結晶士の戦闘スタイル―1
書く時間が無かったので短めです。
誤字や文章のおかしな部分は明日修正しますので宜しくお願い致します!
そんなこんなで、ゆっくりとダンジョンを進んでいた俺達。
もう結構奥まで進んできたんじゃないか?
時折、アサルトスパイダーというすばしっこくて厄介な蜘蛛型モンスターが襲ってきたりはしたものの、基本的には各種の武器を握るスケルトンが道中で湧く程度だった。
アトラリア砂道よりも狭く作られてはいると思うが、廃坑道もマップを開いて見る限りでは結構な広さを持っていそうだ。
「さっきみたいな複数の道の中の一本が正解のルートって感じの構成だと助かるんだけど、中には二ルートの先の敵を全滅させると特定のエリアが解放される、みたいなのもあるだろうな。
そういうルート構成がされていると、ちっと面倒だよな」
「全員で片方ずつ潰して行くとなると、時間もかかって効率は悪くなりますし、先程のようにチームを分けて行くとしても、火力のバランスが偏ってしまったりとなかなか難しいところですね」
俺のぼやきにエイジがそう答える。
そうだよな。確かにさっきのチーム分けは、そこまで深く考えたつもりでは無かったが、それぞれのチームのパワーバランス的には悪くないものだった。
俺は一人だったけどな。
「さっきみたいな道が三つに分かれている事なんていうのは、珍しいんじゃないでしょうか?」
とコットは言う。甘いなコット。ここは一応ネットゲームの中だぞ。
「わかんねぇだろ? 五人全員が別の部屋に飛ばされて、それぞれがその部屋に居る中ボスみたいな敵を倒すまで合流出来ない、みたいなパターンだってあるかもしれん」
RPGの終盤とかに、たまーにそういうイベントあるよな。
「そうだとしたら、わたしはお役に立てないですね……」
「そうしょげるなコット。ヒーラーが戦えないってのは仕方のない事なんだ。
その時出来る事を精一杯やれば、攻略に失敗したって誰もお前の事を責めたりなんかしねぇよ」
「……そういえば、ソウキさんとコットさんの二人は、何という職業なんですか?」
何となく変な空気になりそうなところを、スミレが俺とコットに質問を出して一変させてくれた。
「俺か? 俺は結晶士って職業だ」
「結晶士、ですか。名前だけではどんな職業なのか全然わからないですね」
だろうなスミレ。
俺もチュートリアルでアルマトからルーレットで選ばれた職業が結晶士だと言われた時は、なんだそれってなったのは覚えてる。
「渡した錬成石が関係しているんだろうな、というのは何となくわかるんですけど」
……そうか。アレイダには錬成石を寄越せるだけ寄越せとは言ったが、どんな事に使うかってのは説明してなかったっけか。
「んじゃ、実際に何が出来る職業なのかってのをよく見ておけ。
ちょうどモンスターも見えてきた事だしな」
目の前には、狙い澄ましたかのようにタイミングよく生成していた三体のスケルトン。
さて、何の武器を錬成して戦ってやるのが良いかねぇ。
そう思いつつ適当にショートカットから選んで錬成した武器種は槍。正式な武器種名は槍だ。
錬成の終わった俺の右手には、柄から刃先まで全て半透明な水晶質の槍が握られている。
スミレやアレイダも居る事だし俺が持ってんのが槍だって事は、すぐに気付いてくれるだろうよ。
「えっ? 槍……?」
アレイダが少し驚いたような声を上げている。なかなかに嬉しい反応だ。
「んじゃ、ちょっくら行ってくる。お前らはここで見てろな」
「わかりました。お気をつけて」
エイジからそんな言葉が掛けられた。見られてると緊張しちゃう。冗談だけど。
槍で可動制御反応とか狙えたりするのかな。ちょっとやってみっか。
俺はダンジョンに来て幾度目かになるスケルトンとの戦闘の中で、初めて槍を握って戦うことになった。
んま、上手く使えないようならソッコーで他の武器種を錬成して戦うけどな。
 




