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デート代はどちらが出すべきか 還元、本質直観 5

 「なぜ認識の正当性に懐疑論が介入できるのか?それはよく考えたら当たり前のことなんだけど、人間ていうのは自分の主観しかないからなの。当然なんけど人間て自分の意識から出られないわけよね?例えば、鏡に映った自分も写真で撮った自分も結局それを見てるのは自分なわけだし」とうつつちゃんが言った。

 「今、言おうとしたら先に言われたわ」と私は言った。

 「つまりこういうことよ。主観と客観の一致を問題にすると、主観の正しさというのを証明しなくてはいけないんだけど、その証明という言葉にはそもそも客観性という意味が含まれているの。だから主観の正しさを客観的に証明するなんて実は最初から不可能だったのよ。で、これはこう言い換えることができるの、私が見てる金井君と、そこにいると思われる金井君は一致するかという問題を設定するから、懐疑論が生じてしまうわけ。これはこの問題設定自体がそもそもそういう構造になっているってことなの」

 「あ!だから還元が意識にあるものしか存在を認めないっていうのはそういう理由だったのね!」と私は言った。さすがに少しテンションが上がってしまった。

 「そういうことよ。一応、もう一回言うけど、そこに金井君が実際にいるかどうかは論理上疑うことができるけど、私の意識に金井君が存在することはどんなに疑いたくても疑えないわけ。つまりここが推論の能力の限界なわけね。だからフッサールはこの地点から私たちにとっての現実や現象や認識とは何かを考え始めるべきだって言ったの」

 「まあ、確かに人間てずっと自分の意識の中で過ごしてるわよね。言われてみれば当たり前なんだけど、けっこう衝撃って言うか、新鮮ていうか、でもあそこにいるのは本当の金井君よね?金井く~ん」と私はなんとなく金井君に声をかけてみた。

 すると金井君はこちらを向いた。

 「なんでもな~い」と私は言ったら、金井君は少し笑った。

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