決闘の前に
短いですが昨日の更新分です。
今日はゆっくり書ける時間が取れないので、短めの話を複数投稿する予定です。
翌日。今日は月曜日だ。
もう一度言う。今日は月曜日だ。
「クッソ……。半期皆勤手当て……」
別に金に困っちゃあいないけど、それでも本来であれば貰えたはずのボーナスが貰えないという、この何とも言えない辛さ。
「とりあえず、だいだいん家行くか」
結局昨日はだいだいと飯を食って、すぐに帰って寝た。
長時間プレイした後にログアウトすると、何故か「今日はもういいか」となってしまう。
コットには悪い事をしたかもな。
「ゲームにおいちゃあ、俺ももう歳だな……」
どれほど追いかけても、疲れたり飽きる事のなかった好きなものが遠ざかってゆく感覚。切ねぇ~。
そんな切ない思いを痛感しながら、俺はだいだいの家へと車を走らせた。
「今日も早いな」
チャイムを鳴らし、モニターで俺の顔を確認するやこんな言葉で出迎えただいだい。
「つってももう昼前だぜ。約束の時間まで九時間しかねぇ」
「対人戦をするんだよな」
「あぁ」
「とりあえず中に入れよ」
「お邪魔しまっと」
広い家の中をだいだいに先導してもらいながら、だいだいの部屋を目指す。
「着いたな。アイスティーとコーヒーだったらどっちを飲む?」
「どっちも苦いじゃねぇか」
「頭が冴えるぞ」
「アイスティー。流石にブラックは飲めねぇ」
「わかった。それで、今日はどうするんだ?」
グラスに注がれたアイスティーを、俺は少しだけ口に含ませた。
「苦ぇ。せっかくだし、新フィールドでも行ってみるか?」
「二人でか?」
「もしかしたら四人……、か五人。それか六人」
「? 嫌に曖昧じゃないか」
「誰がログインしてるかはまだわかんねぇからな」
「なるほど」
「そんじゃ、行こうぜ」
さも日常が如く俺とだいだいはUPCへと座り、『カラミティグランド』へとログインした。




