こんな方法で魔法習得する奴はいない
くっそ痛いけど成功したぞ〜!!!!!
はい、皆さん私です!朗報です!なんとか魔法の習得に大成功しました!!!!どんどんパフパフ!
やっぱり正当法じゃダメなんだよなぁ!
ということで魔法も習得したし、これから1年、どうにかして修行します!
まず基礎知識として華法には属性が火・水・木・光の4種類があり、魔法を持たない者以外は皆生まれながらに一つの属性をもって生まれる。
その中でも光属性はかなりレアな属性で主人公は当然光属性持ちとして生まれる。
光属性は使用できる魔法の幅が他3つに比べて非常に広い。
激レアな回復魔法に加え攻撃、守り、サポートすべてにおいて対応でき、覚えられない魔法はほぼない。チート属性だ。
ゲームでは最初から入手している回復魔法に加え、二種類ランダムで魔法を覚える。
ここでもランダム要素だ。引き運が悪いと場合によってはバッドエンドしかたどり着けなくなるという鬼畜要素
最初はこのランダム要素が楽しかったのだがコンプ目指しだしてからこのランダム要素こそが最大の敵としか思えなくなったのは記憶に新しい。
とはいえ、だ。その気になれば本編開始前から三つ以上の魔法を覚えられるはずだし、覚えられる魔法も自分で選べるはずだ。だってここは現実だから。
ということで、一年後までに私は攻撃魔法と配達魔法の二つを覚えることにする。
攻撃魔法はそんな大それたものじゃない。ただ魔力を体外に放出するという至って簡単かつ覚えやすい魔法だ。
だがシンプルだからこそ応用が利き、強い。
一年間ひたすら同じことを繰り返せばそこそこのダメージ量が乗るはずだ。
続いて配達魔法
魔法で鳥を作り空に飛ばす魔法
行き先がはっきりとしていればその場所に軽い荷物を持たせて飛ばすこともできる。
ゲーム内じゃハズレ魔法扱いを受けていた魔法だ。
なんせ行き先がはっきりしないと使えない。少しでも指定する場所を間違えると誰も居ないところに荷物を落としてきたりもする。
正直この魔法より体ごとワープできる転移魔法とか直接相手の脳内に繋げてメッセージを送れる伝達魔法のほうが優秀だったというのもある。
一方、周回プレイをするプレイヤーには神魔法として崇められていたりする。
なんせ習得が死ぬほど簡単。それに周回プレイをするプレイヤーならどこに何があって誰がいるかを”正確に”把握しているため本編開始直後からいきなりストーリー後半でしか会うことのできないキャラにアイコンタクトをとって時短したり、攻略対象がランダム要素によって出没してくれず会えない時などに攻略対象の部屋に直接手紙やプレゼントを押し付け無理矢理好感度を上げたりできるのだから。
これを使ってママンの実家に連絡する。
主人公が襲われる日は主人公の過去回想で知っているからその日に合わせて手紙を送り、ママンを連れて帰ってもらおうという計画だ。
多分相手は死ぬほど怪しむだろう。でもママンの名前を出せば多分来てくれる。てか来てくれないと困る。
それまでにちゃんと習得しないと。
魔法の覚え方はママンに聞けばいいか。今まで魔法が使えなかったからママンに教わることが出来なかったけど、魔法が使える今なら教われるでしょ。因みにママンはサポートが得意な水属性
攻防は苦手だけど、自分や味方に加護を授けたり、便利な能力を付与したりできる。今のうちに付与の魔法を覚えられるのは徳だし、多分配達魔法も覚えているんじゃなかろうか。うんうん。幸先悪いけど何とかなりそうだ。
と、まぁ今はそれより
「家帰ろ。おなかすいた」
腹ごしらえだ。
なお、傷は治れど服の首回りが血まみれになっていたことをすっかり忘れて帰ったせいで、ママンは悲鳴を上げ卒倒した。ごめん。




