伊吹萃香編 前編
〜〜7:45PM
湊「ここは妖怪の山か」
ルーミア「萃香ちゃん探してるの?」
湊「まぁここまで来たからな」
ルーミア「萃香ちゃんどうしてるんだろう?」
湊「どうだろうな。あいつ結構気が強いからほかのやつを支えてくれてるんじゃない?」
ルーミア「萃香ちゃん普段から周りを気遣った行動をしているからそれもあるかもしれないね」
湊「とりあえず探そうぜ」
ルーミア「そうね」
???「もう無理だ」
そう言う誰かの弱音は暗い絶望の、皮肉にも満天の美しい夜空に溶けるように消えていった
〜〜SIDE 第三者
リグル「萃香姉ちゃんもう無理だよ。もう三年たった」
萃香「そうだな」
ミスティア「もう限界だよ」
萃香「そうか」
リグルとミスティアは泣きそうな顔で限界だと言った。萃香は暗い顔をし二人に同意する。
萃香「もうあいつは帰ってこないだろうな。お前らも今までよく頑張った。しかしそんな私達の頑張りは意味がなかったんだな」
リグル「そんな事言わないでよ」
ミスティア「そうだよ。萃香お姉ちゃんのおかげで今まで信じることができたんだから」
萃香「いいよ。そんな慰めの言葉はいらない。もう終わったんだから」
リグル「萃香お姉ちゃん」
萃香「私はもうここから離れる。お前らが後にどうするかはわからない。とはいえ、私ももう限界なんだ。さようなら。今までよく頑張った」
そう言い残し萃香は立ち去っていった。
ミスティア「待ってよ萃香お姉ちゃん!」
しかし萃香は止まらない。ミスティアとリグルは萃香に抱きついた
萃香「離してくれ。私は行くべきところがあるんだ」
リグル「それってどこ?」
萃香「それは…言えない」
ミスティア「どうして?どうして言えないの?私達になにか隠してるの?」
萃香「いや、隠しては…ない」
リグル「ねぇ萃香お姉ちゃんは帰ってくるの?」
萃香「?!」
ミスティア「どういうこと?」
リグル「萃香お姉ちゃんは責任を感じているんじゃない?だから…」
ミスティア「だから?」
リグル「もしかして死のうとしているんじゃないかな?どうなの萃香お姉ちゃん?」
萃香「お前賢くなったな」
リグル「そう答えるっていうことはやっぱり…」
萃香「そうだ。お前らが限界だったように私も限界だった」
リグル「だからって、それはおかしいよ」
萃香「でもなどうしようもないんだよ」
ミスティア「でも…」
萃香「私はなあいつが全てだった。あいつがもういないなんて耐えられないんだよ。お前らもそうだろ?」
萃香は胸の内を明かした。
リグル「それは…」
ミスティア「私達もそうだけど」
二人も同意する
萃香「今まではあいつがいつか帰ってくるということを信じて耐えていたがもうあいつは帰ってこないだろ?もうタイムオーバーだ」
リグル「…」
ミスティア「…」
二人は暗い顔をして答えない。否、答えることができない。それもそのはず彼らが愛す彼はもう帰ってこないと考えているからだ。
萃香「もう、いいだろ?ほらお前らは帰れ」
萃香は二人に能力を使い強制的に帰らせた。
萃香「リグル・ミスティア済まなかったな。仕方がないんだよ」
それを聞いた二人は顔こそ見えないがとても暗い雰囲気をしている。
萃香「さて、頂上まで行きますか」