武器の強化だ
『明日の夜はログインするか?』
『するけど、、、何の用だ?』
『明日、とある奴と決闘をするんだ。ヒマならギャラリーしに来いよ。』
『決闘?誰と?』
『ちょっとした知り合い。』
『決闘って事は、時間は決めてんのか?』
『21時。だがそれより前にメッセージくれると助かる。少しパーティを組もう。』
『わーったよ、、、ワタルも連れて行っていいか?』
『オッケーだ。宜しく頼むよ。』
メッセージをのやり取りをしていた相手はアスティだ。
この間の対人戦で、アスティの戦闘の仕方は『in world』のものだとわかった。
それであれば、ワタルと一緒にちょっとした訓練をつけてやるのも悪くない。
俺は俺で、エヴリデイとやり合う前の準備運動にもなるしな。
それにしても、やっぱりアスティはワタルと固定を組んでるみたいだな。
明日が楽しみだぜ。
「悪い、待たせたな」
「おかえりなさいです。テュリオスさんと少しお話をしていたのですが、新しい要素が追加されたみたいですよ?」
「あっ、そういえばそうだったな」
オルグファスを倒してバリトンへと戻ってきた時、追加要素についての通知ウィンドウが現れてたのを全くもって忘れていた。
「何が追加されたんだ?」
「武器の強化と、新しいフィールドです」
「言われてみれば、武器の強化らしいものは今まで無かったな」
「確かに。武器の強化か……。後でやっておこう。っとその前に、二人はレベル幾つになった?」
俺はオルグファス戦を終え、レベルは12になっていた。
「わたしは10になりました」
「俺は8までいった」
お、快調快調。上手く行けば今日中にテュリオスのレベルも10まで持っていけるかもな。
「よし。それならコット、お前がリーダーになって、『レベルキャップ解放クエスト』を受けるんだ。
クエストのボスからブリーズコートがドロップしたら、後で俺に売ってくれ」
俺は二人へと視線を変え配せながら、ブリーズコートが欲しいと伝えた。
「わかりました」
「了解だ」
さっき『硯音』のギルドエリアでパーティを解散していた俺達は、コットから来た招待申請を承認して、再びパーティを組んだ。
「ひとまずコイツの強化がしたい。一度武器ショップに寄っていいか?」
俺はチュートリアルリッパーへと指を差した。
「構いませんよ。わたしも少しショップを覗いて行きたいですし」
「俺も、今の装備が強化出来るのか見ておきたい所だ」
「あぁそうだ。二人はアクセサリショップに寄るといい。機械天使の首飾りってのが作れるなら作っておけ」
あれだけヴォイドエッジアーミーと戦闘したんだ。
必要な素材は恐らく手に入っている事だろう。
一度コットとは別れ、俺とテュリオスが真っ先に向かったのは、もちろん武器ショップである。
NPCにアクセスすると、今までには無かった[強化]という項目が追加されていた。
迷わず[強化]をタップし、その中にあった[武器を強化する]の項目を選ぶ。
当然強化する武器はチュートリアルリッパーだ。これを選択し、一段階ずつ強化した。
【短刃剣】チュートリアルリッパー+9
【攻撃力】《31》
【レアリティ】《1》
無の低級錬成石だけ使って強化出来るのはここまでだった。
元々12しか無かったチュートリアルリッパーの攻撃力は31、三倍近くまで跳ね上がった。
錬成武器と同じくらいの火力は出せそう、か?
因みに強化に使った錬成石の数は37。意外ともってかれるな。
ここからチュートリアルリッパーの強化値を+10へと引き上げるには、もう一つの強化アイテムらしき、「鋼材」という物が必要になる。
「どうだテュリオス? 強化出来たか?」
「いや、ダメだ。青レアは中級の錬成石が強化素材になっている」
「そいつは残念だったな。中級はいつから手に入るんだろうな」
「もう一つか二つくらい、先のフィールドに行かないと手に入らなそうな気がする」
「まだまだ遠いなー。さて、ここでの用事は済んだ。コットに合流しに行こうぜ」
「そうだな」
コットはまだアイテムショップに居るだろうか。
居なきゃ居ないで、アクセサリショップに向かえばいいだけだけなんだけどな。
【結晶士】ソウキ:レベル12
所持スキルポイント:15
武器:チュートリアルリッパー+9
頭:無し
胴:赤竜鱗の胸当て
腕:赤竜鱗の籠手
脚:赤竜鱗のグリーヴ
アウター:アトラリアの法衣
インナー:無し
パンツ:無し
マント:無し
首:機械神使の首飾り
右手首:英雄のバングル
左手首:無し
リング:マニュアリング
所持スキル:
【錬成の心得:Ⅰ】
錬成した武器の耐久力を上げる。
錬成武器を装備している間、僅かに攻撃力が上昇する。
【錬成の心得:技】
錬成した武器の耐久力が僅かに上昇する。
一度の錬成でカウントされる錬成回数が2に増える。
【強化錬成術:Ⅰ】
複数の錬成石を使用して錬成した武器の攻撃力を大幅に上昇させる錬成が可能になる。
この効果によって錬成された武器の耐久力は大幅に減少する。
【拳闘武器錬成】
拳闘が錬成可能になる。
【マルチウェポン】
錬成武器専用の特殊ショートカットが使用可能になる。
【デュアル・エッジ】
同じ錬成石を2つ消費する事で、同一の片手用武器種を同時に両手へと錬成する事が可能となる。
装備限定スキル:
【女神の息吹】
装備している者のHPを、10秒毎に5%回復する。
【機械神使の鼓動】
2秒間に1度、装備者の最大HPの1.4%を回復する。
【力の源】
与ダメージが3%上昇する。
【闘竜の怒り】
被ダメージを15%軽減する。
竜族、竜人族に対する与ダメージを15%増加、被ダメージを20%軽減する。




