表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】不倫の神様|結  作者: 天狗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/19

LOG.10|普通とは|Hong Kong





2号機…3号機…


そう呼んでいた、

ミカレプリカ。


つまり、

不倫相手が増えていき、


順調に、"不倫の神様"だった。




そして4人で遊ぶのも、

すっかり慣れてきた、

そんなある日。




男2人、自宅にて…








リュウト

「お!なんだこれ!」






ニートが

スマホ見て何か騒ぎ出した。






シン

「おい、風呂は?」

「クセーから風呂入れ」






リュウト

「サウナ付きバーベキューだってよ!」








シン

「聞いてんのかニート!」








リュウト

「4人でいこうぜ!」

「ブリブリでサウナ入ろうぜ!」








リュウトが

インスタの動画を見せてきた。






\今流行りのサウナ付き/


\バーベキュー場、知ってる~?/






シン

「相変わらず話聞かねーな」

「お前なぁ...」






\セルフロウリュウもあって~/



\こだわりの国産牛が~/






シン

「......ここ、めっちゃいいな」









リュウト

「だろー!?」

「いこうぜ!」

「昼間なら予約取れそうだぞ!」






ニートなのに…



なんでお出かけ嬉しそうなんだよ…




いつでも行けるだろ、お前は…






俺は

リュウトにあきれて

iQOSをくわえた。







シン

「そうだな、いこう」

「で…お前よぉ!」

「サウナは分かったから風呂入れ!」

「足がクセーんだよバカが!」








俺はリュウトのケツを踏んだ。








リュウト

「んぎゃー!」






リュウトは、痔だ。



ざまぁみやがれ。


あと食費くらい払え。



そして死ね。









ーーー






後日。



貸切サウナを予約して、


朝っぱらから

2号機達と合流した。





言わずもがな、

皆そろって不倫なので


遊べる時間は

9:00~16:00くらいだ。





その間で

サウナで吸いまくって、

バーベキューやって、

吸いまくって…飲んで…


という作戦だ。








2号機

「おまたせ~!」







3号機

「見て~大量~!」








3号機が

数え切れないほど

セヴァンスターを持ってきた。








小さいカバンに

ギチギチに詰まっていた。








リュウト

「うっひょー!」

「ほぼシンが吸えよ!」

「俺達は少なくていいからよ!」









シン

「なんでだよ」

「皆で均等に、」







リュウトが

ポンと俺の肩をたたく。








リュウト

「お前の金じゃん、全部」

「いつも出してくれて ありがとう」

「俺、居候だし、皆は人妻だし」

「だから たまには欲張れよ!」








2号機

「いや、ホントそうだよね」

「いつも ありがとう!」







3号機

「いつも ありがとね!」

「イッちゃってください!」







リュウト

「さ!遊ぼうぜ!」

「大人の遊びだ!」

「いつも我慢してんだろぉ?」

「社長さんよぉ!」






シン

「お前ら…」

「バカばっかりだ…!」







お礼の品が

セヴァンスター欲張りセットは

バカすぎて嬉しかった。



安心さえした。



やっぱコイツら、

ガチのバカだなぁ、と。









シン

「俺のほうこそ…!」

「いつも…! ありが、」






リュウト

「あ!Suica切れた!」





空気を切り裂く、

リュウトの意味不明告白。







2号機

「あら?」

「はぁい、もしもし?」





ゴミタイミングで鳴る、

2号機の電話。







3号機

「…ぷっ」

「私は聞いてるわよ?」





この光景が、

面白くて仕方ない3号機。









俺は肩を下げて息を吐いた。







まぁ……いっか。









そんなこんなで

最寄りの駅へ到着。










ーーー









気づけば俺は、


ありえない量を

一人で吸いまくった。





ぐわんぐわんと

地面が回る。








シン

「よし!サウナだ!」

「と思ったけど、待て!」

「マンチだ!」







よたよたと

焼肉のほうへ行くが、

その道の途中にエナドリを発見し、

エナドリをイッキ飲み。





そして焼肉のほうへ

行こうとするが、

その奥にケーキを発見。

イッキ食い。





そして焼肉を食べるのを忘れ、

またソファで吸った。








シン

「あ!違う違う!」

「焼肉だ!」

「違う、サウナだ!」







そんな

キマリまくってる俺を見て

リュウトは爆笑した。








リュウト

「歩き方ロボットじゃん!」

「ぎゃはは!」

「ペッパーくん!」

「ぎゃは!ペッパーくん!」








面白がって、

スマホで動画を撮るリュウト。









2号機

「ほら焼けたよ~」






ブリブリすぎて

全く焼けてない玉ねぎを

フラフラと運んでくる2号機。











3号機

「………」






とても美人とは思えない、

眠そうな顔でケーキを食べる3号機。


無言でマンチを楽しんでいた。









皆、目が真っ赤で、

それぞれでキマっていた。




どうでもいい話で笑い、

時には誰かが突然泣き出し、

そんなこんなで16:00になった。





皆で肩組みながら

電車に乗った。






周りから見たら

"ただの酔っ払い"だった。







ーーー




その次の日、

俺のタスクカレンダーに

美容室の予約が追加されていた。




…が!



一切記憶にない。




記憶はないのに、

未来だけは決められていた。




グループLINEで聞いてみた。





シン

『おい、お前ら』

『この美容室なに?』

『俺の名前で取った?』





リュウト

『知らん』

『てか見て』

『デケェ虫いた』



大きめのカナブン的な虫の、

キモイ写真を、

送り付けてくるリュウト。





シン

『黙れ死ね』





2号機

『ウチが予約した!』

『覚えてないの?』

『髪切りたいって言うから』

『ウチの行きつけ紹介した』

『もー!吸いすぎー!笑』





3号機

『虫、よかったね』

『おっきいね』






シン

『そうか』

『じゃあ切ってくるわ』

『ありがとう』





リュウト

『だろ、3号機ー!?』

『シンには分からないか!』

『このデケェ虫の良さが!』






シン

『黙れ死ね』





俺はスマホを閉じた。






紹介してくれた店は

俺の整骨院から距離はあったけど、


一度行ったら気に入って、

そこから通うようになった。






ーーー






その美容室で俺はいつも、

髪を茶髪に染めてもらっていた。


仕事がパンパンすぎて

日中は時間が作れない。



だから、特別に

”夜の21:30スタート”

で髪をやってもらっていた。




4号機は雇われの美容師なのに、

そんなワガママに付き合ってくれる、

珍しく融通の効く人だった。







身長は160くらい。

顔はカワウソっぽい可愛さ。

金と黒が混ざったショートボブ。



そして、たわわ。


特に深い意味はないが、

アルファベットで言うと F 。


うむ。“たわわ” だ。






ーーー







髪を染めながら、


どうでもいいことを

他愛もなく喋っていたある日、

ふと酒の話になった。



俺は反射で、

いつものクセで口走った。






シン

「オススメのバーがあるんすよ」

「バーなのに、コロッケがさ…!」

「やたら美味いんだよ!マジで!」






言った瞬間、胸がズキッとした。




あぁ、そうだ。

しばらく行ってない。


マスターの顔、

見るのが気まずい。






まぁ、

オススメだけして終わるつもりだった。


普通は、そうなる。



だが…

4号機は、普通じゃなかった。






4号機

「え、いいじゃん」

「行こーよ今度、一緒に!」






軽い。

軽すぎる。


一応、

理性の残りカスで抵抗してみる。







シン

「いやいや…」

「既婚者じゃないですか」






4号機は、

ケラケラ笑いながら返してきた。






4号機

「なんで?飲むくらいダメ?」

「変なことする気なの?」

「てか旦那、今香港だよ?」








シン

「香港?」








4号機

「うん、海外出張」

「2ヶ月戻ってこないの」

「だから大丈夫」

「心配かけないよ、旦那には」







その一言で、俺の中で、

カチッと何かが噛み合った。






シン

「……行きますか」






これは仕方ない。


旦那が香港の、たわわ。


断れる男のほうが、レアだと思う。










ーーー









数日後の夜。

俺たちはマスターの店へ。


カランコロン、とドアを開ける。






マスター

「いらっしゃ、」

「あ!」






シン

「マスター……!

「久しぶり……!」






5億年ぶりに、

自分の“特等席”に座る。


ミカと出会ったのも、ここだった。




カウンター、一番端の席。






マスター

「おう!待ってたぞ!」

「元気そうで良かったよ!」

「いつもの、でいいのか?」






さすがマスター。


撮影どうだった、とも

ミカについても何も聞かない。


まぁ、当たり前だよな。


ミカ以外の女を連れてきて、

ミカの話なんか出来るわけがない。





そして……

この席に座ると、


ミカ元気かなぁ…と

ふと思ってしまう…。







シン

「いつもの麦焼酎で」










4号機

「じゃあ私はハイボールで」








グラスが並び、氷が鳴る。



どうでもいい会話で笑って、

酒が進んで、

店を出た、

そのあとだった。








4号機

「今日さ」

「実家に子ども預けてきちゃった」

「まさかウチのこと…」

「大人しく帰宅させないよね?」






シン

「俺、帰したいなんて言ったか?」







この頃の俺はもう、

ミカ様に鍛えられすぎていた。


そこらの女の“軽い誘惑”じゃ、

動じなくなっていた。






俺は、




普通じゃない今が、

普通すぎて、


もう何も分かってなかった。









ピリリリリリリリリ







シン

「…ちっ」





4号機

「電話?」






画面には、リュウトの文字。




ダルかったが

一応出てやった。






シン

『なんだ?』

『デケェ虫か?』






リュウト

『ちげーよ!』

『腹減った!』

『助けて!金ない!』

『今どこで呑んでる?』

『合流しようぜ!』





絶対に嫌だ。



邪魔されてたまるか!







シン

『今日は仕事だ』

『リュウトくん、金欠なんだね』

『はっはっは、よく聞きたまえ』

『オススメの方法があるぞ』

『パチスロ行け』

『ジャグラーで稼げ』

『わかったか?』




リュウト

『その手があったか!』

『やっぱシン頭いいな!』

『ありが、』




ブツッ。

電話を切った。




よかった。バカで。









そのまま、

流れるようにホテルへ。


今回は “たわわ” なので、

一番高い部屋を選んだ。







ーーー








部屋に入るなり、

酔いの勢いも混ざって、

空気が一気に変わった。





距離が詰まるのに

さほど時間はかからなかった。





そして、

俺の“首絞めスキル”を、

4号機にも与えた。






4号機

「……っ、なにこれ……」

「やば……うそ……」








最初は戸惑い半分、好奇心半分。




けれど一線を越えた瞬間、

4号機はあっさりと、

その快感に落ちていった。










そこから4号機とは…



「旦那が香港にいる2ヶ月だけ」

という条件で、


“愛人契約” みたいな関係になった。






定期的に会う約束をして、

ホテルの日程まで決めてしまった。




一応、2号機にも報告した。






シン

「そういえばさ、」

「この前、こういう流れでさ…」






2号機

「セヴァンスターの件も含めて…」

「全部ナイショね?」

「会うなら別日ね」

「普通に恥ずかしいから」








……そりゃそうだ。










その一言で、

完全に住み分けルールが決まった。












ーーー







それから約1ヶ月後。


いつものように、

夜の21:30から

4号機に髪を染めてもらっていた。






4号機

「ねぇ……」

「この店で、してみたい」






…めんどくせぇ~。



また変なこと言い出したなぁ…。






とはいえ、空気に飲まれる形で、


俺たちは美容室の

監視カメラの“死角”へ移動した。



シャンプー台の影。

カウンターからも見えない位置。



4号機は上着を脱ぐと、

くるりと振り返って笑った。








4号機

「ね?誰も来ないよ?」

「旦那、香港だし…」








その瞬間だけは、


確かに

“この世界には俺たちしかいない”

そんなように思えた。





本当に静かだった。





が、






その時だった。







バンッ!!







ありえない勢いで、扉が開いた。






「オラァ!何してんだよ!」






4号機の旦那だった。


反射で、

心臓が耳の裏まで跳ね上がる。




香港って、どこだよ…。






あの日、

“愛人契約”の終わりが、

突然やってきた。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ