表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/162

セイと二人―2

 

「……なるほど、ここまではわかった」


 俺は一通り、ユニーク職業(クラス)についての自分の記憶している限りをセイへと教えてやった。


 たった七人しかユニーク職には就けない事。

 ユニーク職にしか装備出来ないという、専用装備がある事。

 そして、転職(クラスチェンジ)をする為の条件がかなり厳しい事。


 コットのような軽めの条件もあったりするが、これは単に、治癒士見習いの持つ戦闘力が低いせいもあるだろう。


 対して俺やエルドのような、単独でもそこそこ以上に戦闘の行える職業(クラス)ほど、上級職へと上がる条件が重たいと予測している。

 という事も付け加えておいた。


「オッケー。そんじゃ次はさっき使ってた武器についてだ」


 次に、俺は結晶士についてをセイへと教える事に。


 武器を錬成する為には、錬成石(オークラント)が必要になる事と、錬成する度に、ショートカットをいちいち操作しなければならない事。


「……なるほど? じゃあ、あの武器を使う度に錬成石(オークラント)ってアイテムを消費してる訳ね」


「そういう事だ」


「でも、さっき手に入れた武器があれば」


 セイは俺の宝雷剣・バルサを指差している。


「そうだな、しばらくは錬成石(オークラント)を使わずに戦えるってこった」


 実際、既にバルサザーク戦の後から40個近くも錬成石(オークラント)が増えている。


 普通にチュートリアルリッパーを振るっても錬成石(オークラント)は手に入れられるが、ここまで早くは集められないだろう。


 宝雷剣・バルサの力を痛感するばかりだぜ。


「なんか、ワギから聞く感じでは、ユニーク職業(クラス)にそこまでの魅力を感じないのは僕だけ?」


「んー……。それも人によりけりだろ。

 外から見える分でのユニーク職業(クラス)ってのは、火力が高かったり得手不得手がはっきりしていたりと、案外と面白そうに見えたりはするだろう。

 だけど、じゃあ実際に就いてみるってなると、結構キツい面が多々あるからな」


 回復特化のコットや、支援職寄りの椿が敵との戦闘で不利となるのは仕方ないとして、俺やエルドみたいなのは職業(クラス)による弱点が結構明確だ。


 瞬間的な高火力や、敵の弱点を的確に突けるという点では、突破力として俺とエルドには確かな強みがある。


 だが長期戦や連戦、対人戦(PvP)を想定した場合、その度合いにもよるが、職業(クラス)の弱みは顕著に現れ易い。


 まぁ、そういったバランスの足し引きってのは大事だけどな。


「せっかく手に入れたレア装備が使えないっていうのも、減点ポイント」


「うっ。やめろ気にしている事を……」


「仕方ない。本当の事」


 こうして人から言われちまうと、やっぱ悲しい気持ちになるぜ。


「まぁなんだ。コイツみたいな武器もあるってわかったし、多少は前向きにもなれるってモンよ」


 宝雷剣・バルサの柄をちょんちょんと突つきながら、こう俺はセイへと言った。


「そう?」


 いまいちセイは納得してないみたいだけど。


「そうだ。……ん?」


 ふと、脇の小道に続く区画に目が行った。

 ……何かがおかしい。


「……セイ。強敵の匂いがしやがるぜ」


 俺が異変を感じた区画に、薄っすらと見える[転移の渦]。その光の周囲。

 そこだけが不自然に、すっごい不自然に緑が繁っていた。


 これはあれだな。ギミックボスだな。


「匂いはしないけど、強敵。勝てるかな?」


「二人だけでも、俺とお前ならやれんだろ。根拠は無ぇけど」


「……じゃあ、行こう」


 俺とセイは、不自然領域の中にある[転移の渦]のすぐ側までやって来た。


「ここだけ、変」


「この先に居るのがボスだった場合、確実に初めて出会う敵だと思う。

 ……事前情報は一切無いが、準備はいいか?」


「うん。おっけー」


「うし。じゃあ入るぜ」


 パーティリーダーである俺は[転移の渦]へとアクセスし、視界は少しのローディング画面へ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=447283488&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ