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わたしはコット(コット視点回)―1

短めのコット視点回です。


今日のお昼までには次の話を更新してコット視点を区切りとしたいなと考えています。


宜しくお願い致します!

 

 わたしはコット。ここではそう名乗っています。


 あまり多くは語りたくはありませんが、現実(向こう)での名前は高村千奈(たかむらちな)って名前で、高校生をやっています。


 中学生の時、女子の間ではよくある「ハブり」の対象となってからは、人付き合いが上手く出来なくなってしまいました。


 それならいっそ、一人で居よう。一人で居たいと。わたしはそれを望み、受け入れてしまった。


 ……高校への進学祝いとして、UPCはお父さんに買ってもらいました。


 あまりゲームにのめり込み過ぎるのは良くないと分かってはいても、ここではないどこかへ逃げてしまいたい。


 そんな思いが、わたしを『カラミティグランド』の中へと引き寄せてしまうのです。


 ゲームは好きだけど、わたしはゲームが下手で、苦手で。


 上手く戦うことが出来ず、何度も何度もHPをゼロにしていたわたしは結局、『カラミティグランド』の中でさえ、自分の居場所なんて無いんだと思いかけていました。


 ……そんな時、わたしはあの人に出会った。


 たった一人、わたししか居なかったチュートリアルのあの区域(レギオン)

 そこに突如として現れた「ソウキ」さんというプレイヤー。


「所詮はゲーム」、「たかがゲーム」と謳うその人は、自らの発する言葉とは裏腹に、とても強く、とてもしなやかに、とても狡猾に。

 ただただ楽しむ為に敵を倒す事だけを考え、そこに向けて全力を尽くしていました。


 時折戦闘中に見せる常人ならざる動きと、標的を捉えた獣のような危険な笑みが、只者では無いオーラを出している。

 それが、ソウキさんというプレイヤーです。


 エクストリームボス、アトラフィとの戦い。


 周りを囲っていたプレイヤーさん達が戦闘に参加しようとしていた時、ソウキさんは激昂してそれを止めてしまいました。


 あんなソウキさんは初めて見ました。


 ソウキさんと一緒にアトラフィと戦っていたエルドさんも、他のプレイヤーさんとは目に見えて動きが違いました。


 その動きが、ソウキさんと微妙に息が合っていた気がしたのは、わたしの気のせいでしょうか?


 ソウキさんとエルドさんと交流を深めていく内、この二人と一緒に、わたしもこの世界を自由気まま暴れてみたいと思いました。


 わたしは戦闘職ではないので、どう頑張ってもあんな風にはなれないですけど。


 ……いつか、本当にいつか、ソウキさんがギルドを結成するか、ギルドに加入して本格的に活動していくという時は、わたしもそれに続こうと思っています。


 ソウキさんに引っ張られている、流されているだけかもしれない。


 それでもあの人となら、わたしは『カラミティグランド』の世界の中で、高村千奈(わたし)を越えた何者かになれる気がする。


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