デート代はどちらが出すべきか 還元、本質直観 8
「あそこに見える金井君は、私たちがそこに金井君がいてほしいからいるわけではないよね?」とうつつちゃんが言った。
「確かにいてほしいからいるわけじゃないわね。むしろなんでいるのかしら?」とギャル松井。
「なんか金井君の悪口言ってるみたいに聞こえちゃうわね」とツインテール晶子が久しぶりに口を開いた。
「確かに金井君は私たちの意識の自由になってないわね」と私も言った。
「意識の自由にならない意識の部分のことを、知覚と言い、知覚として認識したものを現実と呼んでいるのよ。今、私は現実と言った理由は真実ではないからよ」とうつつちゃんが言った。
「それは自分にとっての現実には常に実際はそうではなかったということがあり得るからね?」と私は言った。少しずつ分かってきた気がする。
「そういうことよ。これで還元の説明は理解してもらったようなので、ここから本質直観の説明に移るわよ」とうつつちゃんが言った。
とそこへ金井君が来て
「なんか、今俺の話ししてるの?」と聞いてきた。
「いや、してるって言うか、してないって言うか…まあ何でもないわよ」とギャル松井が濁して
「あ、そうなんだ、用がないならまあいいんだけど。なんか楽しそうだね」と金井君が言って、そしたら私の方を見て
「福田さんてちょっと変わったね。明るくなったって言うか、自分から話しかけるタイプじゃなかったのに。前はもっと思い詰めた表情をずっとしてた印象があったから」と言われた。
「なんかうつつと話すのが楽しいみたいよ。最近」とギャル松井が横から付け足した。
そういえばあの時、なんで私は金井君に話しかけたのだろう?
金井君は「へえ、よかったじゃん」と言って去って行った。




