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けして運は悪くなかった

作者: 秋葉竹

 

 


むかしの針がカチカチ刻み

そこに絵本は

こびとと姫の話を語り

僕の手は

君みたいに小器用に手をふりながら

さようならとさようならと

告げたいと

迷っていたのでありました


小器用と云っても

それは

小川に流れる笹船みたいにしっとりと

ゆらゆらとゆらゆらと

流れてゆくのでありました


暮れても遊ぶ声が消えゆき

家家に

ゆっくりトモシビ灯るころ


百面奇抜な宝石みたいな

『至純』をそっと掬います


黄昏時ももはや過ぎゆき

金波銀波の街に灯が

灯る時間と成り果てて


どこかに針がカチカチ刻み

そこに死は

こびとと姫の至純を称え

そこに手は

君みたいに流れに手をふり

さようならとさようならと

告げているのでありました


君みたいと云っても

それは

私のこころをそっと泣かせるみたいな

染み染みと染み染みとした夜が

じぶんを慰める速度で

流れてゆくのでありました







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