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タイムリープして、妹をプロデュースする


 前略。

 タイムリープしました。


 ネット小説的定番展開なので、口下手な僕は、自分の人生のついて省略します。変わり映えしない平凡な人生でした。

 しかし、問題が一つある。

 妹と一生暮らして人生終了しました。仲は良かったけど、親からどっちか結婚すると思ったのにと、嘆かれました。


 よって、人生2週目は、妹を結婚させることに心血を注ぎます。

 えっ?「お前が結婚しろ」だって。

 却下。

 僕は一人で生きたい。例外は妹だけです。

 さあ、お前をクラスで一番のアイドルにしてやろう。俺の推し活で。



 おしゃれには、金がいる。交際には金がいる。

 結婚にも金がいる。

 金の切れ目が縁の切れ目ならば、良縁は金で買える。

 人生2週目ならば、どこの企業の株が伸びるかなんて、手に取るように分かる。

 おっと、タイムリープは小1からでした。だから、まったりと金を積み上げたよ。元手は、どこからって。それは、この子は天才だとおじいちゃんおばあちゃんに思わせれば、どうとでもなるさ。

 子供は愛嬌が命。


 まとまった資金で、大学生のときに東大生をゲットさせよう。

 高校生の恋愛?

 アホか、あんなの若さをフリーランチで食べられるだけだ。将来性のない恋愛なんてコスパとタイパ的にノー。

 俺は絶対のシスコン力で、妹を高校時代死守する。

 いいか。主戦場が、青春キラキラ思春期だと思っているやつら。大事なのは、大学生か新卒で優良物件を捕まえることだ。by人生2週目の魔法使い。

 注意。彼女は頭が悪いから、と搾取性の強い東大生は避けないと。


 

 でも、とりあえずは、高校時代にモテていたという成功体験を積ませるのは大事。

 なに、簡単だ。

 完璧な生活は、完璧な女性を作る。可愛いは作れる。

 妹の食事管理は兄の仕事。ゆりかごから墓場まで、兄は妹の人生のレールを敷きます。ファッションの最先端を走り続ける妹に敬礼。

 

「お兄ちゃん、モデルにならないかって、街で声をーー」


「妹よ。モデルは身体に悪い。今の肉体はパーフェクトな、そうヴィーナスも草葉の陰でなく勢いの生命力あふれる健康美なんだ。モデルをしてダイエットでもして、それが損なわれたら、どうする。兄は、サモトラケのニケのように、頭部を失くす勢いで」


「うん。分かった。モデルはしない」


 それでいい。モデルよりも、今は思春期の健康バランスの方が大事。


「お兄ちゃん、クラスの男子全員振ったんだけど、なんだか悪い気がする」


「下半身と脳が直列している猿だと思え」


 1回目の人生では3人にしか告白されていない。所詮、身体目当ての下半身で動くゾンビよ。あいつらは、プランがない。結婚という人生のプランが。50年計画を提出してきたら、話を聞いてあげよう。


「お兄ちゃん、芸能界で女優をしたい」


 おかしいな、今、妹が意思を持った女性のように、やりたいことを兄にハッキリと主張してきたぞ。

 兄は、妹をウエディングドレスにプロデュースする予定で、女優さんにプロデュースする予定はないのだけど。

 兄と妹の共依存はどこに行ってしまったんだ。




 お兄ちゃんに、いい結婚を相手を見つけて上げないと。お兄ちゃんは才能があるけど、ちょっとシスコンすぎる。私よりも、いい女性を紹介して、妹離れさせないと、一生シスコンで終わちゃう。

 女優になればお兄ちゃんにも女性を紹介できるはず。いい女はどこにいるか、女子は群れる生き物、いい女はいい女とつるむ。

 女性のステータス的に、トップオブトップは女優。女は演技力で生きる生き物。

 よーし、頑張るぞいっ。


 可愛くてごめんな感じで、トントンとオトナの階段を登って、映画の主演女優をいただいた頃、兄がキスシーンはダメだと言い始めた。

 どうしよう、キスシーンのNGの女優とか、なかなか難しいことです。キスなんて別にたいしたことでもないのに。わたし、そこまでピュアじゃないよ。

 えっ、結婚式が初キスじゃないと駄目、うーん、兄が妹のウェディングドレス姿に夢を見過ぎな件について。現代の恋愛で、そこまで箱入りで大丈夫なのかな。お兄ちゃん、知ってる、現代は明治じゃないんだよ。


 まぁ、仕方ない。

 奇妙なほど、恋愛をこじらせている兄に従ってあげましょう。しかし、そうなると女優業はあくまで二足のわらじ。何か、別のお仕事もしておかないと。

 理想的な女性は、どこにいるか。

 いや、兄に似合いそうなーー、うんうん、リケジョだね。理系で依存性のない、恋愛にあまり興味ない系のサバサバ女子を見つけよう。

 大学は生物学でも勉強しよう。そして、大学で女子を紹介だ。





 ふぅ、危ない危ない。女優に専念して未婚高収入女子路線に行くところだった。恋愛を神聖視する乙女になるように洗脳し、ゲフンゲフン、教育してきたはずなのに、サラッとファーストキスをワークに捧げようとするのだから。仕事はあくまで仕事。家庭こそファーストなのに。

 女子の「初めて」に男はボロボロに弱いんだから。

 そして、なぜかリケジョを目指し始める妹。

 どうして、こうなった。文学部で、将来はお嫁さんでいいのに。

 一人で生きる力が強すぎる。自己肯定感を上げすぎた。

 さて、でも、もう妹は兄の手を離れた。1度目はベタベタで生活していたが、もう、兄の役目は終わったのだ、きっと。

 放っておいても、結婚するかもしれない。押してダメなら引いてみろ。

 まぁ、そろそろ、2週目人生を楽しむか。


 おかしいな。

 妹の友達が、俺の部屋に入り浸たりまくっている。

 妹の友達が、ガンガンアプローチしてくる件について。俺は、独身を貴族する哲学者なのに。

 男が女に興味あると信じて疑っていない者たちへ、俺は1度目を賢者となって生きたものだ。

 ハーレム系主人公に憧れない木石なり。煩悩退散。


 結婚なんてしないと、キリッと決めてきた以上、女子のアプローチで、出会いがあれば、即落ちする人間じゃあない。


 おかしいな、いつの間にか、同棲している。あれ、初めの3カ月くらいは妹も一緒に生活していたのに。

 これが緻密ななし崩し婚。気づけば、事実上の結婚というハプニング。

 しかし、それでも、俺は、この空間を破砕する。

「僕は、重度のシスコンで、妹と一緒じゃないと結婚できないんだ」

 シスコン・マザコン発言は百年の恋も冷める地雷。

「はい。オッケーです」

 知ってるか、最近は兄の嫁と暮らしてますができる時代なんだぜ。おいおい、嫁姑系の問題はどこに行ったんだ。カムバック。

 


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