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スキルをとろう

 

「さてさて、見られるものを順々に見ていこうじゃあないか」


 フィールドへと出た俺達は、互いに狩りの前の最終準備と追加された要素の確認作業をするかとになった。


 まずはルーツツリーから見ていこう。

 俺の場合は今更言うまでもない、現在の職業(クラス)は結晶士だ。

 そしてその結晶士の上には二つの職業(クラス)が『???』と表記されて待ち構えている。


 更にその上には枠外に伸びるように線が伸びていた。つまりはこの上にも職業(クラス)は存在し、最低三つは結晶士の上級職があるということ。


 一つ上の上級職の解放条件を見てみたが、まぁ酷いものだ。


『総錬成回数8万回:263/80000』

『いずれかのボスモンスターのファーストキル1/1』


 となっている。み、道のりが遠すぎる……。

 二つ目の条件に関しては、チュートリアル期間に倒したリザードサイスのファーストキル分がカウントされていたのはありがたい。


 だけどこの条件、俺はボスを独占出来る状況下にあったし、リザードサイスも決して倒せない相手ではなかった。


 だからこそ、今の時点で運の良いことに達成出来てる訳なのだが、他の奴にもボスのファーストキルが上級職の解放条件に設定されてるとしたら、そいつは上級職に上がることすら出来ない可能性も考えられるよな。


 この仕組み、かなりえげつない気がする。

 というのもA.I.N.A.にはメニューから消えたスコアボードの代わりに、レコードという項目がある。


 ダンジョンのクリアタイム、ボスのファーストキルが更新されれば、その記録がレコードに載る。

 そしてレコードはプレイヤー全員が見ることが出来る。

 誰にでも見られるということは、見栄を張りたいプレイヤーがこのレコードを狙いに来るということだ。


 つまり、ボスのファーストキルが上級職の解放条件に設定されている奴が他にも居るとすれば、そいつは誰にも見つからないような僻地に住まうボスをひっそりと倒すか、ファーストキルのレコードを狙う連中とボスの奪い合いをどこかでしなきゃいけないということ。


 さすがにそんなきつい条件を設けられているのは、ユニーク職業(クラス)の奴だけだと思いたいところ。

 じゃなきゃ絶対投げるやつ多数だろこれ。


「次はー……スキル見てみっか」


 実のところ一番期待してたのはスキルだったりする。

 リザードサイスがドロップしたスキル書というアイテムもあるし、ここで他のプレイヤーと差をつけられる何かが出来れば嬉しいというもの。


『カラミティグランド』には技みたいなスキルはない。

 コットの「回復」や、椿の「歌」のように、特定の動作や行動を行うことで発動できるものもあるにはあるのだが、正直この二人の動作というのは俺の「錬成」に近いものがある。


 回復できたり攻撃力を上げたりと、補助的な作用をもたらすものはあっても、ナントカ斬でぃぇぇえええい! みたいな、相手に対して物理的な影響を与えられるようなスキルは存在しないということだ。

 早い話がスキルを取れば、そのスキルの効果を常時発動してくれるオマケ能力ってこったな。


 スキルを確認する前にまずはスキル書を使ってスキルポイントをゲットしておく。

 あぁ。スキルもスキルポイントも実装されてなかったから、チュートリアルでスキル書が使えなかった訳だ。納得。


 初期値である5のスキルポイントと、三つ所持していたスキル書を使い、使えるスキルポイントは合計8ポイントとなった。


 さて、これでスキルを取る為に俺が出来るこれ以上の事はなくなった。


 メニューからスキルの項目を開いてみると、スキルも職業(クラス)同様、ツリーチャート式になっていた。

 ルーツツリーとは逆に、下に伸びているタイプだったけどな。

 このスキルを取ると、そのスキルの先に類似スキルや派生スキルなど、更に効果の高いものが控えているよ。みたいな感じのやつ。


 結晶士である俺が取れるスキルには面白いものが幾つもあった。


【錬成の心得:Ⅰ】

 錬成した武器の耐久力を上げる

 錬成武器を装備している間、僅かに攻撃力が上昇する。


【強化錬成術:Ⅰ】

 複数の錬成石(オークラント)を使用して錬成した武器の攻撃力を大幅に上昇させる錬成が可能になる。

 この効果によって錬成された武器の耐久力は大幅に減少する。


【錬闘士】

 拳闘武器を錬成した時の攻撃力が上昇する。

 錬成武器を装備した状態での素手攻撃のダメージ補正が僅かに緩和される。


【マルチウェポン】

 錬成武器専用の特殊ショートカットが使用可能になる。


 他にもまだまだ使えるスキルは沢山あるが、今あるスキルポイントで取ることの出来るもので、俺が必要だなと思ったのはこの四つに絞られる。


【錬闘士】は短刃剣(ダガー)を錬成しての超近距離戦で高い効果を発揮してくれるが、これを取得するのは【拳闘武器錬成】のスキルを取ってからでも遅くはない。


【拳闘武器錬成】は読んで字の如く、殴って戦う為の拳に装着する武器の錬成が可能になるスキルだ。

 錬成出来る武器種を増やしていけるってのは戦闘の楽しさという意味でも、攻撃のバリエーションが増えるという意味でも優先して取っていきたいのはあるが。


「んーっ。ここはやっぱ【錬成の心得】か?」


 少し悩みはしたが、今一番やっておきたいのは錬成石(オークラント)一個あたりの継戦能力の強化。

 俺の戦闘力というのはどうしても錬成石(オークラント)の所持数に依存する。


 これから先、【強化錬成術】を駆使して火力を爆上げして、短時間にバシバシ敵のHPを削らなきゃいけない場面があったとしたら、相対的に通常の錬成をした時にその錬成石(オークラント)一個でどれだけ戦えるか、ってのが鍵になってくる筈だ。


 俺は躊躇うことなく【錬成の心得】を取得した。

 たった1ポイントで錬成武器の耐久力を少しでも上げられるならば、現状これ以上に重要なスキルはないだろう。


 続いて、6ポイントを消費して【マルチウェポン】を取得しておいた。

 これはその内、属性付きの錬成石(オークラント)や高ランクの錬成石(オークラント)を入手していくだろうから、すぐにショートカットの枠が足りなくなるだろうと考えたからだ。


「なるほどなるほど。こういう感じになるのね」


 右手首にもショートカットウィンドウが現れる。これで左手首にある十二個のアイテムショートカットと、右手首に新たに現れた十二種類の錬成武器専用のショートカット枠を確保出来た。

 最悪右の枠が埋まってしまって尚、錬成する武器種をショートカットに登録したいとなった場合でも、左の枠にお邪魔させてもらうという事も出来る。


 残りのスキルポイントはたったの1ポイントとなってしまったが、レベルアップ毎で2ポイントずつ獲得出来るし、スキル書の存在も考えればこの辺りは気にせずガンガン消費して使えるスキルを取っていった方が良いのか。


 しかし今はまだ『???』となっていて、解放レベルまで到達しないとスキルの詳細や取得に必要なポイントの見れないスキルもある為、最低限必要なスキルだけ取りつつスキルポイントを節約しながら進んでいこうと思う。


【マルチウェポン】の先にスキルがひとつ控えていて、このスキルの解放レベルは55となっている。

 ショートカットの枠が増えるだけとかだったら相当な肩透かしを喰らうことになるが、この気になるスキルの詳細がわかるまではスキルポイントは溜め込んでおきたい。


 スキルに関しては今の所はこんなところだろうか。

 後は実際にレベルを上げていって、これから動かしていく中で足りないものをスキルで補っていければいい。

 当面はスキルについてをあまり深く考えなくてもいいと思う。多分。


 次はA.I.N.A.についてと、細々としたゲーム進行に関する部分を、プレイングマニュアルを見ながらだいだいと理解していこう。


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