表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/26

今度はセシール王国に誘拐されました。

 シズルに付いてギルドに着くと……???????? 

 其処はギルドではなかった。

 ギルドに向かっている途中に隠し扉が有り、その扉をくぐって暫く進むと、その先に地上からの明かりが届き、この地下道より明るい場所が有った。その場所は貧民街の端にある、枯れた井戸と繋がっているとシズルが教えてくれた。

 その井戸に着く手前に隠し扉が有り、その扉をくぐると、その先へ進む道はなだらかな上り坂となっていた。スロープを上がるように歩いて行くと、又扉が有った。

 その中は、壁を削って掘っただけの、洞穴の入口の様になった場所だった。

 この道を知る者は数人しか居ない。とシズルが又教えてくれた。


「アマル、此処で、もう暫く辛抱してくださいね。」

「大丈夫です。シズルには迷惑かけてすいません。」

「アマル、お婆さんの顔じゃなくなっていすよ。」

「あ!そうだった。でも、誰がこんな事をしたんでしょうか?」

「分りません。只、此れだけの幻術が使えるとなると、教会が絡んでいる可能性も視野に入れる必要があるかも知れません。」

「そうですか。今後の参考にしましょう。では、シズル、私から改めて質問してもいいですか?」

「何でしょうか?」

「貴方はいったい何者?」

「それはどう言う事でしょうか?」

「ドランだけじゃない、アルノー様や王宮のみなさんは、シズルの本当の目的は知らないんじゃないですか?」

「アマル様、申し訳ありません、私の口からは何も言えません。」

その時ドランから念話が届いた。

【アマル無事なのか、まだギルドに着かないのか? シズルは治療院に着かなかったのか?】

【いえ、シズルは来ました。もう少し調べたい事が出来たので、心配しないで待って居て下さい。】

【大丈夫なのか?】

【はい。シズルもいるので大丈夫です。アルノー様にも心配しない様にお伝え下さい。】

【分かった。無理はするなよ。】

【ハイ。では。】


【シズル、私の事をセシール王国の皇族や教会に何処まで知らせていますか?】

【光の魔法が使える事。迄です。】

【シズル、ご家族は皆さん無事ですか?】

【アマル様、何故その事を…⁉】

【やはり、人質に捕らえられているのですね。分かりました。では、ご家族の命には代えられませんね。大人しく迎えを待ちましょう。】

【申し訳ありません。】

 


 この部屋に隠れて数時間が経っただろうか?

 私は不覚にも眠ってしまっていた。目を開けると……? ここは何処…?

 先程まで居た場所は洞穴の中だったような気がするが、今いる場所は、どう見ても馬車の中だよね?

 そして、口には布が噛まされ、両手、両足縛られた状態で、何処かに向かっている。

 いつかの展開と同じ気がするが、今そこには見知った人が居る。 

 シズルともう一人アルノー殿下の婚約者セシール王国第一王女ミラン様だ。

 ミラン様が、何故此処に?

「アマルフィお目覚めかしら。 どうしてここにシズルと私が居るのだろう?って、顔をしているわね。」

「ぅう~ん~~⁉」

【アルノー様きこえますか?そのままお聞き下さい。】

「教えてあげる、シズルは元々セシール王国の貧民街の孤児だったのよ。」

「ぇ…!?」

「そう貴方と同じ境遇だったのよ。私は教会の孤児院で、このシズルと出会い諜報員としての能力を見出したの。シズルは表向き私の護衛としての訓練を受けて居たの。でも、本当の目的は他国に潜入する諜報員としての訓練だった。このパルル王国に潜入し、内情を探らせ、この国を乗っ取るためのね。そして此の子の本当の名前はギゼラ。」

「ぅう~~~!!」

「そして、私はセシール王国第一王女ミラン・セシール何て名前じゃないし、私の本当の名前はクリスティーナ、教会の人間よ。貴方の光の魔法の情報はギゼラから聞いていたから、貴方を手に入れるため、セシール王国の、国王関係者が奴隷売買に手を染めていた事に教会として目をつぶる代わり、私をパルル王国の第一王子婚約者として送り込む事を条件にさせたの。分かった。」

「ぅう~~。」

「今朝治療院に幻影の魔法を掛け、治療院を隠したのは、私の共をして来た教会の魔法使い達よ。もう魔法は解除されていると思うけど。それじゃぁ、もう少し眠って居てね。」

【アルノー様、私は】この後の記憶は無かった。



 どれ位眠らされていたか分からないが、次に目覚めた時は、何処かの部屋だった。

「アマルフィ、お目覚めかしら。」

【アルノー様、聞こえますか?】

「私は、どれ位眠って居たんでしょうか。」

「二日位かしら。それよりもこの場所が何処か気になりませんの?」

「気になりますが、教えて頂けるんでしょうか?」

「教えてあげるわ。此処は、セシール王国の南端にあるデスバレという町の教会の中よ。」

「何故デスバレなのでしょう?」

「この教会はこの大陸で、私達が信仰する癒しの女神様の中心となる場所なの。」

「この教会が中心となる場所なのですね。」

「そう、だから、貴方はこの教会で、人々を癒さなくてはならないのです。」

「……⁉ 何故?」

「貴方はあのような場所で、簡単に力を使ってはダメなのです。」

「この場所ではこの力を使っていいのですか?」

「そうよ、此処は教会だもの、この地で神に選ばれた人々を癒さなくてはならないのです。貴女はこの世界で、力を持った特別な人の為にだけ、貴方の力を使う事が使命なのです。」

「では、神に選ばれた特別な人とは、どなたなのでしょう?」

「貴方の力は、この癒しの女神様の力。その力をこの世界全土に布教し、この教会を世界で一番大きくするのです。そして、癒しの聖地エメル島から、このデスバレが聖地になるのです。特別な人、それは多額の寄付が出来る財力と、権力を持った人達の事です。」

「では、お金が無い方の治療をしてはいけないって事ですか?」

「当然です。貧乏人を治療しても教会は大きくなりませんし、神様も喜びません。」

「では、お金が無い方は生きていてはいけないんでしょうか?」

「当然です。」

「…⁉ では、どの位の寄付が出来れば、治療しても構わないんでしょうか?」

「そうですね、最低で金貨一万枚から上限なしでしょうか?命が助かるのです。寄付金で済むのなら安いものですよ。」

「そのお金は、全て教会の為に使うんですか?」

「当然です。但し、私達も生活に必要な金額は報酬として頂きますよ。」

「自分達が贅沢をするためではないですよね。」

「むぅう…。勿論、教会の為のご寄付ですから。必要な金額だけですよ。」

「所で、ギゼラが見当たりませんがどうしたのですか?」

「今は、別の場所で諜報活動しているわ。」

 私は、このクリスティーナと話をしている間、念話が届かないか、アルノー様を思い描きながら話した。が、念話は無理だろうと思いながらも、もしかしてと淡い期待を込めていたが、やはり返事は来なかった。


「クリスティーナ、少し考えさせて。それと私の傍にギゼルを侍女として置いて欲しい。」

「分かったわ。では明朝返事を聞くは。」

 そう言うと、クリスティーナは何処かに行ってしまった。

 暫くすると、約束通りシズルが私の傍に帰って来た。


「シズルお帰り。」

「アマル様どうして裏切った私を…⁉」

【裏切り。今はそんな事はどうでもいいわ。聞きたい事が有ったの、あの人達は、私の治癒の魔法以外の事は知らないの?】

【ハイ、お顔が変化する事やこの念話、黒い靄の事は伝えて居ません】

【分かった。何故伝えなかったの?】

【アマル様はオステオ公爵様のお屋敷で、私なんかに治療をして頂けたばかりか、ご自分のベッドまで使わせようとしてくれたり、いつも私の身体を気遣ってくれたり、これ以上アマル様を裏切れませんでした。】

【シズル、ありがとう。私もあなたと同じ気持ちよ。此れからも宜しくお願いします。】


「どうしてって、此処では私は知らない人ばかりだから、シズルに近くに居て貰えたら心強いから。」

「アマル様、私でいいんですか?」

「シズルだからいいに、決まっている。でもお腹空いたわね。お食事は頂けないのかあなぁ。」

「すいません、今お持ちします。」

「うん、お願い。」

 この後、シズルが運んでくれた食事と、シズルが淹れてくれた美味しいお茶と一緒に頂いた。その後、姉妹のように一緒のベッドで寝たが、虐待されていたのか、シズルの身体に数カ所光っている部分が有ったので、見張りに気付かれないように治療した。

 この怒りが消化出来ない。奴等を懲らしめるチャンスを待ち、教会とセシール王国を両方懲らしめられる機会を、暫く待つ事にしよう。

 そのためには、魔力と体力を回復させて置こう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ