし、ムーリー小隊の証言が違っていたら・・・、マイキーの兄さんたちの隊は自分たちが進めなかったつり橋を渡って、先へと進んでいたって証言していれば、事態はもっと違っていただろう。
数分で引き返した事実は曲げられなかったとしても、黄泉の国の中で何か特別な事が行われていたという、警戒がなされて、次からの探索がもう少し違った体制になったのではないのか?
そこのところがどうしても理解できずにいて、自分の考えに自信が持てなくていたのさ。」
そう言って振り向いたジミーの視線の先には、頭のてっぺんからつま先まで、鋼鉄製の甲冑で身を固めた鎧武者の姿があった。
ムーリー親衛隊隊長だ。
マイキー達の鋭い視線が、その姿に注がれる。
「い・・・いやだなあ。僕がどうかしたっていうのかい?
兄貴や、王子、王女の隊がどうしたかなんて、覚えちゃいないよ。
先へ進んでいたのだとしたら、僕が知らないうちに行ってしまっていたのさ。
いつの間にか目の前からいなくなっていたし、その彼らが数分で戻ってきていたという事を帰ってから聞いて、それなら彼らはすぐに逃げ帰ったんだろうと証言しただけさ。
そ・・・そんなことでうその証言をして、いったい僕にどういった得があるというんだい?」
ムーリーは、少し落ち着きのない素振りを見せながらも、何とか答えた。
「得はあったでしょう。実際、その証言も加わって、王子たちは王位継承権も外されてしまい、代わりにあなたの立場が上がった。
更に親衛隊長にまで上り詰めた。
しかし、おいらが分らないのは、当時のあなたがここまでの変化を予想して対応できたのかという事と、あなたの実の兄の評判が落ちてまでも証言を変えなかったことなんですよ。
先の小隊がどこへ行ったのか見ても居ないなんて言っても無駄ですよ、詳しくは約束があるから言えないが、あなたたちの部隊は4列・・・つまり4つの小隊で進んでいて、そのうちの3小隊が先へと進み、1小隊がつり橋手前で動けなくなったと聞いています。
つまり、あなたたちの小隊は、確かに前の3小隊を見送ったはずなんだ。
知らないとは言わせませんよ。」
ジミーは強い口調でムーリーを責め立てる。
「い・・・いやだなあ・・・。つり橋がかかっている絶壁を見て、目がくらくらしてしまって、周りなんか見てはいられなかったよ。
僕は高所恐怖症だからね。
もし見ていたとすれば、僕の小隊のメンバーが見ていたかも知らないけど・・・、但し、そう言った証言を僕は聞いていないよ。」
ムーリーは平然と答える。
「では、つり橋の前までならどうでしょう。
絶壁を見る前までは、あなたも恐怖を感じてはいなかったはずだ。
その時点までは、他の3小隊と一緒に居たことは認めますか?」
ジミーは尚も強い口調で問い詰める。
「うーん、どうだったろうねえ。
何年も前の事だしねえ、覚えてはいないなあ。」
ムーリーの返事は頑なだ。
「ヘタレが何を言おうと関係ないわ。
スターツ兄さんたちの名誉が回復しただけで十分よ。
もう遅いし、帰りましょ。
ムーリー小隊の事は、明日にでも調べれば十分よ。」
マイキーの言葉で、ここはお開きという事になった。
「じゃあ、わしはもう戻っても良いのだな。」
すっかり忘れ去られた存在になっていた竜神が、上空から話しかけてくる。
「ああ、はい・・・。ありがとうございました。
おかげさまで、色々と分らなかったことが理解できました。」
ジミーは上空へ向かって深々と頭を下げた。
「最後に一つだけ・・・質問があります。
今回、地獄で本当に角を生やした鬼と出会いました。
そうして、我々が前回戦っていたのも鬼と言われている生き物というか、精神体です。
もともと、黄泉の国に居た鬼たちが現世へ出て、人間たちに災いをもたらしていたという事なのですか?
ダロンボさんたちはずいぶん親切に見えましたが、一部の鬼たちに人間たちは恨まれているのでしょうか?」
ジミーは上空に向かって、どうしても解消しておかなければならない疑問を投げかけた。
「そうではない、あいつらは前にも言った通り、元は人間だ。
人に災厄をもたらし、魔法というか妖術を駆使してその力を増していく過程で、人間たちが恐れる鬼の姿を借りることにしたのだろう。
つまり、あいつらは人間たちが持つ地獄のイメージを、利用しようとしていただけの事だ。
黄泉の国の鬼たちとは何の関係もないだろう。」
そう言いながら、竜神へ天へと帰って行った。
ジミーも、胸の奥に残っていたわだかまりがとれて、ほっとした様子だ。




