47.閑話 とあるお茶会 4
遠いところのお茶会、その4です。
最終改稿日2015/04/12
『さてと。……理由を聞かせてもらおうか?』
白い円卓の席にただ一人腰掛けて目の前に正座してうなだれている三人――ナーシャとアルカイト、そしてエリシアに普段は優しく微笑みを絶やさない好青年が厳しい顔つきで問い掛ける。
『ナーシャ。お前は私の可愛い兄妹たちを束ねる主神としての自覚はあるのか?』
「ご、ごめんなさい……兄さま……」
『アルカイト。いつからお前は尊大になれるほどの事を為したというのだ?』
「面目ない……兄貴……」
『エリシア。……上の二人が暴走したとき、どうしろと私は言ったのだったか?』
「……すぐにアレスお兄ちゃんを呼べって。……ごめんなさい」
アレスは更に小さくなる三人を呆れたように見下ろし、ため息を付く。
『それから。お前たちは神の奇跡と言うものを安易に考え過ぎていやしないか?』
ビクッとナーシャが震えて元々青い顔色を蒼白に変える。
『異世界から迷い込んでしまった少女の方がお前たちよりも世界のバランスについて理解しているとか……その点、どう思っているのだ、ナーシャよ』
ナーシャは俯き何も答えられなかった。
『……お前の過保護が回り回ってあの娘に災いを呼ぶ事があることに気が付いておるのか、と聞いておるのだ』
「……可愛さのあまり盲目でございました」
『私があの娘の転生を許可したのは我々の不手際に関する詫びと礼を示すのが理由であった』
『そしてあの時あの娘が望む事を叶えるとお前は約束したのであろう?』
ナーシャは自分の愚かさ加減に涙を流し悔いた。確かにここの所の出来事は彼女の願いに程遠い。
『アルカイト。お前は我々が何によって存在を許されているのか理解しているのか?』
「……理解、していたつもりだった」
『……答えて見よ』
「人の子らの祈り、願い、想い、喜び、そして感謝だ」
『この前のあれはそれらを得るにふさわしいとでも思っているのか?』
「……」
『エリシア。お前の癒し、輝きは……誰のものなのだ?』
「少なくとも特定個人のものではないです。反省しています……」
『そうか。分かっているなら良い』
そろそろ足の感覚も無くなってきているだろう三人にアレスは裁定を申し渡す。
『まず、今後は寵愛が対象が望まぬ限り安易に逢うことは禁ずる。これは全員だ……アルカイトのそれは論外だから外せ』
『それから、一番責任を果たさずにいたナーシャ。この後親父から百叩きな。勿論、尻だ』
『力を使うなとは言わないが使ったら理由書をあげること。不適切だったら親父行き』
「「「はい……ごめんなさい……」」」
『よし。では行くぞナーシャ。アルカイトとエリシアは他の兄妹たちに説明してくること』
言うだけ言ってアレスがナーシャを連行して行くのを兄妹はお通夜のように見送るのだった……。
今回はお説教回でした。まあ、しょうがないよね。




