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闇落ち回避

文章って短いほうがいいのかな…?とこの作品書き出したあたりからずっと考えているざっそーです。

ざっそーは長文ばかり書く小説を書いているので長文で書くのが当たり前、みたいな謎文化を持っているのですが、なろうのサイトを見ると結構短めで区切ってる方が多いのでそっちに寄せたほうがいいのかしら…?と思いながらずっと描いています。

でも長文で書いている方もいるということに最近気づき。どーしよっかな〜〜〜〜っとなっているざっそーです。

…うん。この話とてもどうでもいいですね。(^◇^)

ノアはフローラル家の本当の子供だ。

本来彼がフローラル家を継ぐ予定だった。

しかし彼は魔力を持たない人間だったのだ。

この家に置いてノアは不要な人間となった瞬間だった。




彼の部屋は昏く冷たい”地下牢”

ノアのような魔力を持たぬ人間がこの家に生まれた子供だと父も母も思いたくなかったからだ。

幸い”子供が生まれた”という事実こそ外部に漏れてしまったが、性別や子供の容姿、魔力のことなどの情報は外部に漏れていなかったため、これ以上の情報を外部に漏らさぬように。


しかしノアの存在を隠蔽するのだって容易ではない。

なんせ”子供が生まれた”ということは表に出てしまっているのだから。

他の家から茶会の招待状が届いても”病弱”という体で断るしかないが、それも当然長くは続かない。

このままではノアの存在が表に出てしまう。そうなれば名家としての評判が落ちる。




そんな彼らが取った行動は、魔力の強いノアと同じ年の子供を購入することだった。




或る日ノアは地下から出ることを許された。

その後一か月は色んなことを教え込まれた。

地下にいた時から文字の読み書きや言葉は教えてもらっていたがそれ以外はさっぱりだったノアは厳しい礼儀作法を徹底的に教え込まれた。

それでもノアには苦ではなかった。

何故なら、ノアに教育を施す男が言ったのだ。

「旦那様の意向だ」と。その言葉がどれだけノアにとって嬉しかったか。

両親が自分に関心を持ってくれた。両親が自分のために教育を施してくれている。

それだけで彼は天にも昇るほどに嬉しかった。


しかし、それは彼の為ではなかった。

それを知ったのは、彼が”召使”になる前日の夜だった。

彼は、彼の代わりに来た少女の道具となるためのものだった。

両親は彼を見てはいなかった。彼を少女に送るクマのぬいぐるみのような感覚でしか認識していなかった。


その事実は少年の心を砕くには十分で

そうしてそんな気持ちを抱えて彼は自身が仕えることになった主人と顔を合わせる。


本来自分に与えられるはずの部屋で、本来自分が貰う筈のものを貰い、本来自分が受けるはずだった教育を受けている、本来は自分の居場所だった場所に堂々と居座る同じ年の他人


自分は生まれてすぐに両親から関心を向けられず、言われた言葉といえば「できそこない」「うまなければよかった」そんな台詞ばかり。

なのに目の前の他人は両親からの関心を向けられ、元の生活からは到底想像もつかないような幸せな生活を手に入れることは出来ているというのに喚いて拒否する。


理解が出来なかった。

どうしてこんなやつが、と何度も思った。


テーブルマナーもまともに覚えられないことに苛立った。


教師の言葉に反発する態度に苛立った。


本当は魔法の才能があるくせにそれを使わない様子に苛立った。


両親がそんなこいつを見放すことなく、期待し続けている状況に苛立った。


魔法は使えないけど、それ以外は自分の方が完璧にできるのに。

どうして?どうしてこんな自分より劣るやつの世話を見ないといけないの?ただの他人なのに。自分は正真正銘彼らの息子なのに。どうして自分がこんな扱いを……。


魔法が使えるから?


魔法が使えるからあいつは愛されてるの?


魔法が使えないから、自分はこんな仕打ちを受けているの?




ああ、それなら……魔法を使えるようになればいいんだ……!!!!


そうして彼はその身を闇に堕とした______












____いや闇が深いんだよ!!!!












私は思わず内心でツッコミを入れる。


なんとなく脳内でノアの独白の話を思い出してみたけど改めて闇が深いな…。


ノアは主人公の付き人、ということしか最初は情報が開示されず

レオのトゥルーエンドに辿り着かないとノアの出生のことは知れない。主人公もノアが本来の家の子なんて知らないからね。


主人公はノアに対して嫌悪も好意も抱いてはいなかった。

それでも幼少期からの付き合いだから信頼していた。

けど結果的に裏切られることになったのだから主人公も可哀そうすぎる。


てか親も親だ。

よくもまぁ実の子供を義理の子供の世話役にしようとか考えたな?


これ以上人を雇う余裕がなかったのと丁度良かったっていうのもあるんだろうけど、それにしても思考回路ぶっ飛んでるでしょ。絶対修羅場になるに決まってるっていうのに……それくらい関心がないってことか。


ノアは両親が主人公に関心があると思っていたけどぶっちゃけ両親が見ていたのは主人公じゃなくてその才能だから……ノアからすればそれでも羨ましかったのかもしれないけど。


「…できました……」

「…………ありがとうございます」


なんて考えていたら結構な時間が経っていたらしい

手を退かせば暫しの間をおいて感謝を言われた。

まぁ複雑だよね。まだ本編ほどではないとはいえ、間違いなく嫌われているだろうから。


「他に痛い所とか……えと」

「ないです」

「そ、うですか……」


食い気味に言われた。そんな被せるように言わんでも……。


私が混乱の果に叫んだ「服を抜いでくれ」発言から数分後、なんとか誤解を解いて”傷の手当”をさせてもらった。

ノアは召使たちからも存在(ぞんざい)な扱いを受けていた。

ノアに召使としての知識を教えていた相手や食事を持ってくる相手、その他の召使たちからも八つ当たりで暴行を働かれている。


両親はノアに興味が無いからどれだけ殴っても咎めがないのだ。


ただ、一応当主の息子なので目立つ箇所。顔や手などは怪我をさせないようにしていたらしいが、服を脱いだ体は凡そ5歳児とは思えないほど。

寧ろ白い肌を探す方が大変だと思うほどに痣まみれだった。


回復魔法は疲れるし、今はあまり精度が高くないので完全に痣を消すことはできなかったので、また後日回復させるつもりだが、一旦は痛みを取り切ることは出来たらしい。


今はこれでいい。


私は考えた。


仲良くなることは出来なくても”生きてても別にいいか”と思える存在

もしくは”生かした方が利用価値がある”存在のどちらかになればいいじゃない!と。


その第一歩がこれだ。


私がいたら痛みはすぐに引くし、怪我もしなくて済むんですよー、と遠回しにアピールする。

これから一緒に住むわけだし、時間はある。


彼が15の誕生日を……”闇の魔法”に手を出す前に殺意を抱かれず、闇の魔法に頼らなくてもいいかな?と思えるような生活を送らせる。


彼さえ何とかすれば、入学後に起きる大抵の鬱展開は防げるのだから。


「がんばろう」

「……何を頑張るんですか」

「あ、いやっ、なんでも?!」


あとこのきょどっちゃう癖もどうにかしないと。

レオとも本編開始したら絶対に顔合わせるからね。

いくら私がヒロインで美少女だとしてもこの態度をどうにかしないと恋なんて始まらないし。

キモイ女、とか思われたらショックで三日は寝込む自信があるぞ。


はぁ、やることはまだまだ山積みだぁ……。

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