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理想です

「アマル、炊き出しは、治療院に集まる人達全員に配るのかい。」と、ご主人様に聞かれた。

「それは理想ですが、恐らく無理なので、治療に来た人と、付き添って来た人、それと文字など学びに来た人達と、治療院をお手伝い頂ける人になると思います。」

「文字の学び?」

「はい、アンジェ文字の読み書きに、簡単な算術が出来て、一緒に手伝って貰える人に心当たりない?」

「先程もアマルは言っていたけど、孤児院の子共達は今でもみんな出来るけど。どうするの?」

「貧民街の子供達に教えて貰いたいの。将来、独り立ち出来るようにして挙げられればと思って?それと私の仲間達この三人にも教えて貰えると助かるんだけど。どうかなぁ?」

「分かったわ、アマルは神父様と同じ考え方をするのね。その事も含めて神父様や子供達とお話してみるわ。」

「ありがとう。アンジェお願いします。」


「アマルの考えている事は大体分かった。色々聞かせてくれてありがとう。先程も頼んだがもう暫くゆっくりして行って欲しい。良いだろうか?」

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えてもう少しお世話になります。それとお願いがあります。昨夜晩餐の席に居た、一番目の息子様ご夫婦と二番目の息子様、それに執事様と侍女様の治療の許可をいただいても宜しいでしょうか?」

「分かった、息子達を呼んでおこう宜しく頼む。それとこの家にいるみんなは私の許可が無くても、治療して貰って構わない。むしろ逆にこちらからお願いしたい。宜しく頼む。」と頭を下げられた。

「此方こそ、快く許可して頂きありがとうございました。所で、一つお伺いしても宜しいでしょうか?」

「何だろう、私で答えられる事であれば構わないが。」


「貴族の方では無いかも知れません、その時はご容赦頂きたいと思います。アルノー様、と仰る方にお心辺りはございませんでしょうか?」と聞いて見ると、何とも言えない空気が流れて来た。

「アマルはその方のお名前をいつ聞いたんだい。」とアンジェのお父様が聞いて来た。

「良かった。ご存知の方なのですね。アルノー様のその後のお加減が気になっていた物ですから。まだアンジェのいる孤児院に向かう前、貧民街から本通りを出た所で、腹痛で動けなくなっていたアルノー様を治療させて頂き、謝礼金まで頂きました。」

「では、昨日貧民街の孤児四人の探索指示が出たのはアマル達の事だったのですね。」と、アンジェのお兄さん達が呟いた。

「どういう事ですか…⁉ 教えて頂いても宜しいでしょうか?」

「アマル、すまないが、他の三人には下がって貰っていいだろうか?」

「いえ、彼等なら大丈夫です。彼等もその時一緒に傍に居て全て見ていましたから。」


「それならば、今アマルが私に聞いた方は、この国の貴族と言うより、王太子殿下だったのです。時々お忍びで王都にやって来ては、国民の生活を見て回られる事がある。今回、王太子殿下が王都視察中に差し込みを起こし途方に暮れて居た時、偶然出会った貧民街の孤児に声を掛けられ、治癒魔法で差し込みを治して貰った。と言う事で、我々に彼女達を捜すよう伝令が出たのだ。」

「その伝令が出たのは何時ですか?」

「昨日の朝だ。」

「私が、王太子様を治療したのは、一昨日前の三時頃、ではあの夜私達を襲った彼等は何者だったのだろう。私達は、てっきりアルノー様の回し者かと思い、家を捨て孤児院に向かったのです。」

         

「そうだったのか、アマル達が王太子様を救けた所を何処からか見ていた奴等がアマル達の事を利用しょうと企んだんだろうな。」

「では、アマル達の事を報告してもいいだろうか?」

「構いませんが、出来ればこのまま見守って頂ければ助かります。」

「分かった。そのように伝えておこう。」

「ありがとうございます。」

「では、此処に長男と次男それに執事が控えている。今長男の嫁を迎えに遣らせている。準備ができ次第治療をお願いしていいだろうか?」

「分りました。ではそれまで、お部屋に戻らせて頂きます。失礼致します。」とアンジェと一緒に皆で部屋に戻った。


その後私の部屋に集まり、侍女さんが入れてくれたお茶を飲みながら話をしていると、侍従さんが皆様お揃いです。と呼びに来てくれた。

「アンジェ、もし良かったら、このお屋敷でお世話になっている間だけでも、みんなに文字や算術を教えて貰える方を紹介して頂けると助かるんだけど、お願い出来ないでしょうか?」

「分かったわ、今日は今から私が教えるわね。明日以降の事はお父様と相談して決めるわね」

「ありがとうございます。とても助かります。では、ちょっと行って来ます。」

「行ってらっしゃい。お兄様達の事、お願いするわね。」

「はい、みんなの事宜しくお願いします。では。」と、侍従さんに連れられ、皆さんの待つ部屋に向かった。


 案内された部屋に入ると、そこには、アンジェのお兄様方が待っていてくれた。挨拶した後まず、長男様にベッドに横になる前に後ろを向いて貰った。

 やはり昨夜と同じ場所下腹部に一カ所こちらは光が少し強いようだ。それと、背中側の、丁度胸のすぐ下に当たる部分が光っていた。執事さんに横に立って貰い、長男様に説明と治療の順番を説明した。そしてその部分に、洋服には触らず、光っている部分の上から手を当てることの了解を頂いた。

 その後ベッドに横になって頂き、いつもの様に治療を開始。まず光が少し強い下腹部から行い、その後うつ伏せの姿勢になって貰い背中からの治療を終了した。

「どうしてこの部分が悪い事が分かったんだい。」

「どうしてか分かりませんが、悪いところが光って見えるんです。」

「そうなのか、背中部分には、少し違和感を、感じて居ただけだったんだが、よく分かったなと思って感心したんだ。只お腹部分は時々痛みがあったので助かった。どちらも何も感じなくなった。おまけに身体も軽くなり本当に助かった。ありがとう。昨日の父上の気持ちが良くわかる。ありがとう。」


 次は次男様、長男様と同じように身体を見せて頂いた、昨日と同じで、胸が光って見えた。次男様も同じように執事さんの身体をお借りして説明した後ベッドに横になって貰い、治療を行った。

「ありがとう。最近呼吸がきつくなったと感じて居たんだ。今は全く感じないありがとう。本当にありがとう。兄さんの言っていた通り、父上の気持ちが良く分かったよ。ありがとう。」

「皆さんに喜んで貰えて、良かったです。」では、奥様の治療に向かわせて頂きます。

 と侍従さんに連れられて長男様の奥様の待つ部屋に向かった。


 侍従さんに連れられ、部屋の前に着くと侍従さんが扉をノックした。中から扉が開き侍女さんが、私を部屋に招き入れてくれた。そこに居たのは長男さんの奥様と侍女さんだけだった。

 挨拶を交わした後、お体を見せて頂いた。胸の部分の光が少し強く、女性の部と背中側の腰の部分が光って見えた。此方も先程と同じで、侍女さんに横に立って貰い、治療を行う場所と順番を説明と洋服の上からは触らないが、光った部分の上に手を当てる了解を得た。奥様の治療の順番はまず腰の治療を先に行い、続いて女性の部分、最後に胸の治療を行う事にした。

 まず奥様には、ベッドにうつ伏せに横になって貰い、治療を行った。その後上を向いた状態で横になって貰い、女性の部分と胸の治療を完了した。

「ありがとう。ありがとう。」と奥様は、両手で私の両手を包み込み、涙を流した。

「貴方が今治療してくれた所は、長男の出産後暫くした頃から、違和感を、感じて居たの、でも恥ずかしくて誰にも言えなかったの。違和感がなくなってとても嬉しい。ありがとう。本当にありがとう。昨日のお父様、お母様の気持ちが本当に良く分かったわー。」

 その後、奥様の治療が完了した事を聞いた長男様が部屋を訪れ奥様と向かい合い暫く見つめ合っていたが、我に返ったお二人は、わたしを労ってくれた。 


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