菊池ラーメン店が潰れた
最近の物価高や人手不足の影響で全国のラーメン店が次々と暖簾を下ろしている。
一世を風靡したラーメン店や、此の店のラーメンを食わずしてラーメン通を名乗るなと言われてきた名店も、次々と店を畳む。
だが菊池ラーメン店は物価高や人手不足は無縁だった。
豚の脂でギトギトのスープに太めで他のラーメン屋なら大盛りになるような量のラーメンの小麦は親戚筋の菊池農園から身内価格で仕入れ、ギトギトのスープの豚やラーメンの上に富士山のように盛られている脂でギトギトのチャーシューの豚は、此れも親戚筋の菊池養豚場から身内価格で仕入れているから物価高と無縁。
人手不足も元々店主夫婦は子沢山で、その沢山の子供たちがまた子沢山、その沢山の子供や孫が店の手伝いを行っていたから無縁。
味が落ちたという訳でも無い。
では何故か?
それは常連、それも1日1回は菊池ラーメンを食わないと気がすまないと豪語していた常連たち殆ど全員が、重度の糖尿病を発症して医師に厳しいカロリー制限が課せられる。
その厳しいカロリー制限に恐れをなした糖尿病予備軍の常連もビビリ上がり、健康を志向するようになって来店客が激減したのが店が潰れた原因だった。