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【書籍化・コミカライズ】万能薬師はざまぁを企てない 〜辺境の地で新薬作りに励んでいるので、あなたたちを相手にする暇などありません!〜  作者: 沙夜
本編

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33/62

レベルアップした結果は、やっぱりチート!?1

この度、本作のベリーズファンタジー様での書籍化が決まりました(*´ω`*)

4月発売予定となっております♡

この先もマリアンナ達をどうぞよろしくお願いします♪

本日は夕方にももう一話投稿したいと思っております(^^)

各地から人材を集めて一ヶ月。


この間、五人にはレシピを元に新薬を作って作って作りまくってもらった。


おかげで基本の調合は皆ほとんど失敗しなくなった。


調剤についてやお薬手帳のことも講義で伝えると、全員が画期的な考えだと賛同してくれた。


そして薬を一回分ずつ包むことは、すぐに取り入れたいと意欲も見せてくれた。


ちなみにポーション屋の仕事も合間に行っている。


通常の注文だけなら良いのだが、大量の注文を受けた時にポーションが足りませーんは避けたいからね。


時間の空いた時に時々作って納品しているのだ。


「つか、まじでありえない量。話には聞いてましたけど……」


「おい、おまえ一日何本作れる?」


「魔力がカラカラになるまで頑張って三十本かな……」


薬を作るのにも多少の魔力を使うため、ポーションを作るのは手伝えないけど、作っているところが見たいと三人の薬師達が言った。


「あのー、そんなに近付かなくても、別に作り方は皆さんと変わらないでしょう?」


「「「あ、すみません」」」


こんなこと、前にも一度あったような……。


そうだ、フリード様だと思い出してやれやれと息をつく。


彼はこの一ヶ月で一度だけ様子を見に来たのだが、街には一日滞在しただけで、私達の様子を確認した後すぐにまたどこかへと馬を走らせていった。


忙しいのだなぁと思いつつ、大切な事業なのだからもう少し時間を割いても良いのではと不満に思うこともあった。


「あれ、なにか怒ってます?かき混ぜる手つきが荒いですよ。ひょっとして、男性関係とか?」


「……なに言ってるんですかブルーノさん。ただちょっと嫌なことを思い出しただけですよ」


当たらずとも遠からずなことを指摘され、動揺を表に出してしまいそうになる表情筋をぐっと抑え、平常心を保つ。


危ない、集中しなければ。


なんだつまらないと言われて、なんとか誤魔化せたようだと内心でほっとする。


「わう〜」


そこにルークが鼻先で私の足をつんつんしてきた。


……多分だけど、ほんとに〜?ってからかうような表情をしている気がする。


かわいいルークが相手だけど、ちょっとだけイラッとした。


「それにしても噂の効果が高いポーションの作り手が、まさかマリアンナさんだなんて。この一ヶ月の成果といい、辺境伯爵様があなたから学んで来いとおっしゃったのも納得です」


ルークとの無言のやり取りに気付いていないブルーノさんがそう言うと、うんうんと他の薬師達も頷いた。


「え? 噂の、って……」


話を聞くと、どうやら私の通常より効果の高いポーションは、ダイアンサス領に住む魔物討伐者達の中で有名らしい。


そのポーションに命を救われた者も少なからずいる、とまことしやかに噂されているのだとか。


いやいや、たかが少しくらい回復効果が高いからって、命を救われたなんて大袈裟だろう。


噂とは話が大きくなりがちよね。


「スキルレベルが高いとそうなるんですかね?さすがにレベルを教えてもらおうとは思いませんけど、マリアンナさんが最高レベルまでいったらどうなっちゃうんでしょうね」


あははと薬師達が笑う。


レベルかぁ、そういえば全然ステータスを見ていない。


基本、ゲームとは違ってレベルアップしても音楽が鳴って知らせてくれるようなことはない。


ステータスを開いて、ああいつの間にかアップしてる〜みたいな感じだ。


なんならいつの間にか二、三レベル上がっていたという人もいる。


頻繁にチェックしている人もいるが、まあそれは自分の成長度合いを気にする人が多いだろう。


強くなりたい、騎士志望の人とかね。


あとはレベル上げをしている人とか。


でも普通に暮らしている大抵の人は、数ヶ月、もしくは年に一度くらいしかステータスを開かない。


そういえば以前、調合レベルが10になったらどうなるのだろうと思ったことがあったっけ。


レベルが上がるごとにその次の段階に上がるために必要な経験値が多くなるから、そうそう最高レベルに達することはないと思うけれど。


ああ、調剤のレベルはそこそこ上がったかもね。元々は1だったし。


「なんにせよ、一度ステータスを確かめておくのも良いかもしれないわね……」


「わうっ!」


「うん?ルークもそれが良いって?」


ちょっと興奮気味にまとわりついてくるルークを宥める。


精霊のルークがこんな反応をするなんて、もしかしたらなにかあるのかしら?


「なんて、まさかね」

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