1話 プロローグ
友達という言葉がある。
その定義は人によって様々だ。
「一緒に飯を食べたなら、友達じゃん?」
なーんて言う人間がいる。
俺は、そんなふざけたことを言う人間には近づかないようにしている。
何でそんな簡単に友達のラベルを貼るのだろう。
もしも相手が自身のことを友達だと思っていなかったら、恥ずかしくないのだろうか。
“友達”とは、相互的である。
“友達になる”とは、契約である。
片想いでは、成立しないのである。
よく、漫画なんかで「友達になってくれますか?」という言葉がある。
これは、「私には、貴方を友達とする準備ができています。あとは、貴方の認証だけです」という意味である。
これに対して、「今更、何言ってんの?元々友達だったでしょ?」と言う奴は、ただの思い込みが激しい奴である。
嗚呼、可哀想に。
勝手に契約した気になってさ。
恥ずかしくないのか?
え?
特に問題が見当たらない、って?
では、”友達”を”彼氏”に変えてみよう。
「私の彼氏になってください」
「今更、何言ってんの?元々彼氏だったでしょ?」
これについて、どう思う?
その男をとても痛い奴だと思わないか?
え?
“友達”と”彼氏”では状況が違いすぎるって?
俺は、そう思わない。
どちらも、とある人間の肩書きに過ぎないからな。
俺の友達のハードルは高い。
まず、上記のように、契約が存在すること。
そして、自分の感性を押し付けてこないこと。
そして、お互いの利になること。
人によっては、三つ目に抵抗があるかもしれない。
だが、考えて欲しい。
何の利益も生まない人間を信頼できるか?
信頼できる理由は、相手に実績があり、それを利用できるから。
つまり、相手に信頼を求めるということは、利益を求めるのと同じなのだ。
「私はあなたを信頼しています」は、「私はあなたが私の利益になることを確信しています」という事と同じなのだ。
これは、そんな考えを持った俺が高校に通う物語である。




