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【書籍化・コミカライズ】万能薬師はざまぁを企てない 〜辺境の地で新薬作りに励んでいるので、あなたたちを相手にする暇などありません!〜  作者: 沙夜
本編

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レベルアップした結果は、やっぱりチート!?2

本日二話目の投稿です!

その、まさかでした。


「な、なにこれ……」


*****

 マリアンナ・アルストロメリア

 ジョブ:薬師

 HP:700/920

 MP:1202/4020

 スキル:調合LV.10

     調剤LV.7

     薬草採取LV.10

     製薬検索LV.1 ←new!

 !attention!

*****


その夜。


借家でひとりステータスを確認してみた。


のだが……。


MPがすごく増えている。


いや、元から多めではあったのだが、それにしても増えすぎじゃない?


そして調剤のレベル。


多少上がっているだろうなとは思ったけど、そんなに!?


レベル7って、上げたくても数ヶ月で上がるものじゃないと思うんだけど!?


そしてそして調合のレベル、いつの間にか10になってるし!


特になにも変わらないから気付かなかった。


あと製薬検索ってなに!?


なんかものすごく便利そうな名前だけど、どうやって使うの!?


……とツッコミだらけのステータスだったわけだけど……。


最後に“!attention!”ってなによ。


ついでに“new!”もなんなのよ。


陽気か。


ズキズキする頭を抱えていると、ひょっこりとルークが顔を出した。


「どう? レベル上がってたでしょ?」


無邪気に聞いてくるルークの頭を撫でて、まあねと答える。


「どれどれ? あ、やっぱり調合はレベルマックスまでいったね。それと調剤も7かぁ。それで製薬検索のスキルが開放されたんだね。そのスキル、ちょっと難しいけど便利だよ〜」


ちょっと待って。


ルークってば、私も知らないような新事実をそんなさらりと。


っていうか普通本人にしか見えないはずのステータス画面が見えてるの!?


「ああ! 僕は君の契約精霊だから、そのステータス画面も見えてるよ。あとほら、その“!attention!”ってやつ。指で押さえてみてよ」


契約精霊だから色々私と繋がってるってこと?


なるほど〜ってとりあえず納得して良いのかしら。


そして“!attention!”の表示を見る。


なんだかスマホやタブレットみたいねと思いながらルークの言う通りポチッと指で押さえてみる。


フォン


するとステータス画面の上に別のウィンドウが出てきた。


*****

合計ポーション作成数 299903本

回復魔法の開放まで、あとポーション97本

***** 


…………はい?


「回復魔法の開放……?」


「あ、やっぱりね。もうそろそろだと思ったんだよ。回復魔法ももちろん便利だからね〜。97本くらいなら、明日一日作れば達成できちゃうね!」


いやいやルーク、できちゃうね!じゃないでしょ。なんでそんなに落ち着いてるのよ!? 私は新事実や予想外の出来事に驚いてばかりなんですけどーーーー!!







次の日。


とりあえず一日寝て少し落ち着いた。


昨日の驚きっぱなしのスキルアップの結果をまとめると、一応こんな感じらしい。


ひとつ目は、ポーションという回復薬を三十万本作るという条件を満たせば、誰でも回復魔法を使えるようになる。


ただ、普通の魔力量しかない人は、ポーションをそれだけ作るのに毎日二十本作ったとしても四十年以上かかる。


しかし毎日魔力をはたいて作る人なんてほぼいないので、それ以上の年数がかかることになる。


そして私のような魔力量の多い人はそもそも薬師になどならないので、ポーションを作る機会もそう多くない。


ということで、この条件を満たせば回復魔法が使えるようになるということは、知られていないようだ。


ふたつ目は、製薬検索という新しいスキルについて。


これは本当に便利なスキルだった。


昨夜試してみることにしたのだが、“製薬検索”と唱えるとステータスとはまた違うウィンドウが出てきた。


その内容を簡単に表現すると、薬の作り方の逆引き辞書という感じだろうか。


まず、作りたい薬の効果を入力する。


“風邪薬”などだ。


そして“検索”という文字をタップする。


するとだだだっ!と風邪薬のレシピがいくつも出てくる。


その中から選んでも良いし、さらに使いたい薬草を入力して絞っても良い。


という感じで選んだ薬をタップすると、詳細な作り方の画面に変わる。


ちなみに薬草の名前から検索を始めても良い。


“ミドリソウ”と入力すると、それを使ってできる薬がいくつも並ぶ。


以前そんな便利機能があったら良いのに〜と思ったんだっけ。


そっくりそのままできるようになったわけです。


あ、その時思った便秘薬も作ってみようかしら。


そして三つ目、これはルークが教えてくれたことで、ステータスを見ただけでは気付かなかったのだが、どうやら調剤のレベルが7になったことと、新しく製薬検索のスキルが増えたことで、調剤スキルの幅が広がったらしい。


以前は患者の情報を入力することで、どの薬がどのくらい必要なのかが分かった(ちなみに今回、病名を入れるだけでも良くなった)。


ただ、作ったことのない薬は???と表示されていた。


しかし今は違う。その薬の名前がきちんと表示されるようになり、なおかつその薬名をタップすれば製薬検索のスキル画面に移行してくれるのだ。


つまり、その薬の作り方がすぐ分かる。


まるでスマホでの検索のようだ。


ありがたやありがたや。


スキル様々だわ〜と思いながら簡単に作った朝食を頬張っていると、ルークがひょっこり机に顔を出してきた。


「昨日はごめんね。まさか人間がそんなことも知らないんだって、僕も知らなかったからさ。マリアンナ、いつもすごい勢いでレベル上げしているから、てっきり知っているものだと思って……」


すごい勢いでレベル上げって、大量のポーションを作ったり薬の調合・調剤しまくったりしてるあれですかね……。


そうか、ルークにはそう見えていたのね。


でもまあ確かにルークは森の精霊、それほど人と関わることのない環境にいる。


そりゃ人間のことについて詳しくなくても仕方ないよね。


「ううん。昨日は色々と解説してくれてありがとう。ルークが物知りだから、助かったわ」


ちょっぴり耳を垂らすルークに柔らかく微笑み、怒ってはいないことを態度で示す。


すると上目遣いで私の様子を窺い、ぱあっと表情を明るくさせた。


ぷっ。分かりやすいわね。


「さて、どうせならポーション97本作ってとりあえず回復魔法使えるようにしちゃいましょう! ……と言いたいところだけれど、講義もあるし、それは急がないでおくわ。どうせ二、三日もすれば達成できるだろうし、ブルーノさん達の滞在も明日で終わりだから」


「そうだね、あのブルーノって薬師、帰ったらガンガン周りに伝授してまわるつもりだって息巻いてたよ。他の医師や薬師も自信つけたみたいだし」


「寂しくなるけれど、楽しみね」


彼らの今後と、ダイアンサス領地の未来が。

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