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こんなことってある??

始めまして、おいしいざっそーです。

今回初の異世界転生系を書こうと思いました。異世界転生って色々難しそうで中々あれだったんですけど、今回思い切って書くことにしてみました。

初の試みなので綻び等が生じるとは思いますが暖かい目で見てください(´・ω・`)

ヒロインであることに胡坐をかいていた。その付けが回ってきたんだ。


そう、私は目の前の光景を見て漠然とそう思った。

心臓がバクバクと脈打って、爪先から温度が抜けていくような感覚

思わずよろけそうになる体をなんとか太ももに力を入れることで踏ん張って、目の前で起きている現状を理解しようとする。でも私の意識とは違い、頭は上手く回ってくれなかった。


美しい花が咲き誇る学園の中庭

うら若き乙女たちの間で告白の名所とも言われているそこには二人の人影があった。

片や金の長髪に吸い込まれそうなほどに美しい紅玉の瞳。それを囲う様にばっさばさに生えた睫毛。思わず触れたくなる程にきめ細かい真っ白な肌

美しいが釣り目であることからキツイ印象を受ける彼女だが、その性格は温厚かつ穏やかというギャップを持っている美少女


片や深い海の底を思わせる様な美しい紺碧の髪と、エメラルドを彷彿(ほうふつ)とさせる綺麗な深緑の目。鼻筋は綺麗に通っていて、薄く瑞々しい唇をもった美少年

その端麗な容姿と裕福な家柄、そして常に無表情かつ無口であることから一部からは氷の王子様とまで言われている彼だが、彼女を見つめる目は非常に優しく、口角も遠目からわかるほど上がっていた。

思わず息を呑んでしまうほどに美しい彼らが見つめあい、はにかんでいる姿は非常に絵になっている。

きっと目にする全ての人をうっとりとさせてしまうことだろう。



そう。彼と結ばれるのだと馬鹿みたいに思い込んでしまっていた”私”以外は。



ああ、こんなことならちゃんとアピールしておくべきだった。

ヒロインだから、ヒロイン補正が働いて普通にしていれば彼と結ばれるはず、なんて思いこんで何もしなかったからこんなことになってしまったのだろう。なんて愚かなんだろう。


元気出して、と私の背をポンポンと叩いて慰めてくれるラスボスの優しさに泣きそうになりながらも、私は今日までの日常をぼんやりと思い返すのだった。

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